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読書からの学び

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ビジネス書、歴史書、哲学書を中心に年間120冊程度の本を読んでいます。その中から、これからのビジネス、人生の中で学びになると思ったことをご紹介していきます。
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#中国

天安門事件から考える現代中国の歴史承継

先週は「八九六四 「天安門事件」から香港デモへ」(安田峰俊著)を読みました。 中国で89年6月4日に発生した「天安門事件」。 当時、北京の天安門に集まった100万人の学生たちに対して人民解放軍が武力弾圧した事件で、14歳だった私にとって衝撃的な事件だったこともあり、時々関連する本を読んでいます。 本書は天安門事件に関わった学生活動家や、事件に影響を受けた人たちのインタビューをもとに創られたルポルタージュで、各賞を受賞しています。   本書を読んで感じたのは、当時の学生たちの動

国家の栄華盛衰なんて、20年や30年で計れないもの

先週は現在は立命館アジア太平洋大学の学長で、ライフネット生命の社長であられた出口治明さんの「全世界史」を読んでみました。   約5,000年に渡る世界史を俯瞰していて、改めて世界の歴史の流れをストーリー性をもって学ぶにはとてもよい一冊だと思いました。出口さんが生粋の学者でない故だと思いますが、とても分かりやすく書いていると思います。   一方で、出口さんには恐縮ですが、日本生命でのご経験、またライフネット生命の社長を通して感じられたことと歴史の出来事をクロスしながら書かれると

過労死が疑われるほど働いた中国皇帝

中国5千年に限らず、世界の歴史の中でも君主、とりわけ皇帝が働き過ぎの過労死が疑われた例は、私の知る限りでは聞いたことがありません、一人の例外を除いて。 その一人の例外とは、中国は清王朝の第三代皇帝である雍正帝(1678年-1735年)です。   私は、雍正帝が中国史上で最も勤勉な皇帝であったことから、以前から興味をもっていました。 ただ、中国史に多少詳しい人でも、この雍正帝の前の康熙帝(父親)、またその後の乾隆帝(子供)は知っていても、雍正帝は知らないという人がいる位、知名度