一挙無料配信で沼に落ちた初心者の刀ステ考察

このあいだの週末、最低限の買い物や家事以外、ずーっとこれに取り組んでいたのに、まさか終わらないなんてことがあるとは…。
一つ書くと、また新たな可能性や疑問がわいてきて、どんどん長くなるんですよね…。
特撮で鍛えたSF脳と、TRUMPシリーズで鍛えた末満作品脳で、考察していきたいと思います。
あくまで、あの一挙無料配信をきっかけにハマった人間の考察ですので、ゲームでは違うよ!とかあっても、お許しください。こんなこと考えてるやつもいるんだな、程度で…。
あと、長いです。ご容赦ください。



0.前回考えたこと

前回の考察記事がこちら。

その中でも、今回の考察でも引き続き使っていく考え方をまとめます。

・三日月はループするたびに実質新しい時間軸を生み出している(その中には黒甲冑や鵺に出会わなかった時間軸もあるはず)
・私たちがステで見てきたのは、三日月が無限に生み出している時間軸のつまみ食いであり、同じ1本の軸の物語を見てきたわけではない(日替わりネタすらも別時間軸)
・時系列的に三日月の顕現前である序伝さえも、ジョ伝の特殊事情により複数のパターンがあるはず(山伏が折れるなど)
・北ばみと三ばみ、染鶴と健鶴の時間軸は同じではないが、互いに似たような経験をしている
・虚伝の初演と再演は別時間軸であり、染鶴が復帰するということは、維伝はおそらく初演軸の先にある物語

それではさっそく参りましょう。




1.新しい時間概念図


維伝では学者肌の朝尊先生が登場して、めっちゃくちゃ詳しく解説してくれたので、これまでのいくつかの謎が解けました。朝尊ありがとう。三好くんセリフ滑らかでさすがでした。

悲伝の時点では、「結いの目」の話のときに出たイメージ図に影響されて、こんな時間軸のイメージを描いていました(詳しくお読みになりたい方は前記事をご参照ください)

刀ステ時間軸考察②


でも、たぶんですけど、これ、違いますね。
今回、朝尊先生が示してくださった図をもとに描いてみたのがこちら。

刀ステ時間軸考察② (1)

この図と説明でいろんなことがわかりましたね。

・おそらく、時間遡行軍が歴史干渉するということは、別の歴史=別の時間軸を生み出すということ
(明確にこうは言ってなかったけど、改変しようとしている、というセリフと同時に分岐する図が出たので)
・何度も出陣して正史の改変を防げたとしても、歴史改変されて一度発生した別時間軸は、必ず消滅するとは限らない
・改変で発生した時間軸は不確かなものだが、放っておけば正史に影響するかもしれない→正史から隔離し、「放棄された世界」とする
→そしておそらく、勝利してさえもどうなるか不確実であることから、刀剣男士たちが敗北すれば確実に、改変された世界は消せず、放棄するしかなくなる

刀ステ時間軸考察② (2)


・解決したこと①同じ時代に再度出陣したときの仕組み

まず、これで解決したのが、自分がジョ伝からずっと疑問に思っていた、
「同じ時代にもう一度出陣しても、本来であれば時間軸がずれるため、過去の自分たちと会うことはない」というセリフ。
まあ厳密には、「敗北した地点に繰り返し遠征しても」ということでしょうけれど。

だって、敗北した時点でその時間軸は、歴史改変を阻止できず、その結果として閉じられているのだから、
今回の特命調査のように、わざわざその放棄した時間軸に行かない限りは、過去の自分たちに会うことは、ない。

ジョ伝のときは、序伝の敗北により「主によって遡行経路が閉じられた」、そして「新たな時間遡行軍の気配を感知したから経路を開いた」って言ってましたけど、
本来は、敗北した時間軸ごと閉じられているべきだったんですよね。

刀ステ時間軸考察② (3)


・解決したこと②本丸と時間軸の対応

おそらくですが、1時間軸に1本丸なのでしょう。
明言はされていませんが、歴史の糸がこうもまっすぐならばそう考えるのが自然。
以前から、「俺たちの管轄する時間軸」のようなセリフもあったので、今回解決したというよりは、こうだろうなという確証がより深まったと言うべきでしょうかね。

