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Caractère 歌詞和訳

 こんばんは。今日は、ジョイス・ジョナサンの « Caractère » の歌詞の和訳を書いていきます。

 フレーズの末尾に *1 〜 *5 と付いてるのは補注で、歌詞&和訳の後にまとめて載っています!


1. 歌詞&和訳

Tout a commencé il y a longtemps
すべてが始まったのはずっと昔
En classe de primaire déprimé faut le faire *1
小学校の授業で落ち込んで大変だったわ
Tout a commencé sur le divan *2
すべてが始まったのはお医者さんのソファの上
A régler mes affaires, à parler de mon père
自分のことを整理したり、パパの話をしたり
Il m'a fallu des années lumières *3
何光年もかかったわ
Retrouver l'origine de mes enfers
私の地獄がいつから始まったのか突き止めるのに
*****
Je rêve, je m'enferme
私は夢を見て、そして閉じこもる
Je sais qu'au fond de moi
わかってたの、心の底では
Des milliers de combats
無数の葛藤が
S'enflamment et se terrent
燃え上がっては押し込められてること
Tout ce que j'ai vécu
私の生きてきたすべてが
A forgé mon foutu caractère
作り上げたのね、私のくそったれ根性を
*****
On garde en mémoire que les bavures *4
記憶に残るのは失敗ばかり
De vieilles histoires des vieilles rancunes *5
過ぎ去った恨みごとの過ぎ去った物語ばかりで
Elles rendent nos joies dérisoires
そういうのが喜びをつまらなくして
Des journées obscures des âmes sans armures
日々を暗くして、魂を丸腰にしてしまうの
Il m'a fallu être terre à terre
地に足つけなきゃいけなかった
Pour aimer la vie sans jamais être amère
苦しみから解放されて、自分の人生を愛するためには
***** REFRAIN *****
Hm hm hm…
Je veux que ce soir on se rappelle 
今夜思い出してほしい
Nos plus beaux moments, nos rêves d'enfant
私たちの最高の瞬間を、子どものときの夢を
Il m'a fallu des années lumières
何光年もかかったわ
Pour trouver l'origine de mes enfers
私の地獄がいつから始まったのか突き止めるのに
***** REFRAIN *****
***** REFRAIN *****
Tadadada, tadadada
Caractère…


2. 補注

この歌はちょっと難しくて、いくつか注意が必要なところがあるので、補足していこうと思います💦

*1 うーん、ここなんですけど、まず主語がなんなんだかはっきりしないんですよね。一応、

En classe de primaire, (j’ai été) déprimé (et il) faut le faire 

という構造かなぁというのが個人的な見解です。il faut 〜 構文は話し言葉ではよく il が省略されるので、そこはまだいいんです。が、j’ai été déprimé は歌い手が女性であることを考えると déprimée の方がよくないかという気もするし、発音が同じ不定形 déprimer という可能性もないわけではないし。あと、faut le faire の le が何を指しているのか。たぶん特に何も指してはなくて、あえて言うなら「いろいろと」しなきゃいけなかった、ってことなんだと思うけど。。。

*2 divan とは、長椅子とかソファベッドとかを指すらしい。見たほうが早いと思うので画像検索するとこんな感じ。

https://www.shutterstock.com/fr/search/divan

この divan はお家にあるソファというよりは、病院の診察室の椅子か、学校の保健室のベッドを想像したほうが文脈に合う気がします。

*3 année lumière は「光年」の意味。物理や宇宙に詳しい方ならここで「あれ?」と思ったかも。そう、光年っていうのは時間じゃなくて距離の単位(およそ10兆kmだって!)ですよね。これは歌詞なのでそんな細かいことは気にせず、なが〜〜い時間の比喩として使われてるわけです。

*4 えーと、この que なんですけど、 « Je pense que 〜 » とかの que ではありません。これは

ne … que 〜「〜しか…ない」

の que です。話し言葉では ne が頻繁に省略されるので、こういうことが起こるんですね。わかりにくい!

*5 この冒頭の de は「名詞に前置修飾の形容詞が付くとき、その名詞に付く不定冠詞の des は de に変わる」という頭の痛いアレです。ちなみに、des vieilles rancunes の des は、de+les の縮約と考えていいと思います(もしこれが不定冠詞ならやっぱり de にならないとおかしいので)。


3. 感想

 補注とか付けてたら文法の比重がとても大きくなっちゃったので、この歌の感想とかも書いとこうかな。

 この歌、歌詞をわからずに最初聴いたときは可愛い曲だな〜っていう印象だったんですけど、調べていくと「地獄」とか「戦い」とか、果ては「くそったれ根性」とか、けっこう強烈な言葉が連発されててびっくり。。サビの最後の「私の生きてきたすべてがこのくそったれ根性を作り上げた」っていうのは特に痛快。「自分ってどうしてこういう考え方しかできないんだろう?」とか、あとは他の人に対して良い意味でも悪い意味でも「この人ってどうしてこういう考え方なんだろう?」とかって思うことはあるけど、その答えは、自分とかその人の人生まるごと、なんだろうな。でもさ、よく考えてみたら生まれたときはみんな一緒のはずなのに、、、っていうのが3番のAメロの「私たちの一番美しかった瞬間を、子どものときの夢を」と重なるようにも思えます。「一番美しかった瞬間」がいつなのか、生まれた瞬間なのか、子どものときなのか、初恋のときなのか。。。

 この前の « Le bonheur » もそうだったけど、自分の過去を振り返ってさみしくなってしまったときに聴くと心なしか元気が出るような歌だなと思いました!


4. 次の曲


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