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音は人なり。

我が家系は音楽にルーツがある。

オヤジとオカンの出会いは、
同じ高校の吹奏楽部である。

オヤジは田舎の小さな音楽団の団長だし、
オカンはフルートの演奏者。

そこで生まれた姉は、
4カ国語を操るプロの音楽家で、
趣味は料理、音楽ではなく勉強をやってれば、
東大合格間違いなしで、
超一流の音楽大学院卒で、
海外の大学院も出ていて、
ドイツ語でスペイン語を学んだ天才、
今も現役のプロの音楽家だ。

そして、その家庭で、何故か、
僕だけサッカーをやっている(笑)


姉が言うには、
音楽の才能だけなら、
僕は超一流の音楽家並みだそう。

高校生の時にお風呂で鼻歌を歌っていたら、
当時、大学生の姉が、いきなりドアを開け、
「歌ってんの、あんたやんな!
やっぱりあんた、天才や!
音楽的な何の練習もしてないのに、
ウチの音大生と互角以上やで!」と。

いや、もう恥ずかしいから、ドア閉めて(笑)

さて、ここからサッカーの話。

音楽の話は、要は僕の幼少時代、
身近に音楽があったと、
それが言いたかっただけ。笑

サッカーと音楽が繋がる話は、こっから。
ここ5年でサッカー界の流れは大きく変わった。
それは紛れもない事実だと思う。

マジでよく分かんないよねぇ〜。
カンセロ、お前、どこにおんねん?
ジョーダン・ヘンダーソンって、
センターバックなの?
冨安健洋ってサイドバックなの?
やんなっちゃうよね。

で、とりあえず、
分かりやすい様に、
理解を高める為に、
10年前以前に戻ってみよう。

国ごとにサッカーのスタイルがあった頃に。

かのフィデル・カストロは生前に、
こちらも亡くなったディエゴ・マラドーナに、
「キューバはサッカーが強くなるか?」
と聞いたそうですよ。
エル・ディエゴは“強くなる”と答えたそう。
その理由の一つに“独自の音楽がある”と、
そう答えたんだって。自伝に書いてる。笑

つまり、そういう事なのだ。

サッカーは音楽なのだ。

サッカー列強国は音楽が盛んだ。
独自の音楽がサッカーのリズムを生む、と。
(格闘技が強いという説もある)

代表例はブラジルのサンバだ。
まさにブラジルはサンバのリズムで攻めて来る。
ロナウジーニョなどは誰がどう見ても、
サンバのリズムの怪物でしか無い。
あの揺らぎ、つまりジンガは、
ロナウジーニョの真骨頂だ。

次いでドイツ。クラシックだ。
最近は違うとはいえ、
ビアホフ以前は完全にクラシックだ。
ミヒャエル・バラックもそうでしょ?
重厚で硬く壮大でパワフル。
ダダダダーーーーン!
うーん。それってクラシック。

それに比べてフランスは軽妙だ。
シャンソンだからだろう。
お洒落で軽やか。
まさにいつぞやのシャンペンサッカーだ。
ミシェル・プラティニの華麗なプレーに、
アラン・ジレスのもっと軽やかなプレー。
まさに軽やかなシャンソン。

イタリアのオペラは、まさに、だろう。
威厳と格式と風格に満ち、
厳かで揺るがない雰囲気はカテナチオそのものだ。
パバロッティのハイパワーヴォイスは、
何者も寄せ付けない。最強の守備と同じだ。
マルディーニ、ブッフォン、
カンナヴァーロ、ネスタ。
最強に堅牢なオペラ。

アルゼンチンのタンゴもそうだ。
世界トップレベルに情熱的。
一目散にゴールを目指す。
マラドーナもメッシもサビオラもアグエロも、
ダレッサンドロもディマリアも、皆、同じ。
前線のカニーヒアとバティとクレスポも同じ。
直情的に情熱的に一直線だから、
スピードの落ちる、またぎ系のフェイクはしない。
腕で掻き分ける様に直進するドリブル、
情熱的過ぎて、
身を滅ぼす危うさのあるタンゴのリズムだ。

