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うつ病家族の知恵袋

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家族がうつ病になると、思いがけない出来事や悩みと次々に直面します。 そんな時どうやって取り組むか、立ち向かうのか、あえて逃げるのか。 経験者+カウンセラー+精神保健福祉士がアドバ…
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2023年12月の記事一覧

精神疾患の家族に共感する:メリットと向き合い方

と思っているケアラーは少なくないと思います。 精神疾患になると心と思考のパワーが激減するので、以前とは別人のような言動をして家族を困らせます。そうなると一緒に暮らす家族は振り回され、理解や共感を示す余裕がなくなります。 しかし「共感」は、家族にとって、特に精神疾患を患う人にとって何より重要な関わり方です。 相手に共感することと自分の意思表示は相反するようで両立します。そのコツをご紹介いたします。 1.共感とは何か①定義 共感とは、コミュニケーションの基盤です。自分と相

<メンタルケアラーが危ない!>燃え尽き症候群と予防対策

「家族のうつ療養生活を支えてきたが、もう疲れた。何もできない」 そう思ってしまうことは少しも不思議ではありません。私もそうでした。 それでも頑張ろうと自分を奮い立たせているのかもしれません。 ですがそれを続けていると、いずれ燃え尽きてしまう恐れがあります。 「燃え尽き症候群」は、頑張った人が壊れてしまうとても悲しい状態です。避けたい事態です。 燃え尽きないためのポイントと予防策を身に着けて、ご自分のこともしっかり守りましょう。 1.頑張るケアラーが燃え尽きてしまう理由①燃

家族の精神疾患を受け入れるためのステップ

― 恥ずかしいと思う理由とその克服方法― 「家族の精神疾患が恥ずかしい、受け入れられない」と思ってしまう。 恥ずかしい、ではなくても、他の人には言えない、と思ったことがある方は多いと思います。 何故でしょうか。それは病気に対する誤解が大きく関与しています。 精神疾患への正しい知識を得て、目の前の家族としっかりコミュニケーションをとることで、恥ずかしさを乗り越えて受容することが出来るようになります。 1.精神疾患は恥ずかしくない①誰でもなる可能性がある病気である 精神疾

家族の理想像の具現化

~ケアラーの役割と共有された目標~ うつ病患者の家族が直面する課題は複雑であり、理想像を描くこと自体が困難な場合があります。 現実の辛さや病気との向き合い方を考えることが先決となります。 回復が最優先事項である一方で、理想像を見据えることは家族の結束と希望を生む大切なステップと言えるでしょう。 現実と理想を結ぶ架け橋としてのアプローチを探り、家族の共有された理想像が生まれるプロセスに焦点を当てて考えました。 1.うつ病患者の家族にとっての理想像とは?理想像を思い描く余裕も

セルフネグレクトとケアラーのリスク

~精神的なセルフネグレクトの理解と予防策~ 「セルフネグレクト」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。 ネグレクト、は広まっていますね。主に児童虐待などで育児放棄として問題になる、放置や無視のことです。 それがセルフ、つまり自分へ向いた状態のことです。 セルフネグレクトとは何か、特に精神面でのセルフネグレクトとは、その原因と対策を、ケアラーへのリスク警鐘として考えました。 1.セルフネグレクトとは人は衣食住+睡眠+他者との交流をバランスよく保ちながら生活を営みます。

相手の不機嫌に巻き込まれない3つの方法

家族が精神疾患になると、相手が家族と言えどコミュニケーションスキルが求められます。しかも結構高度なスキルが必要になります。 そのうちの一つ、「相手が不機嫌になったとき」。 相手が病気であることを踏まえたうえで、どのように対処すれば良いでしょうか。 1.相手の不機嫌に影響を受けやすい人の特徴一緒にいる人、特に一緒に生活している人の機嫌やペースは、どうしたって影響を受けるでしょう。それが「家族」で「同居人」です。 自分の気分を外へ放出するかしないか、は、個人差があります。 外に

理想像を描くことでメンタルを前向きに変える方法

悩みや問題があってメンタルが後ろ向きになっているときに「どうなりたい?」「目標は?」と聞かれても考えづらいですよね。 それでも理想像があるかないかで、今後は大きく変わってきます。 1.どうして理想像が描けないのか「~になったらいいのに」は、心のどこかで考えているでしょう。 けれど思い浮かんだとしても諦めてしまいます。 諦める理由は色々あると思います。 だけど××が解決しなければ無理だよね きっと叶うことはない と考えてしまったり、 思い浮かんだ理想像がリアルじゃな