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会計士試験合格。入社までに何をするべきか?(新卒向け)


はじめのご挨拶

こんにちは!お久しぶりです!KEITAです!

先日、会計士試験合格発表を終え、早くも昨年の合格発表から1年が経過しているのだなと思うと感慨深いです。

合格された皆様、本当におめでとうございます!

私は合格当日はなかなか実感が湧かなく誰に祝福されても、「俺って本当に受かったのかな?」みたいな漠然とした達成感しかなかった記憶です。ただ監査法人から内定をもらって1週間もすると、入所手続やら、入社手続やら、入会手続やらで途端に忙しくなった記憶があります。そのときにやっと受かったんだなという確信と、とうとう社会人かという気持ちになったなと今でも覚えております。

手続周りは本当にややこしいですよね。。。
今では各手続どんなことを行ったのかよく覚えていませんが。笑

書類多過ぎ!って思っていました。笑

絶賛、頭がごちゃごちゃになってる方は下記をしっかり整理できると資料の提出漏れなどが防げると思います。

・入所 ~ 実務補習所の入所
・入会 ~ 公認会計士協会の準会員会への入会
・入社 ~ 監査法人入社

これらの3点の中でも資料提出する先が一緒のものがあったりするので、今どの書類を用意しているのか意識すると大分ややこしい書類準備もクリアになるのでオススメです!

さて、そんなところで、今回のテーマとしては、会計士試験に合格された方々(新卒向け)にどのようなことを入社前までに何を身につけるべきか、勉強すべきかということについてお話したいと思います。

昨年の入社前の私はとても不安でした。タイピングも遅ければ、Excelの基礎もろくになっていなかったので。。。「このまま職場に出たら、監査以前のところで問題がありすぎる。。。」と若干震えておりました。笑
そんな当時の私の悩みに答えるつもりで、「最低限これができていれば大丈夫かも!」といったことについてお話しいたします。

同じ悩みを持っている方は是非参考になれば、とても幸いです!

優先的にやるべきことは?

さて、本題に入りますが、実務に出る前にやるべきこととしてどのようなことを思い浮かびますか?

当時の私を思い出すと、いろいろやるべきことを思い浮かんでは何をどこまでやるべきか悩んでおりました。クライアント理解?、Excelの関数?、ブラインドタッチ?、業種別の会計基準理解?、ビジネスマナー?といったように頭がパンクしかけておりました。笑

もちろん思い浮かんだこれらのことは全て大切ですし、時間が許すなら全てやるべきなのかなとも思います。ただ監査法人に入ってみて、まずはこれさえできれば問題ないな、あるいは、やっておいて良かったと思うことはそんなにたくさんはないです!ですので、やるべきことを整理するという意味でもここでまず私が優先的に身につけるべきだと考えることをいくつか上げていきたいと思います!その中で是非、今の自分に必要そうだなと思ったものに関しては実践してもらえたら幸いです!

私が思うまず優先的に身につけるべきだと思うことは下記です!
基本的なExcel操作
②基礎的なキーボード操作
③基礎的な文章力
※あくまで個人的な意見ですので、諸説あるとは思います!

この3つを選んだ理由は2つあります。
1つは最低限の成果物を出す上でまず必要だと感じたからです。
もうひとつは入った後でやろうと思うと、なかなか時間がなく苦労するなと考えたからです。まとまった時間のあるうちにやっておくのが吉かと!

①基本的なExcel操作を身につける。

⑴目的~どういう局面で必要?

