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石神井公園で3枚組

初めてのお出かけ


第2弾は石神井公園。

こちらは 八乃塾 という3年縛りの写真塾の塾生さんが今年1年かけてまとめている場所です。このシリーズは結局人頼みなのかも(笑)

石神井公園は都立公園で石神井池と三宝池の2つの池が中心で、最寄駅の 西武池袋線「石神井公園駅」から 徒歩7分です。


ボート遊びが中心の石神井池はかなり大きい



石神井池の淵を歩いていくと三宝寺池にいける



三宝寺池の周囲は木道が整備されているので歩きやすく、こちらの方がサイズも程よくのんびりしていて撮影向きだと感じた



最初の3枚組(石神井池)


石神井池の3枚は池をパノラマのような雰囲気でまとめようと思ったが、撮影時にそのことをあまり意識していなかったので、ちょっと中途半端になっている


上の3枚は公園について撮影を始めたばかりで、テンションもそれほど上がっていないのでこのぐらい。と、いきなり言い訳から(笑)



三宝寺池の3枚組


お隣の三宝寺池を少ししっとりした雰囲気でまとめた。この3枚は気になったところを切りとった感じ


最初は、こんな感じで 気になったところを切りとった写真を合わせる と3枚組のイメージが掴みやすいと思います。



3枚組の可能性は無限大


実はこんなテクニック的な話は3枚組の作り方の解説としてはあまりよくないかもしれません。それは、テクニックはある程度パターンにあてはめることになるからで、3枚組は気づきの可能性を楽しむためにその答えも無限大 です。

撮影するときもはじめから3枚組を狙って撮るとその世界は小さくなります。まずは自分が気になるものを気ままに撮って、ある程度したらそんな写真をまとめる最後の1枚を狙います。

この日はその3枚目を狙いにいくのをすっかり忘れて、気ままな撮影だけを楽しんでいました(笑)とはいえ、かれこれ四半世紀ぐらい3枚組を続けているのでなんとなく組みができるようになっています。

その コツは自分が撮影した写真をある程度覚えておくこと です。写真以外の記憶力はほぼゼロに等しいと感じるほど覚えが悪いのですが、写真に対する記憶力は抜群なんです。これは 慣れ だと思います。



組みを作るときの流れの解説


3枚組をやるときはそれぞれの写真を はじめ(左) つなぎ(真ん中) おわり(右)と呼びます。これは物語を意識しているからです。

最初の問題はたくさん撮った写真から何を選んでくるかです。そのときによくやるのはテーマのようなものを決めて写真を選ぶことです。

ちなみにこの日は1時間程度で250枚ぐらい撮影しました。3枚組に限らず写真をまとめるときの目安にしているのは 1〜2時間で300枚程度 という枚数です。

これは撮影スタイルでも違ってきますが、自分の気づきをいろいろな角度から撮影していると撮れます。ただ、かなり集中した状態なのでけっこう疲れます。

撮影枚数が少ないと変化も少ないので、3枚組が単調になります



変化を加えた三宝寺池の3枚組


この組みは人が入っている写真でまとめようと考えた。ちょっと単調なのが気になる


上の組みが単調に感じるのは、ポイントになっている人物との距離が似ているから です。枚数ばかり意識していると、こんな 単調スパイラルにハマる ことがあるので注意してください。



はじめ を池の写真に変えたが、変化がつきすぎて違和感になっている


こんな バランスも慣れて身につける しかありません。最初にテクニック的な話がよくないと書いたのもバランスを頭で考えていると撮影のペースが悪くなるからです。バランスを体で覚えるのも撮影した写真の全体を覚えられるようになるのと同じ で慣れが必要です。

これは ボールを投げるのにいくら理屈を覚えてもうまく投げられないのに似ています



組みのバランスを整えるために おわり も変えた


最初に作った組のように 単調になるのも問題 ですが、2つ目のように 違和感がありすぎるのも問題 です。ほどほどの変化 が良いのですが、そのほどほどが一番難しいかもしれなません。

これは 料理のさじ加減と同じで具体的に数値化されていないから です。そこを 数値化すると可能性が小さくなります

同じ場所に行っても人が違えば感じることが変わって、同じ人でも日付や時間が違えば感じることが変わる。そんな 違いを活かすための余裕 だと考えています。

そうはいっても分かりづらいので、はじめのうちはある程度 同じようなイメージでまとめていく と写真が選びやすいはずです。そこから変化を加えてください。



石神井公園の3枚組


最後は石神井公園全体をまとめた


こんな感じで いろいろな要素をまとめて世界を広げていくのが3枚組 です。単写真と違うのは 1枚では答えがでない ことです。よくある構図なども他の写真との組み合わせで決まります。露出はバラバラにならないようにします。



何から手をつければ良いかわからない


確かにそんなことを感じるかもしれません。まずは 撮影している場所を感じる こと。そして、その 感じたことをいろいろな角度から残しておく こと。そして、それをまとめるための写真を狙う 。そんな流れを試してください。



組写真の撮影の流れ


その場所を感じる感じたことをいろいろな角度で撮影する3枚をまとめるための写真を狙う



大切なのは感じること


単写真で学ぶことが多い 構図も最後のまとめるための写真やまとめるバランスのときに活きてきます

何よりも大切なのはその場所を感じることで、それが組みをまとめるヒントになります。単焦点レンズ1本 にすると機材に振り回されることや機材で悩むことがなくなるので 感じることに集中しやすい はずです。

本当は写真の向きの話もあるのですが、それはそれで長くなるのでまたいつかお話します。





なぜ3枚組?


最後にそんな疑問が残ります。物語を意識した組は4枚で作る方が簡単 です。それなら4枚組から始めた方が良いのでは?そうかもしれませんが、4枚組を作れるようになっても3枚組の問題は解決しません。それとは反対に 3枚組ができるようになれば4枚組もできる ようになります。



まとめ


3枚組は未完成で良い と考えています。未完成であればいつまでも楽しむことができます。そして、尽きない悩みと一緒に成長できる。そんな発想は今時ではないでしょうかね(笑)



また、次回



お供のカメラとレンズ


カメラ:PENTAX K-3 Mark Ⅲ レンズ:HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR


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