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うつ病家族の知恵袋

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家族がうつ病になると、思いがけない出来事や悩みと次々に直面します。 そんな時どうやって取り組むか、立ち向かうのか、あえて逃げるのか。 経験者+カウンセラー+精神保健福祉士がアドバ…
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#コミュニケーション

『夫婦を育てる』究極のコミュニケーションガイド

こんにちは メンタルケアラーカウンセラーの西岡です。 本日は「夫婦間コミュニケーション」をテーマにした動画を作成しましたので、ご案内させていただきます。 夫婦の「絆」を強化するための実践的コミュニケーションテクニック ~精神疾患の影響も乗り越える、強固な関係構築術~ (動画:36分 + 演習4点) 夫婦でありケアラーでもある皆さんは、 コミュニケーションにおいて特に悩むことが多いと思います。 ✅気持ちが通じない ✅分かってもらえない ✅衝突が増えた 一つ一つの問題は

夫婦間コミュニケーション:絆を築く3つのポイント

~精神疾患患者とメンタルケアラーの夫婦の場合~ 夫婦間のコミュニケーションは難しいですよね。 他の人なら「?」で済むような反応が、相手をよく知っているがために、その意図を読み取れてしまったり、深読みすることもあります。逆にこちらの意図を汲んでくれないことに不満を持ってしまったりします。 更にどちらかが精神疾患を持っていると、症状への配慮も加わるので難しさが増加します。 今回は、夫婦間コミュニケーションの注意点と活用できる心理学的アプローチ、更に今日から出来る工夫点をご紹介し

共感と同調:ケアラーの心理的負担と理想的な対応

辛い状況にある相手から同調を求められて拒否できる人は少ないでしょう。それがパートナーなら尚更です。 しかし一緒に生活する中で、常に同調し続けることはケアラーのメンタルを疲弊させます。 ケアラーが取るべき態度は、同調でしょうか、否定でしょうか、共感でしょうか。 ずっと一緒にいるからこそ、無条件の同調ではなくお互いの意思を尊重し合える共感を目指すことをお勧めします。 1.共感と同調はどう違う?①共感とは 共感とは「あたかもその人になったつもりで」その人が感じていることを

共感しすぎて辛い!家族のネガティブ感情への対処法と共感疲労防止のポイント

うつ病家族の落ち込みやネガティブ感情に引きずられて辛い、という経験があるケアラーは多いと思います。 人は他者の感情に無意識に共感します。それが病気の家族であれば尚更です。 共感しすぎは多くのデメリットがあります。共感しないスキルもまた必要です。 家族のネガティブ感情への共感疲労への対抗策は、「課題の分離」「役割の明確化」「キャパシティの再認識」です。 1.近くにいる人に共感しすぎてしまう仕組み扁桃体 扁桃体は、他者からの情報発信の中から、特に感情に関する意味を読み取る役割

精神疾患家族との関わり方

3つのタイプ別アプローチと家族ができる4つの取り組み 精神疾患の家族との関わり方は、繊細さと柔軟性が求められるため難しいです。 日によって、状態によって、家族側からの関わり方を変える必要があるからです。 今回は精神疾患本人のタイプを3つに分けて接し方をご提案します。 家族に出来ることがどこまでか、を認識し、本人を尊重しつつ前向きに関わっていきましょう。 1.関わり方を考えるときの3つのタイプ①タイプA:未自覚タイプ まだ自分の精神疾患を自分事として受け入れ切れていない

自己評価が低いパートナーとの付き合い方

~メンタルを守りながら築く健全なパートナーシップ~ 自己評価の低い人をパートナーに持つと、自分自身の存在意義、自分がパートナーであることの意味も分からなく、寂しくなります。 私もずっと悩み続けました。夫が「自分には価値がない」と考えるなら、妻の私にも価値がないのでは、と。 しかしながらその発想自体が害だったのです。夫の自己評価と私自身は関係がない、と気づけてから楽になれました。 相手の自己評価の低さをケアしつつ、自分の自己評価も守ることでパートナーシップを築くことが出来ます

