餃子の王将の料理人
実家のすぐ側に「餃子の王将」がある。
そこの店長はずっと変わらない。
ウチの親父とも顔馴染みだ。
結構、好きで、幼少の頃からご贔屓です。
で、僕はここ10年間、
サッカーの指導者をするにあたって、
あの店の社員をイメージしている。
僕は「餃子の王将」の調理人だ。
扱う素材は、以下の通り。
普通の米に、普通の人参に、
普通の玉葱に、普通の海老に、
普通の卵と、普通の焼豚です。
それを上手いこと炒めれば、
コレが美味いチャーハンになるんだ。
時には、絶品の一品にもなる。
時々、一流の食材も回って来る。
馬鹿な奴等は、それを自分で弄くり回して、
ダメにしちゃうんだよね。
役割を間違ってる。
高級食材は高級レストランにお任せしよう。
僕は、あくまで、そこそこの食材で、
そこそこの料理を作って、
時には、高級料理より美味けりゃ、上等なんだ。
勿論、お店を展開しているんだから、
店味であって、家庭の味には負けられない。
その為には、少なくとも家庭よりも、
品質の良い食材も必要になるだろう。
当然、料理人の腕も同じこと。
正社員だろうが、非正社員だろうが、
ウチのオカンの腕前には負けられない。
そこそこの食材であれば、
突き抜けた調理法、
こだわった調理法も思い切って出来る。
逆に高級な食材であれば、
王道の道を行った方が良い。
だって素材の味を活かせば良いだけだから。
そこにはそこの調理法があると思ってる。
でも、そこそこの食材を使って、
高級食材と同じ王道の調理方法では、
そりゃ高級食材の味には勝てないよ。
これも本当だ。
これを間違っている人は多いんだ。
同じやり方なら、
素材が上の方が勝つよ、そりゃ。
例えば、勉強の話に例えてみよう。
例えば勉強方法も、その難易度も、
段階とレベルに合わせるべきだ。
若くて賢い有能なサッカーオタク先生は、
地方のそこそこの公立高校の生徒に、
東京大学Ⅲ類の勉強を教えたがる。
それより前に教えるべき事があるでしょう?
とりあえず数学I・Aから教えるべきだ。
だってそこそこの高校だぜ?(笑)
それをやって積み重ねて行けば、
数年に一人ぐらいは、
灘高校と同じぐらいの偏差値の生徒も出て来る。
その時には、彼には、
そういう勉強方針を与えれば良い。
そこそこの公立高校でも、
東大・京大もたまに出る。
でも、多くは地方の国公立とか、
そこそこの私大だよ。
それで良いんだもの。
そういうレベルが求められているんだもの。
大学受験ではそこが目標になって来る。
ハーバード大学に行く必要はない。
勿論、行ける奴は行けば良いけどね。
それって、つまりは、料理も同じってことで。
高級食材ならではの素敵な調理法もある。
温度や湿度管理で、
どこかに大切に保管するとかね。
でも、そこそこの食材なら、
まずは泥がついてて、たまには虫もついている。
まず、水洗いから、やるしかない。
本当は伝説の包丁と、
世界基準の素晴らしい鍋と、
世界の調味料を使いたくてもさ。
ところが、今の世の中はクレイジーなもので、
目の前の鼻水垂らしたアホ面の子どもに、
ハーバード大学のメソッドを教えている(笑)
ましてや小学一年生とかに。
年齢もレベルも、一切、考慮なしで。
ただ、ここで断っておきたいのは、
個人的には「立ち位置を知れ」って、
あの言葉は大嫌いだと言うこと。
あれは人間の成長を制限する呪いの言葉だ。
それはダメだ。
そこそこの食材が、ダメな食材になってしまう。
それは違う。ここは理解しておいて欲しい。
良い食材が、最高級に化けることも起きる。
ここは人間と食材には、
違いがある事も忘れちゃいけない。
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