朝尊先生は、以前ここで敗北したのは別の本丸の刀剣男士たちかもしれないと言ってましたが、いやいやそしたらあんなにメンバー被るのおかしいでしょ…このステ本丸で見たことのある刀剣男士ばっかりだったよ?
以前もジョ伝などで他の本丸の刀剣男士かも、というセリフが出ていますが、これは彼らが自分たちの世界のことを把握しきっていないだけ、のような気がしています。



・検証①今回の出陣

さて、しかし今回は、わざわざ放棄された時間軸に出陣をしています。
この時間軸にいる朧の吉田東洋は、「陸奥守たちと戦った記憶がある」状態でした。
ということは、この時間軸で起こったこととしては、
①坂本龍馬が後悔の念により時間改変→改変された文久土佐時間軸発生
②陸奥守、日本号、骨喰、まんばちゃん、伽羅、宗三の編成で出陣→朧の東洋らに敗北
③この時間軸が放棄される
④特命調査としてこの放棄された世界に来る
という流れでいいはず…なのですが。

ここで一つ疑問が。
歴史改変を止められずに世界を放棄したとき、それは刀剣男士が敗北して折れたことも、無効化できるのだろうか?

三日月の干渉もあって一人も折れずに撤退した序伝でのまんばちゃんたちと違って、
今回、吉田東洋は陸奥守に向かって、明確に「おんしはわしが折った刀じゃ」って言ってるんですよね。
その「陸奥守が折れた」という事実が起こった文久土佐時間軸を放棄すると、自動的に、陸奥守が折れた事実も消えるのだろうか?

いや、だって、おかしいじゃないですか。
折れたことを、こんなに簡単になかったことにできるなら、
ジョ伝で、山伏が折れるのを回避させた三日月や、あんなに負けて戻ることを拒んだまんばちゃんは、いったい何だったの???ってなりませんか。

これに説明がつく仮説としては、こんなものが考えられます。
A:やっぱりそもそもあの陸奥守、日本号…の部隊は別本丸
→そうだったらどんなに楽か。でもこれまでの刀ステ見てると複数本丸を描いてる感じがしない…
B:折れたこともなかったことにはできるけど、それにはものすごいコストがかかるのでそう簡単にできることではない
→主思いの三日月やまんばちゃんがこれを考慮してあんなに必死になった、とかならわかるが…微妙
C:ジョ伝での三日月やまんばちゃんはこの無効化できる仕組みを知らなかった
→このあと書きますが、あのジョ伝と今回の維伝での時間軸がそもそも違うならば、そういうこともあるかもしれない
しかしどれも決定打に欠けますね…。
ちょっとこの謎はまだ残りそうです。



・検証②歴史改変などできないのではないか説

悲伝で三日月が、歴史はすべての上に成り立っているから改変などできないのではないか、と言っていました。

そのときの自分は、きっと歴史というのは、絶妙なバランスで積みあがってるジェンガみたいなもので、どこか一カ所改変すると、時空そのものが崩壊してしまうから、逆説的に改変は不可能ということなのかな、と思ってました。改変したら崩壊するってことは、改変世界は存続できないのだ、と。
そして、歴史にはそれを防ぐための、自浄作用のようなものがあるのかな、と。

さてこの維伝を見てですが、
改変世界が不確かな存在である、ってのはちょっと当たってましたね。
でも逆にそれ以外はかなり違った、というか新情報がいっぱい出ました。

今回の話を総合すると、そもそも時間遡行軍の歴史改変って、かなり面倒な手順を踏まないと達成できないもののようです。
まず歴史に干渉して分岐した時間軸を発生させ、それでもって「正史を侵略」しないといけない。
これは吉田東洋が言ってましたね、「この時間軸を正史へと侵略させる」って。
つまり、過去に干渉しただけではダメで、正史を侵略して、改変時間軸が正史に成り代わって初めて、歴史改変が完成するわけです。

……めんどくさすぎませんか?
しかも、改変時間軸で正史を侵略しようとしても、その時間軸が正史から切り離され、放棄されてしまえば、その侵略すら断たれる。

こうして書いてみると、やっぱり、歴史改変ってものすごーく大変で、しかも世界を放棄するというウルトラCみたいな裏技?がある以上、時間遡行軍による歴史改変なんて、無理なんじゃないでしょうか。
三日月の言うように、この戦いに意味なんて、あるのか…?徒労ではないのか…?