まず、どういう局面で必要なのかという事についてお話ししたいと思います。基本的なExcel操作が役立つ局面は主に下記だと考えます。

・数値更新などの検討前段階の調書加工
・会社資料のデータ加工

まず、検討前にデータを加工する局面。
スタッフ1年目での監査業務は、前期調書をしっかりと理解した上で、当期のデータに数値更新し検討を行うというのが主です。
そこでExcelの基本操作ができれば、どの数値がどこのデータからどのように引っ張られてきているのかというところを正確に把握することができますし、適切に当期分のデータ更新を行うことができます。
例えば、3期間の数値が並べられてあり増減分析を行っている調書があったとしましょう。(いわゆる異常な増減がないかについて分析する分析的手続。)その際に3期間の数値の各セルにSUMIF関数が入っていたとしましょう。その関数の意味が別のシートで小項目ごとに分けられている残高データを中項目をキーにして合計している関数だと理解できれば、転記元のデータを1年分繰越し当期分のデータに更新すれば良いと正確に調書の数値の流れを理解することができます。数値更新を行う際にも、Excelの基本操作を駆使して正確かつ適切に1年分のデータを繰越したうえで元データから当期分の数値を持ってくることが可能です。

次に会社資料のデータ加工の局面。
会社資料の中で必要なデータがあれば、一手間か二手間加えてその必要なデータを確保する必要があります。
例えば、当期切られた膨大な仕訳データから旅費交通費著増加の主要要因を把握したいと言った時。仕訳データの借方科目の項目でフィルターを掛け旅費交通費のみを抽出し、借方金額を降順にすることで大きな金額の仕訳を見に行くことが可能です。そこで大きな金額の仕訳の摘要欄を見て、「アメリカ大規模展示会の同伴社員200名の旅費」という情報を入手し、旅費交通費増加の主要要因を把握することに繋がります。(アメリカ大規模展示会が毎年行われるものではないと仮定。)
これは本当に簡単な一例ですが、細かい情報にアクセスしようと考えると、膨大なデータに一手間二手間加える必要がある場合があります。そのときにもExcelの基本操作が必要です。

(2)方法~何をするべき?

次に何をするべきか?という事です。
ここでは僕が実際に行った方法をご紹介したいと思います。
私は始めExcelの勉強をしようと教室に通おうと体験教室に行ったのですが、その教室で使用していた参考書は下記の2冊です。

Excel 2021 基礎 Office 2021/Microsoft 365 対応 (よくわかる)
Excel 2021 応用 Office 2021/Microsoft 365 対応 (よくわかる)

そこの教室に通うことを考えたのですがお金に困っていたので、この2冊を使って独学の道を選びました。
Excelの基本操作を一通り学ぶには内容面で特に問題ないですし、完全に初心者の方でもわかりやすいのでオススメです。特に応用編は実務ではほとんど使う事はないマニアックな関数も有ったり、フローチャートの作成も有ったりと網羅的です。
この2冊で学ぶことでExcelでできる基本作業を1巡できるので監査法人の実務の中で見たことのない機能を使っているという事はほとんどなくなります。
また最後に総合問題があるので、この総合問題を何度もやるのがオススメです。この問題が良問なのは完成図が与えられてるのみであること、かつ、指示文で使用する関数を指定していないという所です。非常に実践的です!
(※Excelの操作がある程度慣れている人は、応用編から始めた方が良いかもしれません!中身を書店で実際に見て購入を検討してください!)

(3)目標到達地点

上記テキストの総合問題が難なくできれば、とりあえず現場に入って困ることはないのかなと思います。
具体的なところで言うと、IF、SUMIF、COUNTIF、XLOOKUP、VLOOKUPと言われてどんな関数か、そしてどんなときに役立つかが言えてそれを実際に使えるレベルだと関数については問題ないのかなと思います。
また、ピボットテーブルがどんな仕組みでどういったときに役立つかが言えるとなお良いです。ピボットテーブルはちなみによく使います。

②基礎的なキーボード操作を身につける。

(1)キーボード操作って?

キーボード操作と書きましたが、この記事ではキーボード操作をタイピングスキルと、基本的なショートカットキーの習得を指すことにします!
最初はタイピングスキルのみで行こうと考えていたのですが、ある程度のショートカットキーを習得することは業務スピードを高めてくれると考えたのでキーボード操作をこのように定義することにしました。

(2)目的~どういう局面で必要なの?

