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我慢ならない利用者2

今日という日は介護士歴3ヶ月で1番ムカついた日だった。
件の僕の嫌いなジジィは叫ぶし、その叫び声に恐れ慄いた新顔のハイパー呆けババァはベッドから寝たり起きたりを繰り返す。
同じく新顔の頭はしっかりしている、アル中のおっちゃんはまあ良い。
酒さえ与えておけばしっかりしている。
僕の亡父もアル中で、焼酎ばかり飲んでいて、大動脈瘤破裂で62歳になってすぐに死んだ。
おっさんは亡父と同じ目をしていた。

ハイパー呆け徘徊ババァのせいで仕事が立ち行かなくなる。
うるせージジィは相変わらず舐めてかかってきやがった。
だからベッドの周りを車椅子、椅子、パーティションでバリケードを作り、わざと床に降りないようにしてやったぜ。

新顔のハイパー呆けババァは病院と勘違いして、繰り言を延々言う。
「寝てください」
と何度も言ってベッドに行かすが、起きてくる。
正に地獄絵図💧
何も仕事ができない。

あまりにひどい。
ハイパー呆けババァだ。
ハイパー呆けババァとうるせージジィが結託しやがって、ババァがジジィに水を勝手に飲ませる。
僕は匙を投げた。
勝手にせい!

アル中のおっちゃんは、ハイパー呆け同士がべちゃくちゃ喋りやがるので、
「寝られへんわー」
と言って、起きてきた。
焼酎を寝酒にすると言って、1本持って行く。
僕はただ焼酎を持って行くのを黙認するしかなかった。

石みたいなジジィは寝小便を垂れて、服がびしょ濡れ。
朝、起こしてから着替えさせた。
あれだけやいやい言っているのに、よく寝るばあさんは寝たままで手がかからない。

いつもは7時起床、食事、服薬なのに、今日は5時半起床、6時食事に前倒し。
正に戦争だった。

事業所の所長が朝来たら、ハイパー呆けババァはしおらしく態度変えやがんの。
腹立つ!
何が「手伝いましょか?」じゃ!ボケ!!
じっと座っとけ。

ハイパー呆けババァは所長や他のスタッフにも「帰らせてくれ」を繰り返し、大目玉を喰らっていた。
ザマァ見ろ!

ハイパー呆けババァと件のうるせージジィのせいで落ち着いて飯も食えない。
地獄絵図の最中、何を食べかもわからない。怒り心頭だ。

アル中のおっちゃんが所長に、
「(僕が)よう頑張ってやってたから、褒めてやってくれ」
と言ってくれたそうだ。
利用者がスタッフを褒めるなんてことは、初めてだと、所長が言ってた。
ありがたい。
労いの言葉が何よりも嬉しい。
また頑張ろうと思う。
疲れた〜😮‍💨
午睡する。

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