Book085『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』國分功一郎

國分氏による、エチカの入門書。哲学に精通していない初学者にも非常にわかりやすく、スピノザの思考のポイントを伝えてくれる貴重な本。

考え方として好きな部分は、
・物事の善い悪いは全て組み合わせによって決まる
・その存在において、活動能力を増大・促進するものを善とする(悪はその反対)
・その存在自体としては善いもの、悪いものは存在せず、善い組み合わせと悪い組み合わせがあるのみ。

この定義は非常に面白い。
まさに会社などの組織でもある組織では善とされる行為が、違う組織では往々にして善いとされず、悪とすらされることもある。また、仕事ができる・できないも相対的な判断で決まるので絶対的な価値としては存在しないと感じる。

もちろん、全てをそう捉えようとすると組織に適応できないことになるので注意は必要だが、あくまで前提として組み合わせで決まることであることは、忘れずにしたい。


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