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死球に対する僕の考え方

今年のスワローズは与死球数が多いのは間違いない

 この記事を書き始めたのは8月30日、いつ表に出るか分からない記事ですが、今日の時点で与死球は57。次点の巨人の51はともかく他の4球団は30個台。野球は主観的な感覚と客観的な数値に差が生じることも珍しくないスポーツですが、コレは主観も客観もなく「多いな」って思う中で「やっぱり」という数字が出ていると思います。これは当てすぎだわ、流石に。まだ数十試合残ってるのに。
 そんな時にプロ野球ヤクルトファン歴約30年、人生の約80%以上プロ野球を見続けて、学生野球やサークル、草野球など10年ちょっとくらいは楽しむレベルであれども野球をやってきた人間としていわゆる「デッドボール」について思う事をつらつら書いていこうと思います。

ヤクルトと巨人が作ったデッドボールの歴史

 まずは、ヤクルトファンとしての僕のイメージ。基本的にヤクルトと巨人は「危険球ルール」や「警告試合ルール」の設立に大いに不名誉に役立っています。例えば「富山事件」「北陸の乱」と呼ばれたあの試合。
 僕はこの試合があった1993年、当時幼稚園生でしたが未だにハッキリ覚えています。巨人戦は必ず全国ネットの時代。国鉄スワローズからのファン歴現在60年の父親と一緒に見てました。どちらかというと穏やかな父ですが『巨人ファンと阪神ファンはうちの敷居を跨がせんからなと』マジトーンで言い聞かせられてた頃です。翌日の伝説的な伊藤智仁の16奪三振サヨナラ負けの試合で記憶が薄れている人も多いですが、その前の日は乱闘騒ぎを起こしていました。

当事者の証言↑

numberの記事にもなっちゃう↑

細かい情報もこのあたりに↑

 93年には高津がデーブ大久保にデッドボールを当てて骨折させたこともありました。それが大体の起点になってるんですが、この頃のヤクルト巨人戦では骨折が「その程度は普通にあるよね」って当時幼稚園児〜小学校下級生の僕が思うようになるくらい激しいカードでした。
 個人だと中日の星野仙一監督が有名でしたが、ヤクルト巨人戦は負けず劣らずの最近の格闘技よりガチでやり合ってました(悪い方向に)。93年の秋の橋本と金森の乱闘なんて可愛い扱いですし←
 あとは翌年の5月、神宮での巨人グラッデンが自らの指を骨折してまでヤクルトの捕手中西を殴ったシーンで有名なあの試合。
 あの試合もお互いのデッドボールが起点で大乱闘スマッシュブラザーズ状態になりました。

格闘技のニュースかな?↑

ルールまで即変わるほどの大事に↑

全部にソース(情報源)があるってヤバいでしょ?創作じゃなくて事実なんですよ、この辺。
 そして、95年の開幕2戦目、東京ドーム。危険球ルールが出来て退場第一号もヤクルト巨人戦で桑田が飯田の頭に当てて危険球退場になりました。
 このように僕が1桁の年齢だった頃は「やられたらやり返す、倍返しだ!」という半沢直樹文化の中を見てきたので今の死球に対して謝る時代が来ると時代は変わったんだなぁと心から思います。
 とはいえ正直、根本的に東京の2チームは代々デッドボールが多いイメージは僕の中では非常に強くあります

デッドボールそのものへの僕の考え

 野球についてはデッドボールは付き物。コレは僕の基本的な考えです。年間通して0というのは不可能ですし、人がやる事なので、当然ながら意図しないことが起こる競技だと思います。それでも、今年のヤクルトは多いと思うし数年前の西武の90個台ってどうなっちょるんかのぅ?←
まぁそれは置いといて(置くな)、サッカーのフリーキックで壁になった人にボールが当たっても、バレーボールのスパイクを相手が顔で受け止めることになってもそれは「仕方ないこと」でペナルティすらない中で、野球ではテイクワンベースというペナルティがあるんだから、むしろ配慮したスポーツだとすら思っています
 ただ、野球に関しては「悪意」を持てば危険なことが出来るので抑止力は必要です。サッカーは削ってきた相手がいてもフリーキックのチャンスが来なければ狙えませんし、バレーボールもサインで攻撃が決まるのでそうそうやり返すことは出来ませんが、野球は打順さえ巡れば狙えてしまう。そのあたりのバランスでペナルティがあるのは妥当だと思います。

やってきた人間としての感覚

 僕はキャッチャーや内野が主な野手だったのでピッチャーの感覚はあくまでも聞いた話でしかありませんが、野手として喰らった事は数多あります。
 まず、大前提としてコレだけは言っときます。胸から上は当てた側が当てた時点で80-90は悪い。あと、わざとかわざとじゃないかはバッターは大体分かります。わざとなら話は別になるのでわざとじゃないパターンを説明します
 喰らう側として大きく分けて死球には3種類あります。

