とある日の俺の話

褒められてはいけない時に褒められると逆に反省する。
人間そんなもんだよなぁ。

先日ちょっとした口論になり、つい冷蔵庫を蹴り壊してしまった。
娘が録画したドラマを溜め込むので「さっさと見ろ」と言ったら「あんたこそ見なさいよ！」と嫁に言われてキレたのだ。

HDDレコーダーの中身の95％は俺がまだ見ていないバラエティー番組。
正論中の正論だ。
何も言わぬ嫁に何も言えぬ俺。

嫁が買い物やら洗濯やらの準備をせっせしてる中、黙々と冷蔵庫を直していた。
というか、先日誰かが冷凍庫の製氷機壊して直したばかりだというのにまた修理だ。

「ほい直った」
「はいはいお疲れ様。この冷蔵庫も頑張ってるよね」
「まだ頑張ってもらわないとな」
「そうね」と笑った。

まだお昼を回ったところだけれど、直したご褒美の第三のビールを貰う。
そして嫁は買い物に向かった。
今日の嫁は2時から仕事。帰ってくるのは夜11時頃。
だから昼のうちに晩御飯の買い物と準備をしなければならない。

酒を飲みながら嫁が出かけるのを見届け、俺はのんびりyoutubeを見ていた。

今日はジンギスカン。
玉ねぎとピーマンを切っていてくれると助かると言っていたような気がする。
でも俺は忙しい。見ようとしていた動画が溜まっているのだ。
HDDレコーダーの二の舞はしない。

そうこうするうちに嫁が帰宅した。
玉ねぎとピーマン切りそびれた。素直に謝る。
「玉ねぎとピーマンまだ切ってないわ。ごめん」
「あ、やろうと思っててくれたんだーありがとね」

そういって袋から第三のビールを2缶出してきた。
「ほい！えらいからあげる。ジンギスカンはやっぱり酎ハイよりこっちの方がいいと思って」
「いやビールも酎ハイも昨日俺買ってきてるよ？」
「でもそれ昼用でしょ？」
「・・・うんまあ」

なんだか腑に落ちない。
これでいいのか俺。
ま、いいか。

そう思いながら缶酎ハイも開ける。
昼から酔ってうつらうつらしながらいそいそと仕事に出かける嫁を見送った。そのまま気がついたら午後5時まで昼寝してしまった。

午後5時半。
渋々仕事を始めるも、酔いが残っているし面倒なので適当に終わらせる。
お腹も空いたし午後6時半、自主的に終了。

子供らとジンギスカンを食べながら買ってもらった第三のビールを全て飲み干す。
美味しいけど全然足りない！と憤怒。

買い物に行くか、すすきのに行くか、知り合いの女の家に転がり込むか？

昼から酒飲んで下半身もムズムズするから（毎日のことだが）後ろの2つが良さそう。
子供さえ作ってこなければ多少の女遊びは許されている。

だが今日はぐっと堪える。
冷蔵庫も壊しちゃったり料理の準備もできなかったもんな。
しょんぼりしながら酒を買って帰宅。
すぐに帰ってきたので子供らからも褒められた。

酒を飲みながらゴロゴロしているとようやく嫁帰宅。
遊びに行かず酒だけ買って帰ってきたことを褒められ「よしよし」と笑ってチンチンを撫でられる。なぜかお小遣い千円くれた。

風呂に入らなかったので嫁に頭と体を洗ってもらう。
高校卒業してから自分で自分の体を洗ったことなんて数えるほどしかない。
すすきので洗ってもらうか、どこかの女に洗ってもらうか、彼女や嫁に洗ってもらうか。

身体が硬いのもあるけれど、爪が尖すぎて自分の体や頭を切ってしまうのだ。仕方ない。

「む？2日ぶりだけどやけにシャンプー泡立つぞ～？」
ドキッ！
「爪も切ってある」
ドキッ！俺は爪も自分で切らない。
「まあちゃんと帰ってきたからよしよし（笑）」
ホッ・・・（笑）

お金もあまり使ってないことも褒められた。
そりゃまあ使えるお金もないし、遊んだとしても風俗嬢の奢りだったりするしね。
水商売のお姉さんの奢りで飲み食いして、お姉さんにタクシー乗せてもらって帰ってきてた男だもの。その辺はまあ・・・ブサイクな顔でも口八丁手八丁で。

高校時代も自販機の横で「俺もジュース飲みたいんだ！」って知らない女達に話しかけて3年間毎日飲み続けてたくらいだしな。
最後にゃ「あたしが面倒見るから！」っていう後輩の女の子もいたくらい。
名前も知らないのにありがとう。

こんな感じで一日が終わった。そしてそれを書いてみた。
普段よりは真面目に過ごしたつもりだけれど、何か俺は褒められ過ぎなんじゃないか？と疑問に思った。
実は嬢や知り合いの女達からの扱いも一緒だ。

もしかして「悪い奴がちょっとまともな行動をすると褒められる」パターンなのでは？？

そう考えるとなんとも言えない恥ずかしさがこみ上げてきて、大いに反省。

そして昨日、大いに反省し「いつ帰るの？」という嫁のLINEに「もう帰る」とすぐにLINEを返した。ラブホから・・・。
いや岩盤浴があるっていうし奢ってくれるっていうから！

家に帰るなり「お風呂入るよ準備してー」という嫁。
「あ、今日はいい」と断ると「うん？！なんか顔がツヤツヤしてると思ったら！」と呆れられた。

まあそれが普通なのかと納得。
お詫びにアメニティーの安全剃刀と歯ブラシ（使用済み）をあげた。
喜んでくれてよかった。

結論
ヒモはワガママだが褒められがち。
そしてペット感覚なだけでモテているわけではない。