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学習設計者という仕事

ワークショップは学習を生み出す技術の一つと位置付けるられるため、設計する際は「何を学ぶ場なのか」を精緻に考える。「学習」の定義については以前書いたが、

ゼロ学習・・全く試行錯誤がない状態
学習I・・・所定の文脈でのみ正しい条件反射の獲得
学習II・・・条件反射を生み出している文脈の深い理解
学習III・・・現在の文脈を捉え直し、新たに文脈を構築する過程

ワークショップはこれまでのやり方では上手くいかない状況を打破し、組織変革やイノベーションを起こすことを意図することが多く、言い換えると学習IIや学習IIIを起こすことを目指している。

先日、同僚の小田と話ていた時、イノベーション推進に伴走する中で、最近出会った課題、特にワークショップの結果生成された学習について議論になった。

「プロジェクトメンバーが、ワークショップを通して新たな眼差しを獲得したことで、プロジェクトに参加していない部署やメンバーとの考え方の差が開くことがあるのでは?」
「新しい意味を生み出すプロダクトやサービスが生まれたとして、その意味を豊に解釈できる生活者・マーケットもパラレルで育てていく必要があるのでは?」

両議論とも、ワークショップの場で起きた変容の周囲への波及の仕方に関する課題を指摘しており、前者はプロジェクトに参加していないメンバーや部署、後者は生活者・マーケットに視野を広げてのコメントになっている。

これらの課題に対応するために、例えばプロジェクトの結果を誰でも読めるコンセプトブックとしてまとめることもあるが、プロジェクトを超えた学習の波及については、まだ試行錯誤中だ。

プロジェクトで学習を生み出すのは勿論、そこで生まれた変化をマーケットやワークショップ参加者を超えた学習につなげることが、今後もっと求められるようなると思う。

そのようなことを考えながら、僕の仕事は社会の学習設計者 / Learnig architect?としての側面が今後強まりそうな予感がしている。

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