スペインはティキ・タカ。
ここぞまさにフラメンコ。
華麗なる踊りは相手のプレスを掻い潜るパスワーク、
その音は軽やかなステップワーク、拍手。
カンカンカンカンとリズミカルに、
甲高く響くカスタネットは、
まさにティキ・タカと同じ音。
カンカンカンって、僕も現場で言うよ。

イギリス?そりゃビートルズでしょう。
単純でメロディアスなリズム、
万人向けのローリスクなロングボール。
3つのコードさえ知っていれば演奏出来る。
キャッチーで、分かりやすい。
そして更に馬車馬の様に走り回って戦う姿は、
まさにリバプールの労働階級さながらだ。

オランダはよく知らない。
ただ皆が円になって演舞する踊りはあった筈だ。
無学なので名前すら知らないが、
でも独自の音楽だろう。
誰か知ってたら教えてちょ。

我々、日本は?
現代は違うとは言え、昔は、盆踊りだ。
ゆっくり、軽やかに、歩いて、踊る。
野洲高校が高校サッカー屈指の人気を誇ったのは、
実はこの盆踊りの気質だと思っている。

ちなみにセゾンFCと関西大会を戦っている時に、
ベンチで「コレは“盆踊りのリズムだ”」と、
そう言った指導者は、実は、僕なんだけど(笑)

現代の日本では、もっとせっかちで、
もっと和洋折衷だろうな、と思う。


僕の中では矢沢栄吉のリズムなんだ。


西洋の王道ロックを基軸にしながら、
時にしなやかなバラードを決める。

日本が代表で上手く回っている時は、
矢沢永吉のリズムで攻めている時だ。
堂安の南野と三笘が噛み合って、
シャケなベイベー、ロッケンロー!!
ってなったら、それ、素敵じゃない?

そうやって、音楽に例えられた。

でも、今では、時が経ち、
ユルゲン・クロップが、
自身のフットボールに対して、
ヘヴィメタルフットボールと呼んだ。
まさにそうだと思った。

実はせっかちな日本人には向いている。
盆踊りとは全く違う気質だが、
東京なんかを考えて、
時間に追われ、
24時間働く如くなサラリーマンを想像すれば、
あくせく忙しく働くんだから、
実はヘヴィメタルも得意なんだろ。
香川真司がハマった理由もここにあるかな?
とにかくめちゃくちゃ頑張る。
理屈を超えたハイテンポな生活。

サッカーはパスとかドリブルが、
それらを構成するのではない。
ペースが支配する。
リズムが決定付ける。

僕は自身は、
未だに盆踊り路線をやっているとは言え、
目下の所、日本人のリズムは、
当分は和洋折衷の矢沢永吉じゃないかと。

ある意味じゃ、普通だけどさ、
でも、なんて言うかさ、
世界に通用しそうではあるよね。

俺達のYAZAWAだよ?
やっちゃう?
世界に勝っちゃう?
挑戦しちゃう?
成り上がっちゃう?

金持ちになりたい、
有名になりたい、
女にモテたい、
ワールドカップに優勝したい。

勝てないのは誰かのせいじゃない。
自分の責任よ。
誰かのせいにしちゃダメ。

そこんとこ、よろしくっ!!

って、言えなくもない。


でも、本当はなんなんだろうね?
現代では何を選ぶべきなんだろうね?

その思考の歩みを忘れちゃ行けないんだろうね。

ペップも、クロップも、
トゥヘルも、ナーゲルマンも、
アンチェロッティも、コンテも、
皆から学べば良い。

でも、俺達の音楽ってなんだろうね?
ベースになるリズムはなんだろうね?

時に、振り返る場所があって良いと思うんだよ。
皆にも、考えて欲しいな。

よろしく!!

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