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蘇生中、心拍再開直後に対光反射をみるべきか?

講習会の時に、受講生の方が対光反射を見なきゃ!と言っていました。否定するものではないのでそのままスルーしましたが、果たして対光反射は意味があるのだろうか?と思ったので調べてみました。

結論は以下の通りです。

余裕があれば対光反射を見ても良いが、蘇生の現場で見るべきとは言われていない。他に優先すべきことがある。
心拍再開直後に対光反射がなくても予後が悪いとは言えない。
72時間後つまり3日後に評価しましょう。

JRCガイドラインには対光反射は72時間後とあります。

同様にERCガイドラインにも以下のように72時間後とあります。

We suggest using pupillary light reflex at 72 h or later after ROSC for predicting neurological outcome of adults who are comatose after cardiac arrest (weak recommendation, very-low-certainty evidence).
心拍再開後も昏睡状態の成人患者の神経学的予後判定のために、心拍再開後72時間以降に対光反射を用いる事を推奨する。

ACLSのテキストP.159に分かりやすい表が載っています(ガイドラインにもありました)ので参考にされてはいかがでしょうか。やはり対光反射は72時間以降とあります。蘇生直後にどうしても評価したい場合にはCTとあります。

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIR.0000000000000916

対光反射がないからと言って蘇生を中止すべきとか、予後が悪いとか言うことは出来ないようです。心拍再開した場合には、72時間後以降に判断し、対光反射だけでは評価してはいけないということのようですね。

しかし、対光反射をみることに不利益はありませんので、他に優先して行う処置がなく、換気などの邪魔にならなければやっても良いです。

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