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【小さいけれど気になること】#1 向き問題

 はじめに言っておきますが、これから書くことはほんとうに「小さくてつまらないこと」です。そんな取るに足らないことをわざわざ書くのは「だけどちょっと気になる」からです。ちょっとです。なので軽く読み流してください。では本題です。

 向きと言っても「向き不向き」の向きではない。図書館の話だ。
 図書館はよく利用していて、手元には必ず何冊か借りている本がある。予約も常に入っている状態で、順番待ちの本が予約上限の10冊近くある。だから、借りた本を返すと同時に、予約していた本を受け取って帰る、という行動をとることが多い。
 蔵書検索と貸出予約はネットでできる。自分の順番が回ってきたらメールで通知されるので、あとは受け取りに行くだけだ。非常に便利でありがたい。
 札幌市の場合は中央図書館という大きな図書館のほかに地区図書館が各区にあり、貸出館を自由に選べる。他館の収蔵本でも貸出禁止の指定がない限り、自由に予約を入れ、好きな場所で受け取ることができる。ちなみに蔵書数は272万冊だそうだ(令和5年4月1日現在)。人口比で多いのか少ないのかはわからないが、印象としてはまあまあという感じだ。目的の本はそこそこ見つかる。ただ、見つかっても館内閲覧のみで借りられないということも結構多い。あと、人気のある本だと先行予約者が膨大で自分の番が回ってくるまでに1年くらいかかる、ということもある。

https://www.city.sapporo.jp/toshokan/

  今日も3冊返して、新たに3冊借りた。手続きはカウンターで本を返したあと、窓口を移ることなく予約していた本をその場で受け取る、という流れだ。
 返却本を受け取った図書館の職員は、本の表紙に貼られたバーコードを一冊ずつスキャンして、端末のモニターを確認する。貸し出した本と合致しているか、貸出期限を超えていないか、などチェックしているのだろう。問題がなければそれで返却の手続きは完了だ。「ありがとうございました」と言われたり言われなかったりでやりとりは終わる。こちらもお礼を言って完結。期限超過の場合は「次回から気をつけてくださいね」くらいのことは言われるのだろう。経験がないからわからないけれど。
 そして次が予約本を受け取るフェーズだ。持参した「利用者カード」を提示すると、職員がカードに印刷されたバーコードをスキャンする。そこでモニターに貸出予定本のリストが表示され、延滞履歴があれば勿論それも赤字で表示されるのだろう。のぞき見したことがないから想像だけれど。「こいつ延滞常習だな」とか「マニアックな嗜好してるな」とか、そんなことを思うかどうかは知らないが、職員は後方の棚で貸出を待っている本を取りに行き、カウンターに戻って手際よく一冊ずつバーコードをスキャンする。そうして返却期限の印刷された、しおり代わりの紙片を1枚、ページの間に挟みこみ「9月10日までです」と言って本を渡す。手続きは以上だ。

 借りた本を返す時、たいていは本の向きを相手の側に向けて差し出す。職員は書名を目視確認するわけではなく、バーコードをスキャンするだけなので、向きはどちらでも問題ないとは思う。だけど貸してくれたのだから、きちんと相手に向けて返す。
 借りるときに提示する利用者カードも、職員の側に向けて差し出す。職員はカードのバーコードをスキャンしたあと、向きを変えて僕に返してくれる。たいていの職員はカードを手渡したあと、うしろの棚に本を取りに行く。

 だけど今日の職員はちょっと違った。スキャンしたカードをそこに置いたまま本を取りに行き、戻ってきて本と一緒にカードを返してくれた。カードを返す順番はどうでもよい。ただ、返ってきたカードの向きは、職員の側を向いたままだった。カウンターの上をすべらせて返すのもまあ、よい。でもカードは相手に向けるべきではないか。
 同じようなことは、宅配便の受け取りなどでも生じる。玄関先で受領証に押印あるいはサインをしたあと、それを相手の向きに持ち替えて渡す。しかし品物はそのまま、つまり宛名が相手側に向いたままの状態で「はい」みたいな感じで渡されることがたまにある。

 物事の本質に影響するわけではないので、どうでもよいことなのだが、でもちょっと気になる、という話だ。

 
 


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