# 103_トランスレーションズ展でのオープニングトーク

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出典:企画展「トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう」

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2020年10月15日に、トランスレーションズ展のオープニングトークが開催されました。その中で、キュレーター陣から、参加作家に対して「今回、出展したのは、何を“翻訳”した作品ですか?」という質問が、投げかけられます。それに対して、回答しているのかしていないのか分からない、島影の回答が、以下になります。

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〈FabBiotope〉という作品名で、参加させていただいております、島影と申します。文字を音に変換するメガネで、〈OTON GLASS〉というものを仲間と共に開発してきておりまして、おそらく、今回の展覧会では、「文字を音に翻訳する」という点で、当初、お声がけいただいたのではないかと思っております。本展覧会のテーマ「わかりあえなさをわかりあおう」に対しての、私なりの回答としては、「つくる、というコミュニケーション」を、そのひとつの方法として、今回、提案してみています。今回、紹介させていただいている〈FabBiotope〉というプロジェクトは、弱視者とエンジニアが、協働して発明を実践し、そこで生まれた知を流通させる取り組みです。今回の展示では、今までの〈OTON GLASS〉のプロトタイプと、その発展形として、昨年、実施した〈FabBiotope1.0〉の取り組みを映像で紹介しています。本展覧会と同時に、ウェブ上での連載をはじめ、〈FabBiotope2.0〉の参加者を募っていきます。このプロジェクトで、重要視しているのは、人間側の多様性と、技術側の多様性の、新たな掛け合わせの発見です。支援する/される、の関係性ではなく、弱視者もエンジニアも、どちらも当事者であり、つくり手であることで、協働の関係性になることができる。そこに、つくる、というコミュニケーションが発生することで、互いの秘密を共有する、相手の複雑さに触れることができる。つくることを通じて、共にいることが可能になる。その先に、今まで発見されていなかった、人間側の多様性と、技術側の多様性の、新たな交点が見つかるのではないか。それが、新たな多様性の発明につながるのではないかと、考えています。つまり、今まで、共にいることが難しかった他者同士が、つくることを、ある種の言語として捉え、つくることを通じて、新たな自立や共生を創造していく、というのに、本プロジェクトでは、取り組んでいきたいと思っています。同時に、それを本展覧会での問いの、私たちからの仮の回答とさせていただき、展覧会を通じて、みなさんと一緒に考えていく機会にさせていただければ、と思っております。

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起業家。父の失読症をきっかけに文字を代わりに読み上げるメガネ〈OTON GLASS〉を仲間と共に発明。弱視者とエンジニアが協働して発明を実践し知を流通させるプロジェクト〈FabBiotope〉に取り組む。 https://scrapbox.io/keisukeshimakage/
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