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美味しい紅茶

母との対話

久しぶりだね
私はすこぶる元気でいるよ

いつも思い出すのは
私の顔を見ると
あんたが来てくれると
思いが叶うわ
そう言ってくれたこと

帰るときには
車に乗り込むのを窓辺に座り込んで
見送ってくれた

ここは
私の帰るところ

そんな場所だった
母のいた場所

何もできないのに
わたしは
無力なのに

嬉しかったな

母を失い
気付いた


思いを叶えてもらってたのは
私の方だった、と

なにかできる人のように
扱ってもらえる
そんな
母に
依存し
ずっと寄り添いたかった、と
ふさぎ込み

おかしな涙が溢れた

何年もたって
母と
こんなふうに
美味しい紅茶を飲めるなんて
幸せものです

大切な器で。

遺してくれてありがとう

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