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仕事に活かせる中国古典

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数千年の風雪に耐え、今なお世界中で評価されている中国古典。現代を生きる私達が「よい仕事」を取組むにあたり、どのような中国古典の教えが活きるのかご紹介できればと思います。
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#率先垂範

率先垂範はリーダーの大事な資質

子いわく「その身正しければ、令せずして行わる。その身正しからざれば、令すといえども従わず」(論語 子路第十三) (先生がいわれた。「上に立つ者の身のあり方が正しければ、命令しなくとも民は自然に従い、物事は行われる。反対に、その身が正しくなければ、命令しても人は従わない。」) 6月の弊社北海道合宿時に江戸時代の名君、上杉鷹山についてお話しさせて頂きました。 鷹山は治める米沢藩において、色々な改革を行いましたが、そのうちの一つが支出を減らす質素倹約でした。 米沢藩は、最も

教え込むこと以上にリーダーの率先垂範が大事

子曰く「民はこれによらしむべし。これを知らしむべからず。」(論語 泰伯第八) (先生がいわれた。「一般の人民は、行うべき道について、したがわせることができるが、一つ一つ理由を理解させることは難しい(感化するのがよい)」) 論語の中でも、論争が多く、また誤解も多いと思う一文です。訳も、上記は斎藤孝先生の訳を記載しましたが、私自身、この訳がベストなのかなと(斎藤先生には恐縮ですが)感じるところです。 この一文は、ともすれば孔子が一般の人間を下に見下していたように取られるこ