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Metropolitanoのない五月

二年前の今日、
ここBuenos Aires では Campeonato de baile de la Ciudad (通称 Metropolitano) と言われるタンゴの大会の決勝が行われれました。

Metropolitano大会とは、Buenos Aires市主催で毎年5月に行われるもので、優勝者には8月の世界大会へのシード権が与えられる、いわば世界大会の予選のようなもの。


私個人としては、2016年から毎年参加していて、2年前の2018年にMilongueros del mundo 部門で5位入賞という結果をいただきました。

フロアに入る瞬間から、何か違っていた。
“すごいことになってるな今日の私!”
今まで感じたことのないエネルギーが2人の間から出ているのがわかった。

一歩踊り始めた瞬間から、今まで経験したことのないパワーと、初めての感覚に感動した。

当時の日記を読むと、今でもその時の感覚が鮮明に蘇ってきます。
この年は、準決勝、決勝ともに本当に素晴らしい日々でした。

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[Metropolitano大会2018 Final/categoría Milongueros del mundo] 

  


今年は、このMetropolitanoだけでなく世界中の大会が中止となっています。八月の世界大会も開催はないだろうと思います。
毎年ずっと続いてきた大会、今回の中止は本当に残念です。


さて、
タンゴの大会にといえば、賛否両論をよく耳にします。
タンゴは競うものじゃない、
大会の踊りはタンゴではない、
…等々。


私個人としては、
大会は、悪いことではないと思います。

人それぞれに
いろんな楽しみ方、いろんな踊り方があっていいんじゃないかな。そのほうが楽しいよね、と思います。


私の場合、

観に来ていただいたお客様に最高の踊りを踊ること、

これは私の仕事のうちの一つですし、
私がやりたいことであり、私にとって楽しいことです。

そのための練習や身体作りはもちろんですが、

緊張と興奮が混ざり合う中で、常に自分の最高の踊りを引き出すためには、やはり経験も必要です。

そして、エキシビションや大会という小さなスパンでのゴールを設定しその目標に向かうことで、自分の成長をより具体的にできます。

また、大会では
普段ならこんなに集まることはないであろう 沢山の素晴らしいダンサー達と出会い、彼らと時間を共にすることで、多くの刺激をもらうことができます。

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[Metropolitano大会2018、決勝の舞台裏で。/categoría Milongueros del mundo] 


もちろん、大会に出るからには結果は大事です。
ですが、大会には結果だけではない大切なものも沢山あります。

今年、大会がないのはとても寂しい。


Metropolitanoのない五月は変な感じ。


あのなんとも言えない独特の雰囲気、熱気…



来年はきっと。



[La Tupungatina / Osvaldo Pugliese 
この曲がかかると、今でもこの瞬間を思い出す]


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