宇宙のディープエッチングこれまでは 展色材のかたみの狭さ カタギのカゼイン溶かせる我は トナカイを森の上より知る寒さ テンペラミスタ 二枚貝より生れしもの
街路樹の黴寒々と四羊は 木彫のオフィス栄螺のうろこなど オレンジの胴が汚れてない車 来るまでは足場を組んでいたい背に 額窓へ来よ三毛猫の晴れすがた
休肝日ましてやイルカ群で来て 底流のふたつ語らむ蟾蜍 喫煙の癖に凹める温タオル
犬と共に遊具の周りを歩く。私は犬を飼っていないのでもちろん私が手綱を握っていないのだけど、ジャングルジムの周りを一緒に歩き、そして別れた。帰って、岡村昭彦の写真に補助線を引いた。 夕暮れを間違ってなお派遣業 駅名に資本を見付く二人旅 こんにゃくを作り過ぎては怯むまで
あれ食べたいこれ食べたいと過ぎてのち ここよりは宅地の躑躅。ここよりは ワンちゃんの言葉に髭が伸び出して 魚飽けるランナー多し人日は くしゃみにひとつ曲がる標識
やることを書いて畳めば本になる たばこ代数えて今朝も年男 ヌートリア分布と被る出身地
音楽レビューのリズムを真似る話し方 渋谷まで虫の孤独と運ばれる 鳥骨を齧る音漏れするほどに 飾らない言葉に御釣り渡しゆく
今日は長持ちする服を買いに行った。第一の目的が長持ちの服を買って、長持ち目指して服を着て、洗濯をする日々是好日 長持ちを目指して服を買いに行く 遊泳を句にする人が追い越され 季は何れでも好きなのを選びなさい こがらしの身を不為不育 終わりなき対話をシャツに落としこむ 昆虫姦のコーデを定む会議室 ぼくらみんなながもちする服
2023/4/14 広告の募集に広告休んでる 職業柄ぼくらは常にお買い物 よくわかる単語は大抵聞き違い 啓発の多くて黄砂吹き上がる 上がるものに舞うもの多く釣り人は エロ画像検索画面に戻す屠蘇 圧迫を受けてトイレに捨てるもの
式典を除いてスーツを着たことがないせいか、スーツを着て三人くらいで歩いている人たちの会話を聞いてもつかみどころがなく思える。ソフトクリームを舐めながら聞いていたせいか、ソフトクリームたちの会話を聞いていると... 爪楊枝のあたまを挟む特価本 自販機の差額を探す待ち合わせ レザーコート三人並べば良い方で 止まらなくても良い駅の針鼠 弘法の諺で足る50分
2023年4月12日 動物に食べ物を取られているとき、動物との重層的な生活の狭間にいるように思える。 生白菜握った手寿司握った手 ここらあたりは僕の残り湯 いまいまにいますまいまいいますまい ふかんしてみるくれいぷのつみあがる 軽犯罪おおくて眉毛整える
2023年4月11日 キャンプへ行き、自然の寒さを知ればベーコンがおいしい。 たまに♪を落とす街宣車 支持者のみなさんたばこ休憩 座席の丈感ある意味ではない つま先を線で結べる乗車率 かちわりがよくお似合いのひとり旅
2023年4月10日 スマートな喉の渇きだありがとう ぷるぷるのサラダ隕石由来とか 胃に囚われのラーメン連れて オナニーはみんなやってる影の上 すきまから夜のバールのようなもの 人形の展示施設で生れしのち からくりが叩く泉の木琴を 鼻（パパイヤ）鳴らしおじさん人形は 展示車両から出てきた街はこんなに広い
2023年4月9日 まっすぐにホットケーキと言い放つ みどりの枯葉色どこですかと聞かれ タイポグラフィは寄り添う（カーテン談） ムートンでくるりライトが追ううちに 胃についた避雷針が取れません 泳げそう臨界溢れているみたい 血の池へ犬（夢）はからまり垂れてくる サックスが鏡下の水を踏み締める
2023年4月8日 母校を訪ねるとグラウンドには芝が敷いてあった。困ったなあ、もう校舎も建て替えられたし、思い出すきっかけもないなあ、と友達と言い合っているあいだに学校の風景を思い出した。いや、まったく学校というもんは椅子が多く見えてしまう。 ピクセルへ解けておちあうカッシーナ やたらある言葉を探すレストラン カーテンをまずは見ている椅子の背 くまさんが撃たれて困っています 君が代を一歩飛ばしに歌い終う 消しゴムのスープをこねてできあがる うんそうね顎の動きは信
2023年4月7日 職業柄、別の仕事を探さなければ食っていけない。仕事をしている時は何も思わないが、仕事を終えた後に恥ずかしくなることがある。仕事を終え、別の仕事を探す。 羽蟻を煙草にいぶす立ち姿 蝉と七三分けをまとめてめくる本 さるすべり猿食べ滑りするものか 樽は円なんだ羽蟻どこまでも 大変なことがわからぬ茄子を飲む 寒がりの様子を聞きにくる茄子