  • どこ投げとんのよって思う胸から上及び背中の右側に当たるデッドボール

  • オレの避け方が悪かったわ、君は悪くない、こっちこそスマンの手や体のお腹側に当たるデッドボール

  • 思ったより曲がってきおったーなどの変化球デッドボール

 まずは「どこ投げとんのよ」って怒るデッドボールは胸から上か右打者なら右肩甲骨〜背中、左打者なら左肩甲骨〜背中に当たるデッドボール。要はもう少しで背中側を通過していきそうなボール。バランスを崩したわけでもないのに、この辺りに抜けてくるのはわざとでないにしても過失割合は10:0から9:1くらいでピッチャーが悪い
 キャッチャーで試合してて喰らわせた場合でもこっち側に当たったデッドボールなら心の底から申し訳ない気持ちで謝ります。何故なら避けようがないボールになるから。

 ここでも書きましたが、プロ野球だと0.4秒とかそれ以下のステージの話。アマチュアや草野球でも0.6秒とかそこらの話です。
 結果として避けようとしなかったらバッターの後ろを抜けて当たらなかったかもってくらいのボールが避けようとして当たるのは文句なしのデッドボール。当てた側は何も言えません。
 次に「オレの避け方も悪かったわ、スマンな」ってデッドボール。これは多いパターンは「外角やろ!」って踏み込んだらモノの見事に裏を突かれてインコースストレートが来たって時。
 おそらく普通のインコースちょっとボール気味かな程度のボールでもコレだとバッツリ当たります。しかも、踏み込んでいるのでボールとぶつかる時に衝突する形になるので痛いしケガをしやすいという特性があります。
 これは人によって激怒する人も居ますが、僕は喰らっても読み負けた自分が悪いと思うし、キャッチャーやってても「大丈夫?」とは声掛けでも謝りはしません。特に右バッターの右手〜肘、左バッターの左手〜肘に当たった場合は自分が「外だ!」と山を張るか「打てる!」と思って反応してるから当たる場所なので、バッテリーとしては「おいおい」と思うこともしばしばあります。
 僕がこのパターンで当たった時はボール型の青痣がハッキリ2週間残ったりしても一切負の感情は相手に湧きませんでした。読み負けた自分が悪いし、普通に構えてたら多分避けられるか、悪くても掠ったりする程度で済んだものを大事にしたのは自分ですから。むしろ、たくさん謝られると「こっちが下手くそだったんで」と逆に気恥ずかしいし申し訳ないくらいの気持ちになりました。
 草野球やアマチュアだと審判が当たってもストライクゾーンだったとコールしてくれることも時々ありますね、プロだとまず無いですけど。一部のプロ野球選手みたいに一切避けずに当たってデッドボールで出塁する姿勢は大いに疑問があります。あ、さっきも書いた通り背中側なら話は別ですよ?体感としてはこれは過失割合が5:5とかどちらかの6:4程度
 最後には変化球デッドボール。これは左ピッチャーvs右バッターとか右ピッチャーvs左バッターで多いのですが、避けなくても大丈夫そうに見えたボールが想定より曲がってきて当たるパターン。想定外なのでちょっと痛いんですが、自分のボールの見極めが出来てないので恥ずかしい気持ちが勝ったりします、変化球なのでつま先の爪とかに当たらない限りは大怪我はほとんどないので冷静にこれは「避けれたなぁ」って思ったりして、どちらかというと申し訳ない気持ちになったりします。不快になる事もまずないですね。
 キャッチャーとして当てた場合もコレはどちらかというとピッチャーに「切り替えろ」と声をかけることの方が多いです。相手のバッターもちゃっちゃと一塁に行く事がほとんどのケースです。これはピッチャー2:8打者くらいの過失割合ですね。
 草野球やアマチュアだとイニング終わりに「もう少し避ける努力をしないとダメだよ」と指導を受けることもないわけではありません。
 というわけでデッドボールという結果についても当たった部位や投げられた場所や球種により大きく評価を変えるべきだと自分は考えます

ただ展開も考えろ

 アマチュアや草野球は大概の場合はコールドゲームや時間制限があるので、そうそうはスーパーワンサイドゲームで3時間とかにはなりません。ただ、プロ野球は別ですよね、コールドも時間制限も基本はないから。震災の後に3時間半ルールありましたけど、不評でしたからおそらく今後も導入はされないでしょう。ピッチクロックは入れても。
 そんな中で143試合+アルファを戦うわけですから、ワンサイドゲームになって終盤になると、いわゆる形作りをする事もあるわけです。送りバントもない。盗塁もない。ただバッターとピッチャーの純粋な勝負に特化した、ある意味では最も力と力のぶつかり合いになる場面ですね。

ここで当てるな

 トーナメントと違って超長期戦のペナントレース、負けていい試合はないけど、143連勝はあり得ない。ダメだなと思ったらダメージの残さない負け方や、相手が白旗を上げたと分かったらゲームをいい形で締めに行くという勝ち方や負け方があります。今日出し尽くして明日明後日負けたらペナントレースでは意味がない。143試合地点で先頭にいる事が大切。
 数年に一度は劇的な8点差逆転!みたいな試合もあるけど、基本的にこの日の勝利確率1%みたいな状況になったら、翌日の50%前後で仕切り直した方がダメージが少ない。そういうワンサイド展開になった試合でぶつける事によって起こる事は禍根、怨恨、乱闘、暴言、暴力、誹謗中傷etc。誰も得しないし、全ての人の精神を逆撫でするか傷つけるか。当てるにしても時と場合によっては上の価値観とは異なる感情が湧くのもむべなるかなと思います。

