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仕事に活かせる中国古典

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数千年の風雪に耐え、今なお世界中で評価されている中国古典。現代を生きる私達が「よい仕事」を取組むにあたり、どのような中国古典の教えが活きるのかご紹介できればと思います。
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#経営

方向が明確だと経営はなぜうまくいくのか

経営の中で、「とにかくまずはやってみよう」と見切り発車していることはありませんか。そんな時には、中国の昔の兵法書「孫子」のこんな一節を思い出して欲しいのです。 「勝兵はまず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗兵はまず戦いてしかる後に勝ちを求む。」 (勝利の軍隊というのは、まず開戦前の検討段階で勝ち、その上で実際の戦争に勝つ。逆に、敗北の軍隊というのは、入念な事前計画もなく、とりあえず戦ってみて勝ちを求めようとする。) この一節、大河ドラマ「どうする家康」の三方ヶ原の戦いでも

大きな目標は短期では実現しない。粘り強い取組みが必要。

子いわく、「速やかなるを欲するなかれ。小利を見るなかれ。速やかならんと欲すれば、則ち達せず。小利を見れば、則ち大事ならず。」(論語 子路第十三) (先生は言われた、「早く成果をあげたいと思うな。眼の前の小さな利益を見るな。成果を急げば達成しない。小利に気をとられれば、大事はなしとげられない。」) こういう文章を紹介すると、「では、短期の成果を気にする必要はないのか」といった疑問、質問を頂くかもしれませんが、そういうことではないのだと思います。大きな目標の実現も、短期の目標