遠くからでも来て頂ける国、企業に

葉公、政を問う。子いわく「近き者はよろこび、遠き者は来たる」(論語 子路第十三)
(楚国の葉公が先生に政治についておたづねになった。先生はこう答えられた。
「近くにいる民はよろこび、遠方の民は慕ってやってくるということです」)
 
東南アジアから来られる労働者の方が大事な労働力となられている企業様にヒアリングさせて頂くと、確実に近年東南アジアの方々にとって日本は不人気になりつつあると聞きます。
 
それはコロナ禍であったことや、直近であれば円安により日本で働くことの経済的メリットが減りつつあることもあるのですが、
 
もっと根深い話としては、一部の日本企業において外国人労働者の方々に対する扱いがひどいことが、SNS等を通して拡散され、そのことが日本を選ばなくなりつつあることの大きな要因になっています。
日本でなくても、韓国、そして何より中国といった受け皿があることも大きいのでしょう。
 
人口減の中で労働力として大事だから、ということもありますが、そもそも文明国、先進国として、外国人の方々に対する人権侵害を疑われるということ自体が国として恥なことであり、そのような国、企業には論語のこの一節のような「遠方の民は慕ってやってくる」ということにはならないのだと思います。
 
ちなみに、冒頭にご紹介した、ヒアリングさせて頂いた企業様は、「東南アジアから来られる方々は当社にとって大事な労働力なので、(待遇が低くなってしまう)技能実習生から特定技能への切替に努め、定着できるように努めています。」と言われていました。このような企業様には、口コミで外国労働者の方々も集まってくるかもしれません。
 
これは外国人労働者の方々の問題だけでなく、日本人も含めて、よい会社、企業であれば人材が集まってくるものではないでしょうか。人口減等の外部要因に理由を求めるばかりでなく、自分達自身の在り方を見つめ直すことが必要だと思います。

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