では、ここで視点を変えてみましょう。
時間遡行軍の目的が、歴史改変そのものではないとしたら。
だってこんな無理ゲーなことを目的とする集団なんて、もういつ崩壊しててもおかしくないですよね?
だから、目的が別のところにあるとしたら。

そう、例えば、過去に干渉して、
「歴史を分岐させる」ことそのものが目的だとしたら?

歴史が分岐すれば、例えば、三日月のような悲劇が起きるかもしれない。
あのときはたまたま、三日月という刀剣男士が結いの目になってしまったけど、
歴史の糸が分岐しすぎてもつれると、人間ももちろん他の刀剣男士も、円環に落ち込んでしまったり、あるいは歴史の狭間で迷子になってしまったり(悲伝でいろんな歴史を見たまんばちゃんのように)してしまうのかもしれない。

また、歴史という一本の糸に円環だったり分岐だったりがあると、歴史の糸は縺れ絡まり、ほどけなくなってしまう。
悲伝で語られていたのは、おそらく、そうなったら、この時間軸が閉鎖されるということ。
分岐した不確かな糸を放棄することでは対処できなくなったなら、
メインの正史の糸ごと、この世界を閉ざす。

時間を分岐させることで、誰かを悲劇に突き落とす。
あるいは、この正史時間軸そのものを消し去る。
このいずれかが、時間遡行軍の目的なのではないでしょうか???

そして刀剣男士たちの戦いは、歴史改変そのものの阻止ではなく、分岐が起きすぎて歴史の糸が絡まないようにするため、なのでは???

でもこれだと、時間遡行軍に勝利するだけでは不完全で、分岐した時間軸をなかったことにするところまでできないと、戦う意味はない、ということになってしまいますが…。
うーん。あくまで推測に基づく可能性の話の域を出ませんねえ。


ところで。
時間軸を閉じるだとか放棄するだとか言ってますけど、そんなことができる、大きな力を持っているのって、誰なんでしょうねえ??
時間軸を分岐させることのできる時間遡行軍と同等か、あるいはそれ以上の力を持ってないといけないはずですが。
主なのか、時の政府なのか、はたまた?




2.新たな疑惑、信じたくない結論


さっきの図に、これまでの刀ステの物語を乗せてみたいと思うんですけど、ここで前提とする考え方が、
「キャスト違いは時間軸の違いを表している」です。

そうするとどうしてもこうなっちゃうんですよね…

刀ステ時間軸考察② (4)


はい、説明いたします。
大前提として、この複数の時間軸は、三日月がループして生み出しているものとします。
刀解(あるいは折れるなど?)から次に顕現するときに、新しい時間軸に入ってしまっている、と考えます。
ですので、仮にここでは3本の線しか書いていませんが、正史以外には無数に線があると思ってください。言い換えれば、分岐1と2にそれぞれ無数のバリエーションがあるということです(それこそ軍議のおやつ違いのパターンとか)。

また、?がついているのは、「私たちが見た物語がどちらの時間軸のものだったのか確定していない」という意味です。
そして、物語が書かれていないところでも、おそらくそれぞれの時間軸で同じようなことが起こっているであろう、と考えます。
しかしそれは、例えば黒甲冑に取り込まれるのが鶴丸ではなかったり、山伏が折れてたり(おそらく正史ではそうでしょう)、鵺が出てこなかったり、おはぎじゃなかったり…という、私たちの見ていない(あるいは別の日に見た)物語だろうな、ということです。


少しずつ本題に迫りますよ。
小烏丸パパが言ってました。
「あの者がいるのもまた、放棄された世界だからな」

さらに、また朝尊先生のありがたいご説明を引用しますと、
『改変された世界にいる人間は、人間ではない、本人からあたかも刀剣男士のように顕現された偽物。魑魅魍魎の類、言うなれば「朧」』

はい。もう先延ばしにできない。
この仮説、信じたくないんですが。
今まで私たちが見てきたのは、ほぼ「放棄された世界」の物語であり、
私たちが見てきた刀剣男士たちは、ほとんどが「朧」なのでは…?

