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ANNORMAL ~安野モヨコ展に行ってきた


秋の四連休の後半に世田谷文学館で行われていた安野モヨコ展「ANNORMAL」に行ってきました。元々はもっと早く開催される予定でしたが、コロナウィルスによる緊急事態宣言をうけて、宣言が明けた7月からこの9月22日(火・祝)まで開催されることになりました。近所という事もあり、行ってみたいなとは思っていたのですが、場所的に「何かのついで」ということも出来ず、ついつい先送りしていたらもう最終日が迫ってしまいました。最終日は予約取れないであろうと、その前日に予約をして展覧会に見に行きました。

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世田谷文学館は世田谷区烏山、都立の芦花公園の北側の住宅街の中にある文学館といったもので、たとえば絵本展などの文学を中心とした展覧会が開催される美術館としては少しこじんまりとした感じの施設です。

今回の「ANNORMAL」はコロナウィルスの感染予防策として完全予約制。昨日予約を取って、少し早めに到着したので館内をぐるっと回って、施設内の喫茶店でちょっと休憩。ロビーも安野モヨコ一色といった感じでいろいろディスプレィされていました。

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時間が来たので、さっそく二階にある展示室に向かいました。そんなに混んではいませんでしたが、受付の前には数人の人がすでに待っていました。

会場は普通の美術展よりも空いてはいましたが、ガラガラという事はなく、それなりの混雑でした。男女比は2:8くらい。やはり女性ファンのほうが多い。展示内容は作品別に大きなパネル、直筆のイラスト、生原稿が展示されている構成。漫画系の展覧会だと普通な感じ。でも壁に架けられた生原稿を間近に見ることが出来てちょっとうれしい。まだ鉛筆で書いたセリフも残っていたり、ホワイトの修正あとなんかもあって、ホントにリアルに作画の様子を見ることが出来ました。

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安野モヨコさんの作品って女性誌から講談社系の青年誌など掲載される雑誌のジャンルの幅が広いので一気通貫で追いかけて読んだ人ってなかなかいない気がします。

自分自身も読んでいた雑誌に載っていたので読んでいたというくらいで、単行本を買い揃えたりはしませんでした。

それでも気になっていた漫画家さんの一人ではあります。

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安野モヨコさんの自分にとっての魅力はその絵とキャラクター。

まず絵について書きます。

安野さんのタッチって女性作家らしくものすごく細い線で描かれており、ものすごく緻密といった印象です。しかしながらその細やかな線の中にすこしだけ良い意味での雑さを垣間見れることです。今日はそこをまじまじと見てしまいました。そういったものが単なる「綺麗な絵」というだけでなく、どこか生々しいというか息遣いみたいなものを感じることが出来るのだと思います。特に彩色は手書きという事もあり微妙なムラみたいなものがあり、それが緻密な線と相まって独特の画風を作り上げてると(勝手に)思います。

単に絵がうまいというよりも、こういったセンスって単なる訓練では向上しないものだと思います。こういった微妙なところがセンスであり、才能のある人とそうでない人の違いなのではないでしょうか。単に上手下手だけなら下の写真にあるくらいの絵を描ける人はたくさんいますが、そこから独自のキャラクターを描けるまでの人ってなかなかいないです。

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だから、こんなタッチの時でもすぐに「安野モヨコだ!」ってわかるんですよね。

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そしてキャラクター

安野モヨコさんの作品に出てくるキャラクターって「どこか壊れた感じの人」今回の展示会のテーマも「アンノーマル=普通じゃない」ですが、普通の人のようで、心のどこかがぶっ壊れている感じ。(これも勝手な思い込み)考えてみれば好きな漫画作品ってだいたいキャラクターがぶっ壊れているものが多いなーなんて思います。

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でもこの世の中の人ってよく見るとぶっ壊れている人が大半(これも勝手に決めつけている)「働きマン」の中にこんなシーンはありましたが、最近の話題にもつながる鋭い視線ですね。


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よく見たらコマ割りもかっこいい


といった感じで感想というか妄想を書いてしまいましたが、この「ANNORMAL 安野モヨコ展」の次の開催地は仙台文学館での開催となるらしいので、宮城県周辺の方はぜひ見に行ってきてください

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