マガジンのカバー画像

私の好きなnote詩

8
noteで出会った素晴らしき詩たち。
運営しているクリエイター

記事一覧

「線香焚くようになってから」

線香焚くようになってから
肩こりがよくなりました

線香焚くようになってから
気分がよくなりました

線香焚くようになってから
眠れるようになりました

線香焚くようになってから
あたまがよくなりました

線香焚くようになってから
モテるようになりました

線香焚くようになってから
殺されることもなくなりました

群像

群像

世界は雨が降っていた。
空では、

ありとあらゆる雨が共鳴する。

いつか見た誰かの泣き顔、笑い顔、生まれた顔。
最期の顔。

世界の数だけ雨が降る。
ひとの数だけ雨も降る。

空の群像。

然うして必ず雨は止む。
雨のお了いに待っている。

「あなたとわたし」

深くふかぁく

ひきこもっている

わたしを救えるのは

いっつもいっつも我慢して

怒りでいっっぱいの

あなただけ。

いっつもいっつも我慢して

怒りでいっっぱいの

あなたを救えるのは

深くふかぁく

ひきこもっている

わたしだけ。

「遺作」

触れるおっぱいさえあれば

生きていける気がするー

なんだか永遠に生きていける気がするー

揉めるおっぱいさえあれば

生きていける気がするー

なんだか永遠に生きていける気がするー

でもそんなおっぱいはどこにもないから

ぼくは早めに死ぬ気がするー

なんだか明日にでも死んでしまう気が

生まれること

生まれること

髄に捩りこむ。それは

燃ゆる灰となり、風となり、雨となり、
ひととなり。

生まれ死ぬもの。
生まれなければ死にはしない。

死にたいなら生まれるしかない。

雪の日

雪の日

落ちてくる相対湿度に
かわいた瘡蓋を少し寂し、少し愛し

夜舟

夜舟

ゆらん、ゆらん月の舟。
綱渡りしながら夜をゆく。
呼吸をはかりながら、

夜の均衡。
誰かの寝息にふと落ちる。
ゆらん、ゆらん下弦の舟。

新しいところへさようなら。

ぼくが恋に落ちる人は

ぼくが恋に落ちる人は

どうぉんなひとなんだろう

ぼくはながいこと恋なんて

してないけれども

ぼくが恋に落ちる人は

どうぉんなひとなんだろう

むかしの記憶のなかで

輝いている女の子たちは

やっぱりみんな

かわいく笑っている

好奇心いっぱいの

キラキラした目で

世界をながめている

どんな人にも

優しい眼差しを

向けている

彼女たちは一体どこに

行ったのだろう?

どこ

もっとみる