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仕事に活かせる中国古典

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数千年の風雪に耐え、今なお世界中で評価されている中国古典。現代を生きる私達が「よい仕事」を取組むにあたり、どのような中国古典の教えが活きるのかご紹介できればと思います。
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2022年9月の記事一覧

お客様貢献から始め、その後に費用対効果を高める

子いわく「君につこうるには、その事をつつしみて、その食を後にす」(衛霊公第十五) (先生が言われた。「主君の下で仕事をするに当たっては、まずなによりもその仕事を誠心誠意しっかりこなし、報酬や待遇のことは後回しにすることだ」) 上記の文章は「主君」を上司とかで捉えると狭小で、「会社」であったりとか、「お客様」の下で仕事をする、という風に考えた方がよいのではと思います。 仕事をするにあたって、これは割に合うのだろうか、とか、費用対効果がどうなのだろうか、とか考えがちなこと

困難な状況や難題に直面した時、それを乗り越える為には

子いわく「これを如何(いかん)、これを如何といわざる者は、われこれを如何ともするなきのみ」(「論語」衛霊公第十五) (先生が言われた。「『これをどうしたらよいか、これをどうしたらよいか』と懸命に考えない者は、私にもどうすることもできない」) この一節は論語の中でも好きな一節の一つです。 困難な状況に陥ったり、難題にぶつかったりすることはあるものです。その時に、それを乗り越える為に周りの支援を頂くこともあると思います。そうした周囲の支援には感謝を感じます。 しかし、

他人と同様、自分にも良くない振る舞いがあることを自覚する

「子いわく、「み自ずから厚くして、薄く人を責むれば、すなわち怨みに遠ざかる」」(「論語」衛霊公第十五) (先生がいわれた。自分の非にはきびしくし、他人の非にはゆるくする。そうすれば、人からうらまれたりしなくなるものだ) 他人が良くない振る舞いをしている時には、他人の振る舞い良くないな、と人は思うものです。 しかし、自分のこととなると、周りから見ると良くない振る舞いでも、自分自身は良くない振る舞いをしているという自覚が薄いものです。私自身も、自分が気づかないところでそう

試練に対しては、心乱れず、前向きに取り組む

「君子もとより窮(きゅう)す。小人窮すれば、ここに濫る(みだる)」(「論語」衛霊公第十五) 「君子ももちろん困窮することはある。小人は困窮すれと心が乱れて、でたらめなことをするが、君子は乱れないのが違いだ」 論語の中でも有名な一節です。孔子が国を巡る道中の中で、飢え等に苦しむ中、弟子の一人が「君子でも困窮することがあるのですか」と問われた時の孔子の返答です。 今、今後の仕事の中で、少々責任が重いお仕事を頂くことになりそうです。 私のような愚凡な小人は、その中で困窮し、