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うつ病家族の知恵袋

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家族がうつ病になると、思いがけない出来事や悩みと次々に直面します。 そんな時どうやって取り組むか、立ち向かうのか、あえて逃げるのか。 経験者+カウンセラー+精神保健福祉士がアドバ…
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2023年2月の記事一覧

うつの看病と自分の仕事の両立

うつ病になった家族と生活するとは、つまり「うつ病の人を看病しながら生活する」と言うことですよね。 身体介護が必要なケースは稀だと思いますが、状態が常に気になる、という点は他の病気と同じです。 更にうつ病(その他精神疾患含む)の看病をしながら自分の仕事と両立させるには、どうすればいいでしょうか。 1.うつ病以前との違い①「ちょっとお願い」が出来なくなる 夫婦共に仕事をしていれば、業務上の不測の事態は起こり得ます。 急な残業、出張などで、いつも通り帰宅出来なかったり休日にい

うつ療養中の過ごし方 ④家族側の心得とQ&A

今回は「うつ療養中の過ごし方」シリーズの最終回です。 うつ療養生活の中で家族の方に覚えておいていただきたいこと、うつ療養についてよくある疑問について考えてみました。 1.うつ療養中の家族側の心得5つ①時間を味方にする 辛い時、しんどい時は、えてして「きっとこれが良くなることなんてない、ずっとこの状態が続くんだ」と思い込んでしまいがちです。 状況が悪いときは思考が硬直化しているので、冷静になって効果的な対策を取ることが出来ません。 でも「なんとかしたい」という気持ちはあるか

うつ療養中の過ごし方 ③うつ療養の現実

「うつ療養中の過ごし方」の第3回は、思うように進まないうつ療養の現実について、家族側の経験も含めてお話したいと思います。 うつ療養は、原則としては というものです。 こうした生活を続けることで、過度な疲労とストレスでぼろぼろになったメンタルは安定していくのは確かでしょう。 しかし、この通り出来れば苦労はないのが現実です。 1.セオリー通り進まない「うつ療養」①ストレスが少ない環境 ストレスと一括りにしますが、要するに生きていく上で感じたり自分の中で生まれたりする各種

うつ療養中の過ごし方 ②家族の役割

前回は「うつ療養生活で必要な条件」について5点考えてみました。 今回は「家族の役割(出来ること)」について、掘り下げてみたいと思います。 「うつ療養に必要な条件5つ」に対して家族が出来ること①通院、服薬 通院は、最初は一人では行きづらい人もいます。 まだ主治医に対して気を許せていないと、何か嫌なこと、自分を傷つけるようなことを言われるのでは、という不安が強かったり、通院する途中で周囲の目が怖かったり、一人だけだとドタキャンしてしまうこともあります。 病院側はそうなる事

家族のうつから得られるものとは? ③うつ病家族の成長

家族がうつになった時の家族の心の変化と、経験の先にある「心的外傷後成長」とは何か、について、考えてきました。 今回はそのまとめとして、 心的外傷後成長に到達すると、どのような心境の変化があるのか その為に出来る取り組みは何か について、お話したいと思います。 1.心的外傷後成長の「4つの成長領域」心的外傷後成長で、どのように心が成長したか、を図る基準が4つあります。 ①他者との関係 家族のうつ病を通じて、他者との関係にポジティブで前向きな変化が起きることがありま

家族のうつから得られるものとは? ②心的外傷後成長

前回は「家族のうつ生活から得られるもの ①心の動きと回避したいもの」というコラムで、家族がうつ病になった時、多くの家族が辿るだろう心の動きについて考察しました。 色んな体験や周囲の意見、自分の中の葛藤を経て現状に適応したとして、その適応が薄氷の上にあるなら、何かの拍子でまた元の不安定に戻ってしまったり、「また辛かった時にもどってしまうのでは」という不安に付きまとわれてしまいます。 家族のうつ病というトラウマ的体験の先に何が得られるのか、を知って、「適応段階」の更に上を見つ

家族のうつから得られるものとは? ①心の動きと回避したいもの

家族がうつ病(その他精神疾患)になる、という状況は、言うまでもなくネガティブでショックな状況です。 病気になった本人は勿論、ほとんどの家族にとっては「青天の霹靂」状態で、パニックになったり事態を恨めしく思ったりするでしょう。 しかし、長い目で、本当に長い期間を経たあとで、その体験から大きく成長するケースがあります。 どんな流れで、どんな要素が揃うと、辛い体験が「心の成長」へ繋がるのか、その為にどんなことが出来るのか、を、考えてみます。 1.家族がうつになった時の、家族側の