進化する電話番号

フォーメーションは電話番号

「フォーメーションなど、電話番号のようなものだ。数字の羅列にすぎず、その人となりなど分からない」

セサル・ルイス・メノッティ

メノッティがそう言ったそうです。あのメノッティです。アルゼンチン代表なんかで有名な監督です。そりゃ、ケンペスやマラドーナを擁していれば、そんなことも言いたくなります。そして、実際には、それはその通りの面があります。正論です。幾ら世界最高の最新のフォーメーションを使ったとて、選手が凡庸なら凡庸なフットボールにしかならず、凡庸な結果にしかならないでしょうからね。そこがフォーメーションの難しい所です。

そして、私。いくら育成年代のサッカーの指導者と言えども、それでもサッカーの指導に携わる者。選手を鍛えるのが何より本業。以前は僕もメノッティに同意見でした。“点を取るのはあくまで「個」。フォーメーションがそれを決める訳ではない”という様なことを言っていた記憶もあります。“フォーメーションなんか何でもええねん。んなことより、お前がどうするか、何が出来るかが大事やぞ！”と子ども達にもよく言っていました。これが１０年ほど前の話なので、まだフォーメーションが試合に大きく影響するとは言えず、あくまでその並びによって多少の特色が出るという程度の理解の時代でした。