上の図、正史以外の線は、単に分岐しただけではなく、「放棄された世界」。
つまり三日月が回っているのは、永遠に朧の刀剣男士たちと過ごす時間…。
三日月は、なんとかいい方向に物事が進むように頑張ってくれてはいるけど、
それもすべて、朧相手の、むなしい努力…。
なんて残酷な。おのれ末満!(TRUMPクラスタにはおなじみの定型文)


あとは、なぜ染鶴を正史としたのか。理由は3つあります。
①そもそも正史が1本の糸なら、虚伝の初演と再演はどちらかのみが正史なはず。つまり染鶴と健鶴(江雪の2人も)は一方のみが正史であることの表現ではないか。
②維伝で染鶴は、放棄された世界へと特命調査に赴いた=他の時間軸を「放棄された世界」とみなしてそこに出かけるということは、その出発地は正史なのでは?
③義伝での健鶴の振る舞いが三日月を驚かせていた=こちらが正史っぽい感じはしない


そして、この説に従って考えると、もう一つ、怖いけど説明がついてしまうことがあります。
上の「検証①今回の出陣」のところで、仮説A~Cを挙げたところでも書きましたけど、やっぱり、ジョ伝や悲伝の刀剣男士たちと、維伝の刀剣男士たちで、時間軸の認識がぜんぜん違うのでは?
だから先ほどの、折れたこともなかったことになるシステム(もしそんなものがあるとして、ですが)も知らないし、
めったに歴史改変なんて起こらないのに、改変されちゃう!やばい!とも思っている。
あるいは、朝尊先生だけがめちゃくちゃ詳しくて、他のみんなは何も知らない、という可能性もありますが。それはそれで怖いな。

時間軸について、それぞれぜんぜん違うこと言ってるんですよ。
悲伝「無数に存在するうちの一本の糸にしか過ぎない」(小烏丸)
維伝「不可逆な一本の糸」(朝尊先生)
この2つの言葉を、順当に考えれば、朝尊先生の言った不可逆な一本の糸が、この宇宙には何本も存在している…ってことなんでしょうけど。
でも、先ほどの、「みんな朧」説に従って考えると、
正史にいる刀剣男士たちは、歴史とは不可逆な一本の糸だということをわかっているけど、
放棄された世界にいる朧の刀剣男士たちは、無意識にか、複数の時間軸(三日月によって生み出されている)があり、自分たちはその一本にしかすぎない、ということを、わかってしまっているのでは…?



・別の仮説 正史などない?

先ほど、正史以外の線は放棄された世界、と書きましたが、もしかしたら、私たちの見たすべてが「朧」である可能性すらあります。
先ほど、染鶴が正史っぽいと思う理由を3つ挙げましたが、厳密に「染鶴が正史っぽい」根拠って、そのうちの上の2つしかなくて…。
なので、実はこれまで見てきた全部の時間軸は全部放棄された時間軸で、正史なんてひとつも上演してません!ということも、あるのかなとは思います…。

この場合、陸奥がいっぺん折れてるのにまた出陣してることにも説明がつきます。
だって、朧、ですから。
東洋が折ったという過去の陸奥も、今出陣している陸奥も、
どちらも三日月ループによって生み出された、朧の刀剣男士。
出陣先が同じ改変文久土佐というだけで、過去の陸奥と今の陸奥が普段いる本丸=出発元にあたる時間軸はそれぞれ、三日月によって生み出された、別の時間軸なのでしょう。

刀ステ時間軸考察② (5)

正史は一度も上演されておらず、折れた陸奥と維伝の陸奥はそれぞれ別の放棄された時間軸からあの文久土佐に遠征した、の図です。


あと、実は慈伝も、放棄された世界なのか正史なのか、怪しいところがありまして…
というのも、慈伝の本丸には、維伝と同じく、「監査官」が来ているんですよね。
維伝では肥前忠広、慈伝では山姥切長義が時の政府から派遣されています。
そして慈伝でも、冒頭の映像だけでしたけど、維伝と同じ特命調査に行ってるんですよね…。

監査官つきの特命調査に行っている、という同じ条件下の慈伝と維伝が、
片や放棄された世界、片や正史、というのも、変な話だなあ、と。
どっちも正史ってすると、染鶴も健鶴も両方正史、となってしまい、話が成り立たないので、
消去法で、やっぱり、慈伝も維伝もどっちも、放棄された世界…?

