- 運営しているクリエイター
記事一覧
私の東京物語 羽田圭介 (1)心の故郷 お茶の水
お茶の水へ訪れると、最も心が落ち着く。明治大学の付属校に中学時代から通っていたのだが、当時は神田猿楽町に校舎があった。そう、のっけから表記が揺れているように、あの一帯を「お茶の水」もしくは「神田」「神保町」と、どう呼んでいいのかいまだにわかっていない。埼玉の一軒家から、東武伊勢崎線と千代田線を乗り継ぎ片道一時間十五分かけて通っていた。定期券を有効活用するためおのずと、学生時代の自分は、東京中の各
もっとみる私の東京物語 羽田圭介 (2)洗練の皇居にジャージー隊
皇居をランニングするのが好きだった。大学付属校の中学・高校時代は、軟式テニス部に所属していた。当時は学校が千代田区にあり、校庭がものすごく狭くテニスコートも二面分確保するのが精いっぱいで、他の部活動でも使われる分、校庭練習は水曜と土曜という週二回しかできなかった。
もっとみる私の東京物語 羽田圭介 (3)神宮前から流浪の散髪
大学二年の夏前、友人の紹介で、渋谷区神宮前の美容院を訪れた。学生料金六千三百円も決して安くはなかったが、一カ月半くらい伸ばしっぱなしでも、髪形は少ししか崩れなかった。
もっとみる