新型コロナウィルスは半導体メーカーにどのような影響を与えるか❓
こんにちは❗️ マサル@リーマン投資家です。
世界ではコロナウィルスが猛威を振るっており、
2020年4月5日現在、感染者 100万人、死者数 6万人に達しています。
各国が施行している行動制限により、世界経済の停滞は免れない状況となっています。
特にその影響を受けているのが、観光業/航空会社/小売/飲食などですが、
産業の源泉、半導体業界はどのような影響を受けるのでしょうか?
今回は、新型コロナウィルスの半導体メーカーへの影響について、書いてみました。
新型コロナウィルスは半導体メーカーにどのような影響を与えるか❓
新型コロナウィルスは確実に半導体メーカーにも大きな影響を与えています。
行動制限によって、スマートフォンや自動車などの最終完成品の需要の低下、
また生産停止に追い込まれており、
欧米半導体メーカーを中心に2020年の売上見通しの下方修正が相次いでいます。
欧州半導体メーカーの20Q1売上見通し
Source:https://limo.media/articles/-/16589
従来出していた売上見込に比べ、増収率減あるいは減収率増となっています。
理由としては、上述している通り、新型コロナの影響で
最終製品の販売低迷、生産停止が挙げられます。
スマートフォンに関して、
家電量販店では前年同期比で約50%まで販売低迷しているそうです。
また自動車に関しては、欧州自動車工業会(ACEA)より各国の自動車工場の稼働停止期間と
生産減少数がリリースされています。
2~3週間の稼働停止の影響は凄まじく、合計で123万台の生産減が見込まれます。
Source:
欧州自動車工業会ACEA
https://www.acea.be/news/article/interactive-map-employment-impact-of-covid-19-on-the-european-auto-industry
国内半導体/電子部品メーカー20Q1見通し
3月下旬には、国内電子部品大手のTDKが新型コロナウィルスの影響を受け、
下方修正を発表しています。
減損損失および子会社株式売却損の計上、通期連結業績予想の修正に関するお知らせ
Source:TDKプレスリリース https://www.jp.tdk.com/corp/ja/news_center/press/20200325_01.htm
また半導体メーカー大手のルネサスエレクトロニクスにおいても、
新型コロナウィルスの影響で、一部生産を停止しているとプレスリリースしています。
Source:ルネサスエレクトロニクス プレスリリース
https://www.renesas.com/jp/ja/about/press-center/news/2020/news20200326b.html
とは言いつつも、目先の業績に与える影響は比較的軽微なものと想定されます。
その理由は、20Q1においては最終製品メーカー各社で、
コロナウィルスの影響で部材確保できなくなる懸念から、まだ半導体メーカーへの
発注を落としていないのです。
すでに消費(最終製品販売と生産)とメーカー在庫にギャップが生まれ始めているため、
20Q2以降に徐々に影響が出始めると想定されます。
20Q2以降のプラス要因
一方で、今回の新型コロナの影響で逆に上振れ可能性のある分野も出てきており、
下記2点がプラス要因となりそうです。
☑ 中国の消費リベンジ
☑ リモートワーク拡大によるIT投資増加
中国の動向
中国の感染者数、死亡者数は頭打ちになり、
これまで消費・行動制限を受けていた分、中国では”消費リベンジ”とよばれる、
消費行動が見られているようです。
ニュースでも報道していましたが、中国では5リットルのミルクティーを
大量に購入したりと消費反動が出ています。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/baofu-xiaofei_jp_5e705b30c5b60fb69ddd0fd3
中国 14億人の消費リベンジは凄まじいものになりそうです。
上記は小売や飲食などへの影響ですが、
BtoB産業においても同様の消費反動があると想定されます。
欧米を中心に感染拡大しているが、中国はほぼ頭打ちになっている。
Source:外務省 https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/country_count.html
IT投資の増加
新型コロナを機に、在宅勤務/リモートワークの導入が国レベルで加速しており、
クラウド/ストレージなどITインフラ分野の需要が増加しています。
現に総務省は、家庭学習や在宅勤務を後押しするため、情報通信ネットワークへ
30億円の設備投資を決定しています。
また足元で自宅で過ごす時間が増えたことで、
Youtubeなどの動画コンテンツの機会が増加しており、データ通信量が一気に増加。
これによって動画コンテンツ提供者(YoutubeやNetflixなど)は一時的に
再生画質を落とす措置を取っていますし、
各社、サーバー/データセンターへの投資が強まる見通しです。
新型コロナを機に一気に通信インフラへの投資が加速し、
半導体の需要も増加する事が見込まれます。
これが新型コロナの影響で下がった分とIT投資増加分でどこまで相殺されるのか不透明ですが、
通信インフラの投資が拡大することは、一般消費者目線でメリットありますね。
まとめ
1.新型コロナウィルスの影響で半導体メーカーは目先、減収減益見込みも比較的影響少
2.最終製品(スマホ・車)の販売減により20Q2以降も影響は続く見込み。
3.リモートワーク増加により、IT投資が増大、半導体へ追い風の一面も
半導体は産業の源泉なので、
新型コロナウィルスによってBtoBビジネスが減速→半導体産業が低迷する、
図は免れません。他の産業に比べ景気動向に大きく左右されます。
今後も半導体メーカー各社の動向を注視していきたいと思います❗️
※半導体業界動向やテレワーク時の便利グッズを記事にしているので、ご参考ください。
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