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うつ病家族の知恵袋

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家族がうつ病になると、思いがけない出来事や悩みと次々に直面します。 そんな時どうやって取り組むか、立ち向かうのか、あえて逃げるのか。 経験者+カウンセラー+精神保健福祉士がアドバ…
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#共感

共感と同調:ケアラーの心理的負担と理想的な対応

辛い状況にある相手から同調を求められて拒否できる人は少ないでしょう。それがパートナーなら尚更です。 しかし一緒に生活する中で、常に同調し続けることはケアラーのメンタルを疲弊させます。 ケアラーが取るべき態度は、同調でしょうか、否定でしょうか、共感でしょうか。 ずっと一緒にいるからこそ、無条件の同調ではなくお互いの意思を尊重し合える共感を目指すことをお勧めします。 1.共感と同調はどう違う?①共感とは 共感とは「あたかもその人になったつもりで」その人が感じていることを

共感しすぎて辛い!家族のネガティブ感情への対処法と共感疲労防止のポイント

うつ病家族の落ち込みやネガティブ感情に引きずられて辛い、という経験があるケアラーは多いと思います。 人は他者の感情に無意識に共感します。それが病気の家族であれば尚更です。 共感しすぎは多くのデメリットがあります。共感しないスキルもまた必要です。 家族のネガティブ感情への共感疲労への対抗策は、「課題の分離」「役割の明確化」「キャパシティの再認識」です。 1.近くにいる人に共感しすぎてしまう仕組み扁桃体 扁桃体は、他者からの情報発信の中から、特に感情に関する意味を読み取る役割

精神疾患の家族に共感する:メリットと向き合い方

と思っているケアラーは少なくないと思います。 精神疾患になると心と思考のパワーが激減するので、以前とは別人のような言動をして家族を困らせます。そうなると一緒に暮らす家族は振り回され、理解や共感を示す余裕がなくなります。 しかし「共感」は、家族にとって、特に精神疾患を患う人にとって何より重要な関わり方です。 相手に共感することと自分の意思表示は相反するようで両立します。そのコツをご紹介いたします。 1.共感とは何か①定義 共感とは、コミュニケーションの基盤です。自分と相

<共感の効果と質問のコツ>

辛い時に共感されると、人間関係はどう変わる? メンタル落ちてるとき、悩んでいるときに、誰かから共感してもらえるとそれだけで気持ちが軽くなったり「何とかなるかもしれない」と前向きに考えられた、という経験は誰でもあると思います。 共感とは、受容と理解と愛情が生む関わり方です。 では、大事な人が辛い時にどのように共感を示せばいいでしょうか。 1.辛い時に共感してもらえるとどうなる?嬉しいのはもちろんですが、それによって自分と相手の関係はその先どう変化していくでしょうか。 ①

うつ家族への返事に困るとき

うつ病家族と一緒に暮らすなかでの困りごと第1位と言ってもいいのが「コミュニケーション」だと思います。 特に、うつ病家族の側からの発言に、どう返事をすればいいか分からず戸惑うことはありませんか? うつ病家族への返事に困ったとき、必要なのは「共感」と「考える時間」と「自分の言葉」です。 1.≪事例≫こんな会話は困ってしまう…うつ病の人に対する禁句があるのと同様に、うつ病の人から言われて困ってしまう言葉も色々あります。 いつもではないとしても、状態が悪くなったときや、うつ病