嫌なタイムリー


 これを書いてる最中の9月の頭に7-0の9回に近本にヤクルトの山本が当てて大論争になりました。なんてタイミングで・・・。こういうタイムリーは要りません。タイムリーは得点圏で打て←。

 これはやっちまったな。という感じです。
 僕が子どもの頃に見てた巨人ヤクルトのような報復合戦時代は「明確に狙ってやったよね」っていうのはありましたけど、今の仲良くなって、ストライキを乗り越えてWBC含めて野球が日本代表って形で集まったりするようになってからは狙うというのは少なくとも無く見えます。特に、僕はキャッチャーをやっていたので「デンジャラスサイン©️里崎智也さん」「A投球©️谷繁元信さん」も何となく分かりますが、最近は一切見ませんね。
 そもそも、ワンサイドゲームになった場合は一軍と二軍の狭間にいるピッチャーが投げることが多く、ある意味、彼らにとっては『プロとして生き残るため』に全力投球。それにこんな試合で仮にあったとしても報復死球のサインが出るわけもないので、純粋にノーコントロールで当てたんでしょう。まぁ、阪神側が怒るのは普通の反応だと思います。それ以上のパトさんやインスタに突撃してる輩は擁護する気はさらさらないですけどね。
 あと、ヤクルトファンだけど高津さんのコメントと態度は流石に他の手段があっただろうなと思います。僕も小さいながら部門のトップ。問題をボヤで抑えて火災に発展させないのも上の人の役割の一つですからね。

まだまだ出てくる記事たち

 そして、またもこれを書いてる時に上がった文春野球の記事。9/6ですね(仕事と子育ての合間の毎日の風呂の時間に書いてるので超スロー執筆です爽)。

また、おまえ(ヤクルトvs巨人)か。

 結局ね、野球というスポーツを愛する限りデッドボールっていうのは付き物なんですよ。特に最近は野球選手をアイドル的に扱ったりすることもありますが、アレもグッズの売り上げが伸びたり球団のグッズ売り上げが伸びたりと良い面もあれば悪い面もあって、悪い面としては野球というスポーツでありうるプレーで負傷した場合でも、その人のSNSに突撃したりするファンが増えた事でしょう。やってた人間からするとプレーの内容の感覚以上に周りがヒートアップする傾向が強くなったことは否めないと思います。

終わりに

 ハッキリ言います、スポーツは不意に怪我する事があります。野球でもサッカーでもバレーでもテニスでも陸上でも水泳でも。日常生活でテーピングなんてする人は滅多にいないでしょう、アイシングする人もいないでしょう。でも、スポーツプレーヤーにはこれが日常です。
 その中で野球というスポーツを選択した結果、デッドボールというものがあるというだけ。
 捻挫させるつもりは無くても捻挫させてしまったサッカーのスライディング。
 当てる気はなかったけど当ててしまって脳震盪を起こさせてしまったバレーボールのスパイク。
 転かす気は無かったけど転けさせてしまった給水時の陸上の長距離走やマラソン。
 どれもスポーツをやっていると起こってしまう事象。これを全てを無くすことは不可能です。なので、タチの悪い一部の悪質なモノは別ですが、それ以外は「このスポーツを見る以上はあるモノだ。」というスタンスになる事が僕は何よりも大切だと思います。辛いカレーを食べる以上腹を下す可能性はあるというものと同じ感覚です。
 そして、何より「外角だけで抑えられるバッター」にピッチャーは内側は突きません

 内を投げられる技術を身につける必要はあるでしょうが、それを定量化する評価指標は誰ももっていません。『あぁ、コイツはインコースギリギリを攻められるな』って評価する数字はありません。試合で試すしかないのです。
 それに、ピッチャーはプロでお金を稼げる存在になる為にはインコースに投げることは絶対条件。避けては通れぬ道なのです。
 もちろん「ないに越したことはない」デッドボール。ただ「避けても通れぬ」デッドボール。30年プロ野球を見てきてデッドボールに関しては12球団「持ちつ持たれつ」。ケガさせたりさせられたり
 外野が思ってるほどプレーヤーは何も思ってない事が大半ですし、表向きはあくまでも「敵」なプロ野球で表立って謝るのはなかなか難しいけれど、チームもファンも「スマン」「ええんやで」精神で見れたらいいんじゃないかなと僕は思います。
 あくまでも一部の悪質な例外は除いて。ですよ。少なくとも僕が子どもの頃は明確に悪質でしたから。
 聞いてるか?元阪神、現審判の嶋田。オレは27年前の古田への危険球連投でお前を許してないからな。子どもの頃の恨みは重いぞ。
 ではでは!最後に私怨を晴らしたところで今回はこの辺で!

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