個人的レビュー~TSi3編~

タイトリストのウッドについて

タイトリストは長いことウッドのシリーズについては9xxという呼称を続けてました。983(KとかEとか)、905(460ccの950Rデビュー)、907(三角形の黒歴史)、909(起死回生の名器)、910(カチャカチャの導入)、913(910から変化なし?)、915(溝つき)、917(棒のおもり)
D2は投影面積を大きくしたモデル、D3は洋ナシ形に近いコントロール性能を重視したモデル。909でカーボンクラウンのモデルも試しましたが基本的にはフルチタン、キープコンセプトでアスリート向けに進化・深化してきたメーカーです。
名器もあれば癖が強すぎた迷器もあり。飛距離を唄いはするものの、他メーカーに比較してどちらかといえばコントロール性能、ある程度のスピンを確保したモデルが多い印象です。
905R、910にATTAS参上は長く使ったなあ。

変革のTSシリーズ

2019年にデビューしたのは"TS"シリーズ。タイトリスト・スピード。溝を廃止しボディから新設計になりました。TSシリーズで発売されたものはアスリート向けでTS2,TS3の460ccと小ぶりなTS4、アマチュア向けにTS1がラインナップされました。特にアジア市場向けに作っていたVG3が廃止、TS1としてグローバルモデルになったのが大きな政策変更。これまでタイトリストは「アスリート向け」の枠でしか作ってこなかったのが一番大きなパイであるところの一般アマチュアマーケットに参入。実際TS1はボールも上がりやすく、ヘッドがやや軽量な分、振りやすいと評価されました。
一方でTS2,3はテーラーのMシリーズ、SIM、キャロウェイのEPIC、ROGUE、EPIC FALSHシリーズの後塵を拝す結果に。一般人が使うにはちょっとピーキーすぎたんじゃないかなと感じてます。ぼくもTS3は一度試したんですけど打率的に厳しかった。それともう1点は「スピン量の過多」スピンが多いから9.5度にすると捕まらない、10.5度にすると吹ける。ちょっと扱いきれませんでした。また、芯を外したときの感触と結果が正直厳しかった。

TSiシリーズのデビュー

2020年にTSi2/3がデビュー、大きく変わったのはフェースの素材。ATI425というチタン素材を使用。日本の地クラブでは大同特殊鋼のDAT55やJFEのSP700がよく聞く素材ですが、ATIはアメリカの素材メーカーが作るチタン合金。これに表面処理をしてフェースを作っています。TSからTSiになって一番大きく変わったのはスピン量かもしれません。フェースの表面処理のおかげか、滑る感じがなく10度で適正なスピン量、打ち出し角を得られました。初速性能はTSから引き続き頗る良好。飛距離能力と扱いやすさがようやく備わった格好です。

TSi3を買ったはいいものの

とはいえ、実は今のエースはキャロウェイのMAVRIK440です。振り比べると、TSi3は重心が深い感じがあり球に当てる前に当たってしまう感覚。460サイズのお尻が少しタレる感じがなかなかしっくりきてくれません。
初速は10度ながら440とタメを張りますが、やはりスピン量とつかまりでは今一歩。いろいろとカチャカチャ、おもりのポジションをいじってみましたがもう少し。9度のヘッドだと捕まらない、捕まればドロップする、ヘッドをかぶせると左に飛び出す、いろいろ試してみましたが残念ながらダメージの少ないうちに断捨離となりました。しかしながらあくまで自分にはもう一歩なだけで非常に可能性を感じる仕上がりでした。グっとボールを捕まえ、食らいつく感覚は非常に良好です。

TSi3はどんなひと向け?

正直、打点ブレの許容度は高くはないです。なのでスイングが安定しているひとが大前提になるかと思います。なので、スイングが安定していて、コントロールを重視する上級者向けとなるでしょう。ロフトは10度でも上がりやすいわけではないので、そこそこ振れないとやはり厳しいです。クラブにお願いというより、自分であの1点にこういう球で打つ、と球を作っていくひとのほうが満足度は高いかと思います。
ここ数年、PINGが勢力伸ばしまくりなんですがどうもストレッチバック系のヘッドが苦手なので3Wとかに頼ってゴルフしてるんです、というひとで振れるならぜひ一度っていう感じです。見た目は地味ですが、お尻のスライドウェイトは何気にしっかり効きます。TSi3の競合はSIMとMAVRIK SZですね。SIM maxじゃなくてSIM。

あとがき。TSi1/4のデビュー

そうこうしているうちにTSi1/4がデビュー。TSi1はUSLPGAで即winしてましたね。タイトリスト契約の女子Pはあっさり移行しそうです。TSi1の競合はMAVRIK MAX、MAX LITE、XXIO X、Mグローレあたりと推測。自分は買わないけど一番マーケット的に広いゾーンを攻める商材なんだし、TSiシリーズ的に一番プロモーションしたい製品のはずなんですけどねー、このデビュー時期ズレは自分が売り場の担当だとすると思わず苦笑いって感じです。

TSi4はみんな大好きアダムスコット様がTSi4の10度をご使用になられております。競合クラブなどない。特殊な人むけの特殊なクラブ。今時ミニサイズなんて他にないです。TSi4はTSi3よりスピンを抑える設計をしているとかで非常に興味があります(というかこれ書いてて欲しくなってしまい結局10度を某FGでポチりました。)納期4月でまあそりゃそうかって感じですが忘れたころに届くのでまた気が向いたらレビューします。

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