いやでも、長義は本丸にまで来てるんですよ。
放棄された世界の本丸に、わざわざ監査官が来るか…?
ってことは、慈伝は正史!?
ちょっと本当に慈伝はわからないです。あんなにほんわか楽しいお話なのにこんなに考察が難しいとは…。



・小烏丸だけ特異点なのか

これはTwitterでちらっと見かけた、小烏丸は刀剣の父なだけあって、時間軸の原則から逸脱しているのでは、という意見を参考にしています(ソース忘れちゃってごめんなさい)。

さっき、染鶴軸、健鶴北ばみ軸、健鶴三ばみ軸、に大きく時間軸を分けてみましたが、
小烏丸って、健鶴北ばみ軸である悲伝と、染鶴軸である維伝、両方に出てるんですよね…同じ玉城さんで。
言い換えれば、玉城さんの小烏丸は、健鶴と染鶴の両方と共演しているのです。
キャスト変更で別時間軸を示すならば、本来、維伝の小烏丸も、別キャストになるはずなのに、です。

これを言い出すと、さっきまでの考察はなんだったんだ!ってなりますが、落ち着いてください。
どんな原則にも、例外ってつきものじゃないですか。

ちょっと脱線のように見えますが関係のある話なので、ここで特撮語りをします。
仮面ライダーの映画に、「平成ジェネレーションズFINAL」という作品があります。この中で登場する仮面ライダーたちは、普通の世界にいるライダーたちと、天変地異が起こったパラレルワールドにいるライダーたちに分けられます。
普通の世界とパラレルワールド、互いの世界を行き来することは、本来はできないはずなんです。作中でもそれぞれの世界から1人、敵の陰謀によって別の方の世界に飛ばされ、帰れなくなってしまいます。
ところが。例外的に、神の力を持ったライダーがいます。彼は、元は普通の世界の住人のはずですが、その神の力で、手薄なパラレルワールドの方に自ら移動し、助けに行くのです。

長々とお付き合いありがとうございました。
つまり何が言いたいかというと、小烏丸パパは、この神のライダーと同じように、
例外的に、別の時間軸へ自力で移動できる存在なのでは?ということです。

どうもこじつけめいてきてしまっていますが…次行きましょう。




3.キャスト変更が示すもの


またTwitterを漁った話ですが、どうやら維伝のパンフレットに、顕現順と思わしき名簿があるようですね。
ここまでの考察からして、自分は、あれはあくまで顕現順であって、同一時間軸とは言ってないからな?ってやつだと思ってます。
まあ少なくとも、単なるキャスト変更ではなく、末満さんも2振りというつもりでつくっている、ということだけは確かですね。

いやでも、それ以上のことは、まだよくわかりません。
単に、同じ本丸に2振りいるというだけなら(ゲームシステム上それはありなんですよね)、それぞれ出陣に選ばれたのが別個体なんだな~、って思えばいいんですが…
虚伝の再演を考えるとそうもいかないんですよね…急な再演だからとかいう事情を抜きにしても、ほぼ同じ物語を別個体でって…
2振り並び立つ場面でもあれば、別個体で2振りいる、って納得できるんですが…ないってことはやっぱり別の時間軸のような気がしています。

…と、思っていたら、大演練では2振り並び立つんですね。
まあでも、大演練はあくまでお祭りであって、正史ではありません、ってやつなんじゃないかと思います(東映特撮で、映画では出会っちゃったけどこれお祭りパラレルワールドだから☆ってのをさんざん見てきている)。
スタッフの詳細がまだ出てないみたいですが、末満さんが噛むのか噛まないのかで、今後の考察対象とするかどうかが決まりますね…

いやだって、キャスト変更してそれきりならまだしも、江雪はそうでしたけど、鶴丸とばみちゃんに関しては、戻ってますからね。
そして先日発表された綺伝では、細川忠興と黒田孝高の歴史人物がオリジナルキャストで再登板。これで刀剣男士のキャス変が無意味なわけないじゃないですか。
それこそネタですけど、東映特撮じゃないんですから(過去作品のキャストへのオファーがギリギリの無茶ぶりすぎることで有名)。

そもそも、虚伝の再演を除き、わざとやってるわけですよ。
北川くんが出れなければ、ホンの段階でばみちゃんが出ない話を書けばいい。初演以降出てない刀剣男士だっていっぱいいるんですから。(確か一期一振の人は移籍したから出ないのかもとか言われてませんでした?)
それを、よりによって三津谷亮!!!!ソフィを3回演じた人!!!!(TRUMPクラスタの叫び)
末満さんがみっちゃん描くのって、なんかこう、あるじゃないですか、特定の演出家と役者の関係というか、この人がまたこの人呼ぶからにはなんかあるな!ってやつ。(少年社中に出る鈴木勝吾はだいたいやばいとか…)