まずタイピングスキル。
日常業務のほとんど全てにおいて必要だと考えます。メールでのやりとり、チームスのチャット上で直上に対する不明点の質問やインチャージへの進捗報告。これらはタイピングによって行います。入る前にある程度基礎を作っておくと、全体的な業務スピードアップに繋がります。後ほど記載しますが、基礎を作っておくのがオススメです。

次にショートカットキー。
これはタイピングスキルと同様。日常業務、あるいは、Excelで作業を行う際の効率アップ、スピードアップに役立ちます。ある程度ショートカットキーを使うことになれておくとオススメです。
ショートカットキーは調べると無限に出てきます。笑 ですので、「この作業1日に何回もやるな。このショートカットキーないかな?」というような場合、ネットで検索すると出て来るので、その都度覚えるのが良いです。またExcelのショートカットキーは上記①(2)で紹介した書籍には基本的なショートカットキー一覧が載っているので、総合問題をやる段階から試してみると良いでしょう。
余談ですが、私が最近覚えたのは、チームスのチャット上で連絡する際の下書き機能です。ネットで検索して、Ctrl + Shift + Xで下書きモードになるショートカットキーを見つけました。下書き機能は改行enterの押し間違いによる誤送信を防ぐのに有効な機能で、1日に何度も使っていたので調べて覚えることにしました。

(3)方法~何をするべき?

では具体的に何をするべきか。
ここでも私が行っていた方法を紹介します。

タイピングスキルについては、皆様お馴染みの「 寿司打 (ここをクリック) 」ですね!笑
私は結果的に1,500円程度の所から10,000円を難なくクリアできるところまでやり込みました。ただ、ここで注意したいのはタイピングのスピードが重要ではないという事です。正しいフォームを身につけることを是非意識して欲しいと思います!FキーとJキーに人差し指を置くというように正しいフォームを身につけると安定感のあるタイピングになるのかなと思います。
これは私の失敗談になるのですが、寿司打を何度もやると金額が上がっていく一方、指の運びだけに慣れてしまって本当の意味でのタイピングスピードに繋がらずなかなか苦労しました。これは10,000円コースで金額に波が出てきたタイミングでに気づきました。その後、正しいフォームを意識したことで自然と金額が安定していきました。なので、正しいフォームは是非意識してみてください!

次にショートカットキーです。
こちらも私が実際に行っていた、あるいは、行っている方法を紹介します。
まず結論としては「ひたすら使って覚える!」というこれに尽きます。しかし、効率よく覚える方法として次の方法がオススメです!
大きめの付箋に覚えたいショートカットキーを書きます。これを普段使うパソコンのキーボードの空きスペースや見えやすい所に貼るという方法です。自然と目が行き、忘れたらすぐに見に行くことができるので、10個以上のショートカットキーでも1ヶ月もすればちゃんと頭に入っています。
Excelの勉強を始めた段階から是非実践してみてください!

(4)目標到達地点

・寿司打10,000円コースを正しいフォームで平均8,000円
・Excel操作の約4割はマウス無しで行える。
上記2点がとりあえずの目標到達点なのかなと思います。

③基礎的な文章力を付けておく

(1)目的~どういう局面で必要?

文章力。。。こんなこと書くと、「おまえの文章読みにくい癖に何を偉そうなことを!」というコメントが来そうですね。。。
もちろん私の文章力はポンコツであることは重々承知です。どちらかというと、これはやっておけば良かったなと今になって思うことです。反面教師にしてください!笑

どういう局面で役立つのか。
これは日常業務から監査業務まで全ての業務で役立つのかなと思います。

日常業務でのチームスでのやりとりや、クライアントや上司とのメールのやりとり、監査業務では分析的手続で増減コメントを書く等、文章力はあらゆる局面で役立ちます。また自分が調書に書いたその文章に価値が付くことを考えると、文章力は基礎として実務に出る前に身につけておくべきなのかなと思います。

