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「天気の子」が好きじゃない理由

「君の名は。」大ヒット以降の新海作品として、最大限の期待を受けて制作された「天気の子」。
あんまり好きじゃないなぁと思ってる。

「君の名は。」は3回映画館に行ったほどだったし、「秒速〜」はその前から好きで何度も観たが、「天気の子」は1回映画館で観て、今日まで観たことなかった。映像美は勿論、所々のドラマの作り方は良かったが、全体に筋書きに沿ってキャラがうごかされている印象にも関わらず、何が伝えたいかわからない。

今日地上波でやっていたので、ラスト30分くらいを流し見しながら、何が好きじゃなかったか考えた。

以下ネタバレを含みます。
何故か、新劇エヴァについてもネタバレします。

よくある子供対大人の構図だけど…


語弊があるかもしれないが
この映画を要約すれば、子供が大人たちの言うことを聞かずにわがままを通した結果、雨が降り続く世界になった、ということになるだろう。

この、子供対大人の構図は青春物語に必ずと言って良いほどある。

これによって、子供たちの純粋さを際立たせることができる。

一方でこれは、理想と現実の対比であったりする。
「天気の子」では、子供対大人を、正義と悪で語っているように思える。
主人公達が正義で、それらを邪魔する大人たちは悪とするような印象を受けてしまう。
それはそれで少年少女の抱きがちな幻想なのでアリなのだが、言わずもがな主人公達に正義がないといけない。
これが弱い。

わがままとその代償

クライマックスを迎えるところなどは特に矛盾を感じるところで、雨が上がる方が良いに決まっているので、大人側が正義となるのに、主人公は陽菜を取り戻すために行動する。
この時点で、正義と悪の構図は破綻しており、理想と現実の構図を据えざるを得ない。
主人公に正義がないのであれば、それはわがままでしかない。
わがままの代償として永遠の雨は大き過ぎない?やめた方がいいんじゃない?と思ってしまった。

こうなったら、全てを解決する展開を期待するか、さもなくば、現実を受け入れるしかなかった、とかのバッドエンドにするか?と予想して観る。

結局、主人公は好きな少女を取り戻し、世界なんて狂ってていいと言う。
わがままを通し、理想と現実の擦り合わせもしなかった結果は、保護監察の罰を受けたようだが、高校卒業もできて好きな少女と再会し「大丈夫」と言う。ハッピーエンド風に映画は終わる。

ちょっと待ってくれ。
お前らは大丈夫で良いけど、世界どうすんのよ?
雨が降り続く世界って結構やばいぜ?
もうちょっと後悔とか罰とかの描写があった方がいいんじゃない?いっそバッドエンドとしてまとめた方がいいのでは?
新海作品はバッドエンドやり過ぎて、飽きたか、ヒット作の後にバッドエンド作れないとか言う大人の事情とかあったんだろうか?とかもやもやする。

雨が降り続く世界にしてしまうってのが、かなり大きな罪だから、学校の窓ガラス割る程度の若気の至りとも思えないのも良くない。

アレに似てる

新劇エヴァ破で、シンジくんがラストに綾波を救うために行動したシーンと重なる。何が違うか、もうちょっと考えたいですが、
とりあえずシンジくんはQでかなり罰を受けましたね笑

結論っぽいもの

個人的な結論として、オープニングの「世界の形を変えた」を言いたいが為のエンディングだったと思っていて、それならばバッドエンドにしておくべきだったかと思う。「秒速〜」くらいバッドエンドだったら納得するかもしれない、と思った。
批判をしてしまったが
新海作品は好きな作品も多いので、次作も観ると思います。

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