それで、考察の復習になりますけれども、
・鶴丸国長の2人は、正史と放棄された世界の違いを示している
・骨喰藤四郎の2人は、放棄された世界が複数あることを示している
こういう役割の違いがあるのではないかなあと思っています。
大きな違いを示す鶴の2人と、放棄された世界のバリエーションを示すばみちゃん。
もっとも鶴丸に関しては、正史ではなく全部朧説もありますが。その場合は鶴もばみちゃんと同じ役割になります。



・2人の鶴丸は明確に別物だと思う理由

鶴丸の言動って目立つので、注目しようとしなくてもなんか引っかかるんですよね。

維伝で、鶴は「出陣は久しぶりだなあ」「身体がなまっている」みたいなことを言ってました。
こんな時間軸なんて考察しなければ、そうだよね~前作の慈伝では平和だったし久しぶりかもね~と思うわけですが。
健鶴は、再演から慈伝まで、外伝ジョ伝以外の全部に出てるんですよ。外伝ジョ伝を1まとめにして、虚伝を初演再演に分けて慈伝まで数えると、皆勤のまんばちゃん、1欠の長谷部と小夜ちゃんに続き、なんと三日月に並ぶ2欠なんですよね…あと2欠は燭台切もでした。初演再演組は強い。
で、仮に同一個体であれば、それで久しぶりなわけないだろう!?と言いたくなりますよ。
だからやっぱり別人、別個体、別時間軸。

あと、維伝では「天すらも驚かせたい」ってセリフ、久しぶりに聞いた気がしたんですよね…
だって、おそらく、健鶴が驚かせたいのは、天ではなく、三日月だから。
これまでも無自覚にループに気づいてるっぽい人がいるというのは、再演不動が「今度こそ」と言う、などの現象で観測されていましたが、
健鶴はおそらく、ループしていることに加えて、三日月が原因だ、ということにも気づいている。悲伝の記憶を少し持ったままループしているのかもしれません。

あとは蛇足ですが、個人的には、慈伝での健鶴の、あの面倒見のいいお兄ちゃんムーブを、染様で想像することがどうしてもできないんですよね…
いくつか出演作を知っていますが、それでもあのイメージはない。
もちろん手練れの役者さんですからね、どんな役柄でもオーダーがあればこなすでしょうが、なんか違うんですよねーー!!




4.三日月とまんばちゃんの目的


いよいよ最後の項目となりました。
途中から図すらなく文字ばっかりになってしまってすみません。


要は、三日月がやってることって、坂本龍馬とまったく同じだと思うのです。

おそらく、正史は悲惨なものだったでしょう。序伝で山伏が折れ、おそらく義伝で大倶利伽羅が取り込まれ彼ごと黒甲冑を葬り、その前に一度陸奥や伽羅たちが文久土佐に出陣して敗北して陸奥が折れ…(伽羅ちゃん不憫すぎる…)などなど。
もしかしたら悲伝のタイミングにあたる物語で、本丸が全滅したかもしれないし、もしかしたら時間軸ごと閉鎖されていたかもしれない(この場合は、染鶴軸さえも正史ではない、「全部が朧」説になります)。
そんな悲惨な正史を変えたくて、三日月は円環を始めてしまったのではないでしょうか。

でも、三日月がいるのは、あくまでも「放棄された世界」。
何度円環を巡ろうとも、それはまだ正史の書き換えではなく、ただ分岐した時間軸を作っただけ。
それを正史にするには、「正史への侵略」をしないといけません。


まんばちゃんはまさにその、「正史への侵略」をやろうとしているのではないでしょうか?

時間軸の分岐はすでに三日月の手でなされているので、まんばちゃんは「物語をおくる」ことでそれを強固にして、正史を上書きしたいのではないか、というわけです。
三日月が何度もやりなおしているうちのうまくいった一本の糸を正史にしようとしているのか、あるいはうまくいってる部分だけをつぎはぎして正史にしようとしているのかは、どちらも考えられますが。

つまり三日月とまんばちゃんは、二人ともこの本丸をよりよい未来に導くための、いわば共犯者なわけです。三日月がやりかけていることの意図を察して、まんばちゃんがアシストしにいったような形ですね。
思いっきり歴史改変に手を出してるので、「共犯」という言葉は甘美な響きでもなんでもなく、文字通りの意味になってしまいますが。
三日月が何度もやり直すことによりハッピーエンドルートをつくる→まんばちゃんがその物語を強固にすることで(具体的なやり方は不明だがとにかく物語をオクルこと)、刀ステ正史を書き変えようとしている、ように思えます。


