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1,000円の壁

日本のラーメン屋さんには1,000円の壁があるらしい。意味はそのまま。なのでほとんどのラーメン屋さんでは、オーソドックスのラーメンが970円とかで売られている。
余談だけど10円単位で電子マネーが使えないと非常に迷惑ではある。

自分が行く時は、チャーシューをつけたり卵をつけたり、体調が良ければ全部盛りにしたり、休日ならビールもつけちゃったりする。値段にすると1,800円くらいとか。

海外でも日本のラーメンは人気だ。一風堂をはじめ海外進出している企業は多いし、現地で頑張ってる日本人もいるし、中国人が日本食屋をやっていることも多い。海外に行くと1~2食は日本食を食べるようにしている。ラーメンはもちろん、鮨や天ぷら、焼肉なんかもある。初めてカリフォルニアロールを食べた時にはむしろ日本の寿司より美味いのではないかと思った。

ことラーメンについては、1000円の壁は外国では見かけない。それは日本でもイタリア料理がまぁまぁするように、単純に比べられるものでもないのかもしれない。なので1000円という額よりも、その提供スタイルが大事なのかもしれない。上海、フィリピン、シンガポール、ロサンゼルス、ニューヨークなどでラーメンを食べて、これなら勝てるんじゃないと妄想した時期があった。行った店はいずれも値段はまぁまぁするが、日本のラーメン屋のようで、味はそれほどでもない。現地向けに特別なアレンジがあるかといえば、競争優位になりそうかどうかという視点ではあまりない。
ならば、自分ならこんなラーメン屋を…と思ったことは1度や2度ではない。しかしいずれも、従来の日本のラーメン屋の延長線上というか、海外向けアップグレード版くらいにしか考えていなかった。それも、エコノミーからプレミアムエコノミーくらいの。

マンハッタンで今1番人気のあるラーメン屋は屯ちんという店らしい。まずはビックリ、予約が基本である。最近は物価高騰も相まって、夕方にパブで数杯飲むことも難しかったのでホテルの部屋でビールを少し飲んでから、ダメ元で少し早く店に到着した。

なんとバーカウンターがある。ラーメン屋に?ラーメン屋に。待ちながら2杯ほどビールを飲みつつ店内を見渡すと、どうやらドレスアップしているお客さんもチラホラいるようだ。ラーメン屋で?ラーメン屋で。
待つこと20分ほど、ようやく席に通されてメニューを見る。いやメニューの前に気づいたのは、非常に開放的なオープンキッチン。なかでスタッフさんが忙しなく働いている。

そしてメニュー。前菜の枝豆や餃子はわかる。サラダがある。18ドル。マグロのメニューもある。マグロがメインのサラダのようだ。27ドル。おにぎりもある。チャーシュー、うなぎ、エビ、梅。7~9ドル。さらにバンズというカテゴリでつくねやフライドフィッシュがある。17ドル。
ようやくラーメンのカテゴリにきた。つけ麺、まぜ麺まであるではないか!だいたい22ドル。
そしてデザートにはかき氷。17ドル。

2人で、ビール2杯、手羽先6つ、キムチマッシュルーム、つくね2つ、ビール3杯おかわり。シメはもちろんラーメン。普通のとんこつラーメンだ。もちろん不味くはない。しかし特別美味いわけでもない。というか普通に美味しいという感じ。

回転率が違うからもちろん直接比べるものではないけれど、自分がマンハッタンでラーメン屋をプロデュースできるとなった場合、こんなお店を考えただろうか。

1時間ほど食べながらそんなことを考え、膨れ上がったお腹と伝票を持って店を後にした。

メニューはこれ
https://www.tonchinus.com/menu_nycla

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