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チームメンバー以外はみんな敵〜情シス目線のプロジェクトマネージメントTips#33

世の中にプロジェクトマネジメントに関するコンテンツは非常にたくさんあるのですが、よく見てみるとどうしてもSIer目線のものが多いように思えます。SIer目線の場合だと、どうしても利害が一致しないせいか事業会社というか情報システム部門目線から見るとピンとこないものも多く、ちょっと腹落ちしないことが多くあります。
というわけで無いなら作ろうということで「情シス目線のプロジェクトマネジメント」なるものを書いてみようかと思い不定期だとは思いますがシリーズ的に書いていこうと思います。

今回は同じプロジェクトのメンバー以外の誰かにものを頼むときの落とし穴について話をします。

たまに出てくる外部への依頼タスク

システムの開発を行っていくと、たまに出てくるのが「チーム外への依頼タスク」です。単純なアプリの強化であれば、チーム内でだいたいのタスクがこなせるのですが、インフラの追加とか外部システムとの連携とか、たまに自分たちのチームと別の人達への依頼タスクというものが出てきます。外部のベンダーであったり、違うプロジェクトだったり、別のシステムの運用や保守をしているチームとか頼む先は様々なものがあります。

こういった場合、たいていは所定の手続きを踏んで「普通に」タスクを依頼している場合が多いのではないでしょうか?

やってほしいこと・仕様、必要時期、期限を伝えて、「お願いします」と伝えるだけというのが、多いのではないでしょうか?

突然牙を剥く外部依頼タスク

しかしながら、外部への依頼タスクというものは非常にリスクを孕んでいます。なんせ自分たちのマネジメント体制の外なので進捗状況が見えません。あまりしつこく進捗を確認して気分を損ねてしまったら、次のお願いは聞いてもらえないかもしれない〜そんな感覚もあり、デイリースクラムで確認することもなかなか出来ません。よって外部へ依頼したタスクは見えにくくなります。

そんなこんなしていると、突然の納期遅れを宣告されたり、仕様を間違えていたり、こちらにとってあまり重要でない部分の品質に拘って時間を浪費してしまっていたと・・・・なかなか思いがけないような事態になってしまったりします。

チームにとってものすごいリスクなのですが、頼んだ先のチームの管理サイクルが長い〜典型的なウォーターフォールチームだったりして、なかなか自分たちのペースとは合いません。でも自分たち以外の人たちのマネジメントのやり方にケチを付けるのはなかなか難しいです。

というわけで「きっとちゃんとやってくれるでしょ」と現実を見ないで油断してしまうのです。

自分たち以外はみんな敵

こういったことに適切に対応するための心構えは

チーム以外はみんな敵

と思うことです。なぜなら外部チームの彼らは自分たちのチームの成功なんてたいして興味がないからです。彼らには彼らの都合もあり、優先事項があるからです。あなたのプロジェクトがどうなったところで彼らには全然関係ないのです。敵意はなくても興味もないのが普通なのです。

もっと興味を割くタスクがあったり、もっと別なことで切羽詰まっていたり、そもそも仕事を一生懸命やっていなかったり・・・・少なくとも、自分たちのチームのために働く保証や義理なんかまったくないのです。

これは相手が悪なのではなく、とても当たり前のことなのです。

だから「チーム以外はみんな敵」なのです。

敵にどう立ち向かうか?

では敵をどう打ち負かすのか?

いえいえなにも打ち倒す必要はありません。倒したところで自分たちが頼んだタスクは消化されません。むしろ、さらにやってくれなくなります。

たしかに敵だから、監視したり牽制したりすることもそれなりに効果はあります。しかし、自分たちのタスクもあるのでそんなに相手に関心を向けるわけにも行きません。

ではどうすればいいのか?

敵なんだから味方にすればいいのです

現在は敵ですが、ちゃんと努力して味方にすれば良いのです。

具体的にはちゃんと自分たちのプロジェクトの目的や背景を相手に説明して共通の認識を持ってもらうのです。

ついつい時間がなくて必要最低限の事項である依頼内容や納期だけを伝えてしまいがちですが、ちゃんと時間をとって新メンバーを迎えるがごとく、きちんと自分たちのチームがやっていること、その意義や期待される成果、そしてそのプロジェクトにとって、頼む内容がいかに重要なのか?そして絶対にゆずれないこと、譲れることをきちんと説明し・・・・まずは自分たちの思いを開示し、そして味方になってもらうことをちゃんと時間をとってお願いするのです。

相手にお願いすることは「タスク」ではなく「味方になってもらうこと」なのです。たしかに忙しいかもしれませんが、あとで起きる問題に比べたらたいした時間ではありません。しっかりと想いを伝えて味方にすべきなのです。

改めて自分たち以外はみんな敵

まとめとしてはキーワードは「チーム以外はみんな敵」です。

正式に頼んだからちゃんとやってくれる

ドキュメント内容をしっかり把握してくれる

そんな甘い考えは捨てて、ちゃんと敵を味方にする努力を惜しまないようにしましょう。





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