これでいくと、まんばちゃんが時間遡行軍の格好になったのは、複数の時間軸を移動するためですかね?行く先々で物語を蒐集しようとしているのでしょうか?
先ほど書いたように、おそらく、複数の時間軸を自力で移動できるのは、小烏丸のみだと思います。
一方、遡行軍って、わりとどこにでも沸いて出る気がするので、もしかしたら時間軸間の移動ができるんじゃないでしょうか?もっとも遡行軍の顔は見えないので、同一個体が複数時間軸に行っているかはわかりませんが…
それこそ今度の綺伝にあのまんばちゃんマスクが出てきたら、この仮説が信憑性を帯びますね。



・別の仮説①

さて、いちばん可能性が高そうな仮説は以上ですが、念のため、他の可能性も検討しておきたいと思います。
上に書いたのは、三日月もまんばちゃんもバッドエンド本丸を救おうとしている、いわば「本丸救済プロジェクト」説。
でもそうとは限らないじゃないですか。
というわけで、また別の説も書いてみます。
名付けて「三日月を死なせたくないプロジェクト」説。

まんばちゃんは、「三日月宗近、お前を救い出してみせる」って言ってました。
この救い出すって、何をもってなんでしょうかね、って話ですよ。

シンプルに考えるならば、三日月が生み出したルートを正史とすることで、三日月自身も正史に合流できる…ということであればいいですが、
仮に三日月にとっての救済が、「三日月宗近が正しく死ねること」だとしたら?
あるいは、三日月がハッピーエンドルートを作ったとしても、その先に三日月は存在できない、「三日月宗近はどうあっても死ななければならない存在」だとしたら?

すみません、前回の考察では、円環の解決法を、三日月を幽閉するとか折るとかって書いてたんですけど、お察しのとおり、物騒な考察をしがちです。生きてる限りダメなら死ぬしかねえ。これも特撮で学びました。


で、もし、三日月が死に至るしかないのであれば、
あのまんばちゃんだったら、どうあってもそれに逆らおうとする気がするんですよね…。

なのでこの場合、本丸の悲惨な正史を書き換えるとか、それすらもどうでもよくなります。
三日月の目的が本丸をよりよい未来に導くことだとして、まんばちゃんがそれに気づく、というところまでは、さっきの「本丸救済プロジェクト」と同じなんですが、
その先に三日月の死を見た場合のまんばちゃんは、たとえ三日月の意図に逆らってでも、彼を救おうとするような気がしてなりません…。
まあこちらの説は、じゃあ具体的にどうする、っていう案が見えてこないので、妄想の域を出ないのですが…。



・別の仮説②

こちらでは、さっきまでの「三日月は自ら新たな時間軸を作り出し、本丸を救おうとしている」という前提を疑ってみます。
悲伝での三日月の、疲れた感じからすると、彼は、円環を巡り続けることを、心から望んでいるわけではない、という解釈もできる気がして…
それが、初めは本丸を救済しようとして円環を始めたら出られなくなったのか、初めから望まない円環だったのかは、わかりませんが。

そして、そんな三日月に、死以外の救済があるとしたら。
それはきっと、巡り続ける孤独な円環に、友がいること、なのではないでしょうか。

思いっきりTRUMPシリーズに引っ張られた発想ですけどね…
永遠の孤独に閉じ込められた者が求めるのは死、それが手に入らないならせめて共に過ごす仲間を…

つまりまんばちゃんは、自らも三日月と同じ円環に飛び込んで、彼と一緒にいることを選んだのではないか、ということです。
言うなれば、「三日月に寄り添いたいプロジェクト」説とでもなりますかね。

こちらは全くの荒唐無稽というわけではなく、弱い根拠ならあります。
悲伝の終わりの口上、まんばちゃんが「またいつぞや、始めよう」って言ったんですよ。これまでは三日月の専売特許だったセリフを。
あのときは、名実ともにここはまんばちゃんが率いる本丸になったんだ、って、前向きな意味だと思ったのに。思ったのに…
今となっては、三日月と同じ円環に飛び込む、地獄の果てまでついていくぞ、という決意表明にも聞こえてしまって…円環の中にいればこそ、いつでも語り始めることができてしまうわけでしてね…。


