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子の心、親知らず

歯医者さんの話みたいなタイトルになってしまいましたね(笑)

先日のシェアハウス事件、私が買物に行っていた30分足らずの出来事を、夫がわかりやすく解説してくれました。ツムギが冷静に話ができるであろうタイミングを見計らって。


その日、私がフガフガ鼻息を荒くしながら夫に報告した30分間はこうでした。


夕飯の買物に出かけるときに、ツムギには「裁縫道具の名前書きを先に終わらせてしまってね」って言ったのよ。そしたらね、玄関までついてきて「ポテチ買って来て」って言うから、「じゃあ、ご飯炊いておいてくれる?そしたらいいよ」って約束したの。
スーパーで買物終わって携帯見たら、ツムギからメールが来ていてね、宅配便取って来たよ。お父さんが可愛い文房具を注文してくれてた!って、写真まで添付されてたの。あらぁ、ご飯も炊いて、宅配便まで取りに行ってくれたんだ!って思うじゃない。

そしたらよ?

玄関入ったらいきなり「糸通しこわれてた」って言うの。「え?そんなはずないよ。私昨日針を用意してあげたときに使って、そのまましまったんだから」って言っても「だってこわれてた」って、三回くらい繰り返してね、ようやく「ポーチから出そうとしたときにチャックに引っかかったんだけど、それでこわれたかわからない」って言ったわけ。絶対それじゃない。
だからね、「私、前も言ったけど、物がこわれてしまったことで怒ったりしないよ。なんでそうやってウソつくの?最初から、チャックに引っかかって壊れちゃったって言えばいいじゃない」って教えたら「言い方がわからなかった」って言うのよ。
でね、ご飯は炊いてなかったわけ。

でも、怒ったりしてないんだよ。嘘つかれたり、約束破られたりして悲しかった。残念。って言ったの。
そしたらツムギ、謝りもせず、部屋に籠っちゃったの。


ひと通り話を聞いた夫。
「まぁさ、ツムギは説明が下手なところがあるからさ、本当に言い方がわからなかったのかもしれないよ」

夫に諭されるとムキになってしまう私は「そんなことある〜?五年生よ?ふだんはちゃんといろいろ説明できるじゃないの」と荒い鼻息のまま反論しました。

確かに、今こうして文字に起こしてみると、些か一方的な思い込みがあるのはわかります。わかりますけれど、そう言いたくなる気持ちもわかってほしい。


この話を、私の前でツムギにひとつひとつ確認をしたわけです。

ツムギが見たとき、糸通しは壊れていたんだね。
それでツムギは、せっかくケイトから貰った糸通しが壊れていて焦ってしまったんだね。
だけどケイトが言うように、物が壊れた時には、できるだけ順を追って説明をした方がいいね。その方が怒られない可能性がグンとあがるよ。

最初の糸通しのくだりで、ツムギの手前、バツの悪い顔はしていましたが、優しく娘に語りかける夫に、感動すら覚えていました。
未だかつて、この人が娘に、こんな諭し方をしたことがあっただろうか。

それで、どうしてご飯を炊く約束を守らなかったんだ?

「だって、ケイトが先に名前書きを終わらせてって言ったんだもん!」

「そうよ。それは確かに言ったわ。でも、宅配便を取りに行ってるじゃない!それは言っていないわよ」

バツの悪さをごまかすために、ちょっぴり口を挟む私。

どうして先に取りに行っちゃったんだい?

「名前書きをしていたら、学校のことを思い出して、Mちゃんがセロテープを貸してって言ったけど、ツムギは持っていないよ。って言ったんだけど、それで、お父さんが注文してくれてたんだ!って思い出したから取りに行ったんだよ」

そうか。それはケイトに言って、取って来てもらえばよかったね。
だからご飯を炊く時間がなくなっちゃったんだね。
でもさ、ご飯が炊き上がるまでに時間があるよね。
今度からはそれを考えて、ご飯炊いている間に宅配便を取りに行ったらいいね。


夫、ファインプレー!
ファインプレーではあるが。
うちの娘、そう言うところあるからね。って、しっかりとした取説を、ご入居前にいただきたかったと思ってしまいました。

やっぱり私なんかより全然、ツムギのことを理解しているのです。

私目線で「親知らず」と言ったけれど、親はちゃんと子の心を知っているものなんですね。

まだまだ、一方的に判断していることが多いのだと思います。
だから、娘にとっては理不尽で、許し難いと思ってしまうのでしょう。

ウチの子ならこう言うだろう。を、間違った解釈で想像しないように気をつけよう。と、深く反省しました。

と、言いながら、今朝も早とちりして怒った後に、あ、違った、テヘペロをしてしまったのですけれど。

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