今年の入社したての時、何かの増減理由を書く際に増減理由に直接影響を与えそうな事実を見つけたとしてもどんな表現で書いて良いかわからず、戸惑ったことが多々有りました。今では大分マシになりながらも、論理的で伝わりやすい文章ってなんだ?と日々模索をしております。
余談ですが、自分が期末時に作成した調書を1Qで使用した同期から「これってどういう意味?」とキャプチャを送られてきました。その際に、自分の文章の拙さに改めて驚きました。笑 要約してチャットを返したのですが、そうするとすぐに納得してもらえました。本当に自分でも驚くレベルの出来でしたので、今では本当にマシになったと思います。笑

「伝わりやすい文章を書く。」というのは案外難しいなと感じます。特に関与年数が浅くクライアント理解が進んでいないJ1にとっては、なんとなく理解できたとしてもそれをどのように調書上に反映すれば良いか悩むことが多いと思います。理解不足を補完するためにも文章力はある程度、身につけておくべきなのかなと思います。

(2)方法~何をするべき?

それでは何をするべきかという事ですが、、、。私から若干成功体験はあまりなく、本当に偉そうな事言えないので、おすすめの本を一冊ご紹介いたします。笑

自己啓発と一緒で読みすぎは注意なのであまり読まないようにしていましたが、結果的に文章力の本やロジカルシンキングの本は大体4,5冊ぐらいは読みました。その多くは実践してみましたが、なかなか劇的に変化することはなかったです。しかし、かなり良い視点が手に入れられた、あるいは、ここに書かれていることを意識するだけで「何が言いたいの?」と突っ込まれることがかなり少なくなった書籍が1冊あります。それは下記の書籍です。

即! ビジネスで使える 新聞記者式伝わる文章術 数字・ファクト・ロジックで説得力をつくる

多くの文章力の書籍は長文を想定している等、監査業務向きではないことが多いです。しかし、この書籍は長文に限らず「伝わる文章」という視点で書かれているので監査業務で役立つ視点が多く得られます。主語と述語が繋がっているようで繋がっていない等といった、わかりにくい文章を書く人がやりがちなことを詳しく書いています。意識することですぐに改善できることが多く書かれているので、文章力に自信のない方は一読されると良いのかなと思います。

最後に

ここまで色々書いてきましたが、結局は「慣れ」の部分が大きいのかなという印象です。
あとは入ったチームのOJT担当の先輩が適切なOJTをしてくれるか否かで監査法人ライフの出だしが大きく変わります。

僕は初めて行ったチームの現場で「KEITAさんはまず現金預金の調書からやってください。」とだけ言われて放置。。。残りはカタカタというパソコンの音だけが響く監査部屋で初めて見る監査調書と対峙してトラウマになりかけたのが思い出です。笑 「聞けば良いのでは。」という声もありそうですが、なかなか黙々と作業する先輩に話しかけるのは初めての現場で緊張もあり難しかったですね。。。
次の現場ではしっかりと聞こうと積極的に聞こうとしますが、気難しい上司と二人の現場になってこちらもしんどかったです。。。笑
とあるシニアの先輩二人と私の現場で、自分がクライアントとウォークスルーが終わったあと、毎回その2人から詰められて神経すり減らしてましたね。クライアントが最後の挨拶をして扉を後にした後は本当に地獄でした。笑 
とまあ、そんなことばかりですが。笑

これから監査法人に入る方は、丁寧なOJTをしてくれる先輩に当たる事を心から祈っています。また、このようなエピソードを聞いて監査法人に入ったあとの良くない想定を付けて持っておくことで、実際にそのような状況にあったときの耐性を付けてもらえたら幸いです。

これから監査業務に関する自分の考えを発信していきたいと考えておりますので、良いなと思った方は是非フォローしてください!

では、また!


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