あとは、そもそも三日月ループは、彼が新しい時間軸を作り出しているのではなく、すでに存在する数々の放棄された世界を回っている、という可能性とか、考えだしたらキリがないので、ここらへんでやめておきます。


・まんばちゃん?が鶴丸に絡む理由

あの時間遡行軍?のまんばちゃんは、陸奥と龍馬を助けた以外は、ほとんど鶴丸の前にしか姿を現しませんでした。
それを小烏丸様に黙ってる鶴丸もなんか怪しいんですが、ここではいったんおいときます。

なぜまんばちゃんにとって鶴が重要人物か。
それは、鶴丸国長は正史、放棄された世界、その両方に存在しており、
放棄された世界の健鶴が、正史の染鶴に置き換わる、乗っ取る、上書きすることで、正史への侵略が成るからでは?
2人の鶴丸を、なんというかこう、接着剤や触媒のようなものにしたいのではないでしょうか。

しかし、染鶴に向かって「強くなってくれ」「お前はこの物語に必要な刀だ」と言ってるので、違う気もするんですけどね…。
健鶴が染鶴を侵食するならば、むしろ染鶴が強くなってちゃ困るんですよ…。

鶴丸も鶴丸で、「こんなところでお前と会うとは」「お前も朧だなんて言わないよな」と相手が誰なのかわかっている素振りでした(まんばちゃんだとは言ってない)。怪しい。

あるいは、やっぱり、この染鶴もまた、正史の鶴丸国永ではないのかもしれないですね…。
その場合、「お前も朧だなんて言わないよな」と言った本人も朧ということになってしまいますが…。ひどい話。


ただ鶴丸に関しては、謎が残っています。
正史などない?のところで書いたとおり、慈伝の扱いが、
・健鶴であるという事実にこだわるなら「放棄された世界」
・監査官である長義が来ている本丸であることを考えれば「正史」
というように、ほんとに、わからないんですよ。

でも、これを解決するウルトラCがあります。それは、
慈伝の世界は「正史軸」だが、「健鶴(放棄軸)がいる」世界であり、
まさに「放棄された時間軸が正史を侵略し始めている世界」なのでは…?
という説です。

まさか、まさかね。ありえないとは思うんですけど。そんなことになったら長義がおとなしく黙ってるはずないでしょうし。
でもまあ、可能性を語るだけなら自由ですから!




最後に

維伝で、覚えておきたいセリフがありました。小烏丸と鶴丸の会話。
この本丸は時の政府に疑われててこんな調査ともいえないような調査に送り込まれたりしてるけど、主はそれすらも利用してこの本丸を強くしようとしている、と。

毎回のことですが言います、
ステ審神者、何考えてんのか全然わからん!

維伝は、陸奥(おそらく和泉守と堀川国広も?)を強くするための物語だったわけですが、
いったいステ審神者には何が見えているのか、
三日月やまんばちゃんの意図をどこまで知っているのか…。

まあ、まだしばらくは、ステ審神者と末満さんの手のひらの上で転がされることになるのでしょうね…。いいですもうついていきます、覚悟決めましたよもう。



はあ…。本職の特撮ですらここまでやりませんよ…1年番組では理屈を後付けすることも珍しくなく、あとは「ヒーローの気持ち!パッション!」とかでなんとかなることも多いので、ここまでやらないというより、できない、が正しいですかね。
TRUMPも追っていますが、あれは自分の解釈としては、謎を明かしていく段階の大きな山は越えて、ここからはそれぞれの登場人物がどう救われるか、の段階だと思っているので…いやこれ以上の悲劇があるか…?

そして聞いてください。
やっぱり円盤欲しくなってきちゃいました……
データダウンロードしても、その管理に自信が持てなくてですね…
どうせなら日替わりとかも見たいですし…
あと試したんですがテレビ画面では見れなかったし…

……これは、いろいろと買うための理由付けをしている、末期症状ですね?
前回の維伝感想記事の最後に、すでに「円盤も気になる」とかって兆候がありましたね…

しばらくサボっていた家計帳簿づけをやってみて、あとは今月のボーナスがどれくらいかにもよりますね…運のいいことに、コロナでも給料の減らない職種なので、ここぞとばかりに経済を回してみるのも、ありかなあ、なんて…。

はい。戯言におつきあいいただき、ありがとうございました。
実に14000字弱!そりゃあ時間もかかろうというもの。
ここまで読んでいただいた方がいらっしゃいましたら、本当にありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?