見出し画像

きーすの戯言 #96

こんにちは。

今回は「きーすの戯言シリーズ」ではありますが無料で公開です。タイトルを付けるとするならば「プロになる確率論」という事でしょうか。

この内容は僕の質問箱に届いたものです。

質問箱の特性上、誰が送って下さったのかは不明ですが、折角なので、僕が代理で世に放つ事にしました。思考がしっかりしていて、サッカー事情にも詳しく、おまけに痒い所まで考慮されて、数字を計算されているので驚きです。

内容を読めば、つまり「環境によって決まってしまう残酷さ」も浮き彫りな部分もありますが、逆説的には「何処から出て来ても0%ではない」というのも奥深いものです。

是非、読んで行って下さい。

ちなみに原文ママにしてあります。
文字の修正などを加えようかと思いましたが、僕自身がそういうのは好きじゃない。これを送って下さった方をリスペクトして、そのままの記載になります。

以下、どうぞお楽しみ下さい。

こちらの中学校の先生からの質問を読んで、何となく現在公立中学サッカー部出身者が何人くらいJ1のチームにいるか気になり、調べてみました

wikiで確認出来たJ1の日本人選手525人のうち公立中学出身者は35人でした。つまり、J1の日本人選手の約6.7%が公立中学出身ということになります

ちなみに街クラブ・私立中学出身がだいたい4割ちょいで、半分くらいが下部組織出身でした

2023年の第3種の登録者を調べてみると20万ちょいとなっていました。その中で公立中体連の登録者を計算したらだいたい15万人くらいで、J1チームの下部組織の人数は約1800人でしたので、私立中学と街クラブの合計人数は約5万人とみなせます

つまり、1学年辺り、公立中学約5万人、下部組織約600人、私立中学か街クラブは約1万6666人いると出来ます

また、毎年J1リーグには60人前後新人が入団するので、入団する内訳をJ1と同じように公立中学出身6.7%、下部組織出身50%、私立か街クラブ出身43.3%と仮定して計算してみると、J1に入団出来る公立中学出身者は4人、下部組織出身者は30人、私立中学出身か街クラブ出身者は26人となりました

ここで先ほど出した1学年辺りの人数でJ1入団数を割ってみると、中学時代どこにいたら何%の確率でJ1のチームに入団出来るかが出てきます

公立中学
4÷50000=0.00008
0.008%、12500人に1人がJ1のチームに入団

私立中学か街クラブ
26÷16666≒0.00156
0.156%、641人に1人がJ1のチームに入団

下部組織
30÷600=0.05
5.0%、20人に1人がJ1のチームに入団

残酷にも中学時代どのカテゴリーに属するかで、J1にプロとして入団出来るかどうかがほぼ決まってしまっていました

ただ世代の1%未満しか入れない下部組織であっても5%しかJ1のチームに入団出来ない、というのは育成年代の競争の激しさを物語っていると思います

また、J1にいる公立中学出身者の年齢の内訳を見てみると、20代が17人、30代以降が18人となっていて、30代以降が半数以上を占めていました

同様に公立出身を除いたJ1日本人490人の年齢の内訳を見てみると、10代20代が380人、30代以降が110人となっており、30代以降は約22%と公立中学出身者の割合の半分以下となっています

ここから公立中学出身でJ1のチームに入団した選手は才能があるのは当然として、長く現役を続けられている人が多いので、例外はあると思いますが、自分を律し、鍛えあげられる意志の強さを持っている、と言えるので、どこにいてもきっかけさえあればJ1の選手になれたと思います

ちなみに東西のプレミアリーグの公立中学出身者は18人で、メンバー登録者は1チーム30人で24チームあるので720人

つまり、2.5%が公立中学出身であり、公立中学でプレーしていた8333人に1人しかこの舞台に立てません

また、選手権の登録者で公立中学出身者は144人で、メンバー登録者は1チーム30人で48チームあるので1440人

つまり、10%が公立中学出身であり、公立中学でプレーしていた1042人に1人しかこの舞台には立てません

(ただし、遠野高校が25人、今治東高校が16人、名護高校が21人とこの3チームで62人と公立出身者の43%を占めており、この3チームを除いた45チームで割合を出すと6%まで減少し、1830人に1人しかこの舞台に立てない、となります)

公立中学校で部活をしていた生徒がプロになれたり、上の世代のトップカテゴリーで活躍するのは才能、意思の強さ、縁や運などが上手く絡んだ奇跡としか良いようがありません

公立中学のサッカー部で真剣に上手くなろうとしてる子は勝手にやるし、先生にも聞きにくるでしょう

そうでないなら恐らく全くしないし、本業もあるので公立中学の顧問の先生はストレスを抱え込まない程度に指導するくらいでいいのでは?とおせっかいながら思ってしまいました

きーすの質問箱に寄せられた内容

途中まで読んで、周囲に「高校選手権とかならどうなんだろうね?」なんて言っていたら、まさかの高校選手権にまで言及されており、もう完全に参りました。これは本当に凄い内容で、少なくとも誰が読んでも参考になるレベルかと。

プロになる奴は本当に凄い。でも、これを計算した人ももハンパじゃない。世の中には凄い猛者がいるものですね。

ちなみに転用・拡散をしても良いかと質問したらば、この様な返事でした。こちらも非常に興味深い事が書いてあるので掲載しておきますね。

もちろん、ご自由にお使いください

ただ人力で数えたり、少し計算が雑なところもあるので、めっちゃ精度がいいって訳でもないと思いますので、改めて計算して欲しい時があれば教えてください笑

ちなみにこの前お話されていた渡邉りょう選手は渋谷区の公立中学出身という恐らく今後出ることがないであろう23区いや渋谷区内の公立出身のプロなので、中学時代を掘ってお話出来たら中々面白いかと思います

渡邉りょうはヤバいな

僕にとって96という数字は特別で、その96回に皆様に特別な内容をお届け出来て幸いです。無料公開で、より多くの人に読んで欲しいと思っています。お読みなった皆様も、是非、展開・拡散のご協力をお願いいたします!!

ここから先は

0字

ロックンロールプラン

¥1,000 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?