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東大入試問題作成の裏側

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東大の入試問題には、東大受験生に限らず、予備校や学校関係者に至るまで多くの方々が注目する。最高学府の名にふさわしい問題をつくらねばならない分、作成担当となった教員は血尿が出るくらいの重圧にも苛まれるという。

東大生物の入試問題をご覧になられたことはあるだろうか。生命科学系の研究室にはいくつかあり、入試問題の作成を担当することとなった研究室はトップシークレットではあるものの、箝口令にも近い「空気」が初夏を過ぎたあたりで周辺には感じられ、おそらく、あのテーマを出してくるなというのはわかるのだ。

生物に限らず、世界史や日本史や地理に関しても出題した教官が誰かは東大関係者であれば問題を見た瞬間にほぼ特定できる。御自身の研究テーマを入試問題に反映しやすい科目だからだ。2020年の近代東アジア世界の秩序に関する大論述が世界史の第1問で出題されたが、東大生ですら作成教官がどなたかに気付いたそうだ。守秘義務もあるので、ここでは詳述を避けたいが、東大入試が情報戦と言われるのには理由があるのだ。

一方、数学や物理は研究テーマを投影するというよりは、

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