精神疾患の家族に共感する:メリットと向き合い方

と思っているケアラーは少なくないと思います。 精神疾患になると心と思考のパワーが激減するので、以前とは別人のような言動をして家族を困らせます。そうなると一緒に暮らす家族は振り回され、理解や共感を示す余裕がなくなります。 しかし「共感」は、家族にとって、特に精神疾患を患う人にとって何より重要な関わり方です。 相手に共感することと自分の意思表示は相反するようで両立します。そのコツをご紹介いたします。 1.共感とは何か①定義 共感とは、コミュニケーションの基盤です。自分と相

<共感の効果と質問のコツ>

辛い時に共感されると、人間関係はどう変わる? メンタル落ちてるとき、悩んでいるときに、誰かから共感してもらえるとそれだけで気持ちが軽くなったり「何とかなるかもしれない」と前向きに考えられた、という経験は誰でもあると思います。 共感とは、受容と理解と愛情が生む関わり方です。 では、大事な人が辛い時にどのように共感を示せばいいでしょうか。 1.辛い時に共感してもらえるとどうなる?嬉しいのはもちろんですが、それによって自分と相手の関係はその先どう変化していくでしょうか。 ①

心理的安全性とうつ病家族

心理的安全性、という言葉をご存じでしょうか。 組織運営理論の一つですが、組織ではない集団でもとても重要な「文化」の一つだと思います。 特に、家族内にうつ病(その他精神疾患)の人がいるときは、是非作り上げたい文化です。 なぜ必要か、心理的安全性があることで何が出来るのか、どうやって作っていくか、を考えました。 1.心理的安全性とはつまり、「何を言っても非難・批判されない」と信じられる、発言の自由が保障された場、ということです。 誰かの意見や行動に対して、「あれ?でもそれっ

「うつ病だから」と言われたら

うつ病に限らず、メンタルの病気を患っている人とは基本的にケンカはしないほうがいいでしょう。症状が悪化したり再燃する可能性が高いです。 そして、話し合い、言い合い、ケンカになってしまったとき「(こっちは)うつ病だから」と言われたら、そうでない側は黙るしかなくなります。 うつ病だから、と言われたとき、家族は、周囲はどうとらえ、どう対処すればいいでしょうか。 1.うつ病相手でもケンカになってしまうことはあるケンカをしないに越したことないのは、うつ病関係なく誰が相手でも同じです。

うつ病のタブーとどう向き合うか

うつ病の人との接し方にはいくつかポイントがあります。厚生労働省のHPをはじめ「うつ病の人には○○をしないようにしましょう」という情報はたくさん発信されています。 どれも大切なことですが、家族がそれを字義どおりに受け取って実行しようとすると、生活が回らなくなる恐れがあります。 家族は、うつ病のタブーとどう向き合っていけばいいでしょうか。 【1】『はげまさない』→回復度によるずっと踏ん張り続けた挙句にうつ病になった人に、むやみに「頑張れ」と言うのは確かに危険です。 頑張り過ぎた

うつの夫・妻とケンカになった時は

夫婦とケンカは、切っても切れないもの。 しないに越したことはないですが、一緒に住んでいて衝突しないはずがありません。 それがどちらか一方、または双方がうつ病なら、発生率と深刻度は倍増します。 うつ病の夫/妻とケンカになったときは、どう対応すればいいでしょうか。 1.うつ病は自分を卑下しやすいケンカとは、二人以上の人間の主張が相容れない時に起きる現象です。 双方が自分の言い分を前面に出して、相手の言い分は聞かない。かなり強い態度です。 しかし、態度や語調が強くても、うつ病

うつ家族への返事に困るとき

うつ病家族と一緒に暮らすなかでの困りごと第1位と言ってもいいのが「コミュニケーション」だと思います。 特に、うつ病家族の側からの発言に、どう返事をすればいいか分からず戸惑うことはありませんか? うつ病家族への返事に困ったとき、必要なのは「共感」と「考える時間」と「自分の言葉」です。 1.≪事例≫こんな会話は困ってしまう…うつ病の人に対する禁句があるのと同様に、うつ病の人から言われて困ってしまう言葉も色々あります。 いつもではないとしても、状態が悪くなったときや、うつ病