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ITツールの「くくり」

この記事はRPACommunity:RPAに関するよもやま話 Advent Calendar 2020の記事として書いています。

・・・思い出す

このあいだ、とあるITツールのユーザー会にオンラインで参加していたのですが、その中のユーザーによる事例紹介かなんかで、ある登壇者がこういうことを語っていました。「最近会社が〇△◇というツールを正式に採用したので、このツールの新規利用ができなくなったんですよぉ」・・・・ユーザー会の中ではちょっと悲痛な叫びだったのですが、それはいいとしてもこの言葉でず~~~~~~~~っと前から何となく思っていた違和感を思い出しました。それはITツールの「くくり」に関する違和感です。

「くくり」の定着

カテゴリと言ってしまえばいいのかもしれませんが、ここではあえて違和感を込めて「くくり」と表記します。これは例えばSlackとTeams、LineWorksであれば「チャットツール」であるとかTableauとMotionBoardやQlikは「BIツール」、UiPathやWinActorやAutomationAnyware、PowerAutomateは「RPA」といった製品やサービスのくくりのことです。そして、なにか製品の導入を考えるときについつい「チャットツールはどれにしよう」なんてこの「くくり」の単位で物事を考えてしまいます。・・・・それって本当に正しいのかどうか・・・・ここにず~~~~~っと違和感がありました。

かつてITツールがすべてオンプレで買い切り、サーバ単位課金の時は会社の中でおなじ「くくり」の中でツールは一つといった制約があったと思います。そもそもそんなに使えるツールの選択肢はなかったですし、あと、ツールの用途によっては同じ「くくり」のものは統一して使わないと情報がバラバラになってしまうというマイナスもありますのです。そしてすべての情報が企業内でクローズされていた時代にはサポートの都合上、あまりたくさんのツールは使えないという事もあったでしょう。そういった中で同じ「くくり」のものは企業内でひとつという考え方が定着していたと思います。

その「くくり」は正しい?

クラウドの登場により、自分たちの選択肢はものすごく増えてきました。大手製品だけでも複数の選択肢が選べるようになりました。そしてそれぞれの製品やサービスが機能の充実により差別化しようとさまざまな特色を持つようになりました。そういったなかで「くくり」が現実に合わなくなってきています。身近なところで見るとTeamsとSlack、そしてZoomは同じものですか?すべてのRPA製品は同じ土俵に立っていますか?同じ物差しで正しく測れますか?TeamsがあったらZoomは全くいらないですか?RPAはUiPathさえ入れたら他は不要ですかねぇ。・・・・特にいろんな部署がある大きな会社の場合、使い方が違ってくるケースがあると思います。BIツールを使っての分析する領域、使い方、RPAツールを使うときの自動化の対象業務・・・などなど使うビジネスシーンが違っているのに無理やり同じツールを使っていませんか?

その「くくり」って本当に正しいですか?

期待値と「くくり」

ここで少したとえ話をします。たとえば会社で「車」を買ったとします。ものすごく高い「車」を買ったとします。「車」を買ったんだから、この巨大な荷物は「車」で運べと社員に言いつけます。・・・でも買った「車」はフェラーリだったら巨大な荷物は運べません。

またあなたが野球チームを経営していたとして、「メジャーリーガー」を高い移籍金を払って雇ったとします。「メジャーリーガー」なんだから特大ホームランを期待するぞ!!と張り切ってみたものの、雇った「メジャーリーガー」はピッチャーでした。

「くくり」間違えるとひどい事態ですよね。

幸いにして今の時代、サービスを使うのはアカウント課金だったり、利用課金だったりします。社外に使い方を学ぶ場所もたくさんあります。以前ほど複数のツールを使うデメリットは少なくなっています。もちろんバランスは考えないといけませんが、我慢して使う事は出来るだけ避けて本来のビジネスの目的を果たしたほうが会社にとっても社員にとっても良いですよね。

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