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うつ病家族の知恵袋

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家族がうつ病になると、思いがけない出来事や悩みと次々に直面します。 そんな時どうやって取り組むか、立ち向かうのか、あえて逃げるのか。 経験者+カウンセラー+精神保健福祉士がアドバ… もっと読む
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2023年6月の記事一覧

家族が出来ること・出来ないこと

家族員の誰かがうつ病のような精神疾患になると、他の家族には突然役割が急増します。 そして「家族だから」という呪文によって、周囲から色んな要求を突き付けられます。 しかし、家族だけで何もかも賄えるものではありません。 家族が病気になったとき、同居家族が出来ること・出来ないことを仕分けることが重要です。 1.「必要なこと」を4カテゴリに分ける生活上・将来への備えも含めて、必要なことは山ほどあります。 しかしその全てが本人または同居家族だけでこなさなければいけないわけではありま

精神疾患患者の家族の方へ:辛いと言えてますか?

「うつ+家族+役割」でウェブ検索すると、うつ病患者の家族に対して「~してはならない」「~しましょう」のような情報がたくさんヒットします。 しかし、実際に生活していると、本人から攻撃されたり傷つけられることも少なくありません。家族が常に「する側」というわけではないのです。 1.精神疾患は攻撃的になることもあるうつ病に限らず精神疾患を患うと、心も体も不安定になります。 本人もそれを持て余してしまい、時にその「どうにもならなさ」が、一番近くにいる家族への攻撃になることがあります

うつ病家族を襲う無力感

家族がうつ病(またはその他精神疾患・精神障害)になったとき、家族は 『自分が対処しなきゃいけない、少しでも早い回復を目指そう、もし治ったら二度とうつ病になんてならないように頑張ろう』 と考えてあらゆる手を尽くそうとします。 けれど結果的に思ったようにならず、無力感に襲われる。 何故でしょうか。そしてそうならないために出来ることは何でしょうか。 1.家族のうつ病で無力感に至るまで家族がうつ病等の心の病を発症したとき、大抵の家族は、ショックを受けたり慌てたりしながらも、「何とか

心理的安全性とうつ病家族

心理的安全性、という言葉をご存じでしょうか。 組織運営理論の一つですが、組織ではない集団でもとても重要な「文化」の一つだと思います。 特に、家族内にうつ病(その他精神疾患)の人がいるときは、是非作り上げたい文化です。 なぜ必要か、心理的安全性があることで何が出来るのか、どうやって作っていくか、を考えました。 1.心理的安全性とはつまり、「何を言っても非難・批判されない」と信じられる、発言の自由が保障された場、ということです。 誰かの意見や行動に対して、「あれ?でもそれっ

うつ病の辛さを家族に理解してもらうには

うつ病になっても、その辛さを家族に理解してもらうには時間がかかります。 思いやりのある家族であっても、すんなり受け入れることは難しいし、「分かっているよ」と言ってもそれがうつ病本人が求める理解とはずれていることもあるでしょう。 うつ病の辛さを家族に理解してもらうためには、どうすればいいでしょうか。 前提:うつ病本人とそれ以外の溝まず、うつ病になった本人と、それ以外の人たちとでは、物の味方や感じ方が全く違う、という前提があります。 そしてそれは家族であっても同じでしょう。 し