経済・経済力

ここから経済の話に移っていきます。これまで「貨幣」つまり「お金」の事実について説明してきました。この基礎知識の上に、「経済」の話を乗せていきます。


経済とは

「経済」の語源は「経世済民けいせいさいみん」と言われています。経世済民とは「世を治めて民を救う」、国民を守るために公的な施策(政策)を行う、つまり政治そのものを意味します。

大切なポイントは、経済という言葉に国民を守るという思いが込められている、ということです。

経済力とは

みなさんは「経済力が高い」という表現で何を思い浮かべるでしょうか。 お金持ち、あるいはたくさん稼ぐ人のことを想像するのではないでしょうか。

実は経済力は個人に対する言葉ではなく、国家に対する言葉です。「経済力のある人」という表現は本来誤りで、正しくは「経済力のある国」という形で使います。

経済力が相対的に高い国のことを「先進国」と呼びます。そして先進国とは、お金持ち国家のことでも、他国からたくさん稼ぐ国家でもありません。

経済力とは、モノやサービスを生産する力のことです。

お金は、政府や中央銀行がその気になれば、いくらでも発行できます。しかし、モノやサービスを生産する力は、長年の投資や技術開発・人材教育など、過去の蓄積によってしか強化されません。その力が、経済力なのです。

とはいえ、経済力を定量的に計測するには金額を使うしかありません。生産できるモノやサービスの価値(金額)を、経済力を計測する指標として用いるのです。大事なのは、お金をたくさん持っていることが経済力があることを表しているわけではない、ということです。

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