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うつ病家族の知恵袋

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家族がうつ病になると、思いがけない出来事や悩みと次々に直面します。 そんな時どうやって取り組むか、立ち向かうのか、あえて逃げるのか。 経験者+カウンセラー+精神保健福祉士がアドバ…
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2022年12月の記事一覧

家族が出来るうつ病ケア術4つ

家族がうつ病になると、「自分にも何か出来ることはないか」と色々考えると思います。 うつ病ケアに必要なものは色々ありますが、では家族が出来ること・家族しか出来ないことは何か、をまとめました。 1.うつのケアに必要なものうつ病を改善するために必要なものは、以下の5点です。 ①専門家による治療(服薬、心理療法) ②十分な休養(身体、メンタル両方) ③周囲の理解 ④療養に適した環境調整 ⑤生活改善 そして、うつ病を改善するためには、様々な人・機関が関わってきます。 ①病院 ②

うつ病療養に環境調整は重要

「(自分が・家族が)うつ病になったらどうすればいいか」 については色んな情報が出ています。 どれもすべて本当だと思います。 ただ、抜け落ちているものがあります。 それが「環境」をどうするか、という視点です。 「うつ病の間は大事な決断をするな」 というのもよく聞く言葉ですが、大事な決断をしてはいけない=環境を変えてはいけない、と思われがちです。 その為に長引かせてしまっている人、回復しても再発してしまう人も多いと思います。 うつ病と環境について考えてみました。 1.うつ病

うつ病家族に必要な〇〇力 -行動力-

うつ家族に必要な力の最後は「行動力」です。 行動する、と聞くと、思考型の型はハードルが高く感じるかもしれません。 しかしここでは、そんな大きな行動ではなく、ごく小さな行為・言動を差します。 では、どんな行動を増やせばいいか、どうやって増やすか、を考えていきましょう。 1.考える<行動する、のメリット①思考・感情より、行動のほうがコントールが楽 例えば、昨夜夫婦喧嘩をした、と仮定します。 「ケンカの原因について考えないようにしよう」とするのと、 「じっとしていると(ケンカ

うつ病家族に必要な〇〇力 -放置力-

うつ家族に必要な力の二つ目は「放置力」です。 放置、というとあまり良くないイメージがあるかもしれませんが、うつ病のリハビリと長期療養期間で家族が潰れないためにはとても重要なスキルです。 では、どんな風に「放置」すればいいか、考えてみましょう。 1.放置=適切な距離を置くこと①心理的距離 大事な家族がうつ病になれば、心配でそのことばかり考えてしまうのは仕方のないことです。 しかし、自分にも生活もあればプライベートも仕事もある。うつ病の家族のことばかり考えていれば、それ以外

うつ病家族に必要な〇〇力 ―観察力―

うつ病になった家族を持つ人に必要なスキル「観察力」「放置力」「行動力」。 まず一つ目の「観察力」について、考えたいと思います。 観察力を養うことで、不必要な不安を抱えず、自分をないがしろにせず、うつ病療養期間を過ごすことが出来ます。 1.相手(うつ病の人)を、フィルター越しに見るのを止める①うつ病以前の元気だった状態と比較する 「前なら〇〇出来たのに」 「〇〇くらい平気だったのに」 と、うつ病になる前の状態と、うつ病になった今を比較していませんか? ずっと一緒に生活し

うつ病家族に必要な〇〇力3選

うつ病になった家族を支えて一緒に生活していくには、家族ならではのスキルが必要になります。 医師やカウンセラー的な役割はそっちへ任せて、家族にしか出来ないスキルを身につけて、うつ病の家族も自分達も守りましょう。 では、実際には何が必要でしょうか? 1.観察力人間の記憶力、思考力、想像力というのはバカに出来ません。 目の前にある現実よりも、目に見えないそうした脳内世界のほうが説得力を持ってしまうことも少なくないです。 『幽霊の正体見たり枯れ尾花』 ではありませんが、ただの

うつの夫・妻とケンカになった時は

夫婦とケンカは、切っても切れないもの。 しないに越したことはないですが、一緒に住んでいて衝突しないはずがありません。 それがどちらか一方、または双方がうつ病なら、発生率と深刻度は倍増します。 うつ病の夫/妻とケンカになったときは、どう対応すればいいでしょうか。 1.うつ病は自分を卑下しやすいケンカとは、二人以上の人間の主張が相容れない時に起きる現象です。 双方が自分の言い分を前面に出して、相手の言い分は聞かない。かなり強い態度です。 しかし、態度や語調が強くても、うつ病