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Offlineの世界が無くなるって本当?
O2O(Online to Offline)という言葉は皆さんも聞いたことがあるかと思いますが、OMO(Online Merges Offline)に至ってはいかがでしょうか。昨今、日本のマーケティング市場ではO2Oという言葉よく耳にするようになりましたが、OMOを声高に唱えている人は少ないように感じます。デジタル基盤の社会が当たり前になっている中国ではO2OからOMOへの移行が進んでおり、最新のマーケティング事例がたくさん存在します。この記事では中国最新のOMOとは何かについて、事例を交えながらお伝えしていきたいと思います。
O2OとOMOとは?
そもそもO2OとOMOとは何のことなのかを定義をするところから話を始めていきたいと思います。
O2Oとは冒頭にもお話した通り"Online to Offline”の略で、ECサイトや自社のホームページ、自社販売サイト等と店舗などオフラインに存在するモノを結び付け、消費者の動きを相互に補完しあう考え方のことを指します。例えば、家電量販店で商品を見て触って、試したあと、その家電量販店のオンラインショップ(ECサイト)で商品を購入するようなマーケティング施策を施すことなどが例として挙げられます。
また、オンライン上で獲得した顧客に対して、店舗で使えるクーポンを発行し、オフライン店舗に送客するなどOfflineからOnlineの流れも含む考え方です。このO2Oは理解がしやすいし、馴染み深いのに対して、OMOはわかりずらい概念になっています。
OMOとは"Online Merges Offline”でオンラインとオフラインが融合していくという意味が込められています。(【図1】を参照)
【図1】
融合と聞いてもピンとこないのは当たり前です。この考え方を理解するためには、オンラインもオフラインもない世界を想像できるようにならなければなりません。
オンラインもオフラインもない世界なんて想像ができないと思いますが、ここで言いたい意図としては「オンラインというのは当たりまえの世界で、常時我々はオンラインとつながっているから、オンラインとかオフラインとかを区別しなくてもいいでしょ」というところにあります。
つまり、ビービッド藤井保文さんが彼の著書『アフターデジタル』で伝えているように、完全にデジタルに移行した後の世の中の話ということです。
OMOがもたらすメリット
OMO施策を行うと、どのようにいいことがあるのでしょうか。
OMOは今後当たりまえのマーケティング施策になっていくことは間違いありません。その理由としてOMOは顧客の消費経験を最大限まで引き上げることを目的とし、LTV(Liffe Time Value/生涯顧客価値)を最大化することに一役買うからです。
顧客との関係性を維持し、長期にわたって顧客でいてもらうためには、顧客理解がとても重要であることは言うまでもありません。顧客を理解するためにはデータが必要です。OMOの世界ではオンラインの世界とオフラインの世界が共同体として機能するため、消費行動に関わるデータ全般を取得することが前提条件です。オンラインとオフラインでのデータが統合されるのです。
顧客から得られたデータをそのままにしておいてはもちろんダメです。しっかりとサービス品質や商品の品質向上のためにデータを活用する必要があります。OMOを実践すれば、顧客の消費活動をより良いものにできる可能性が高まります。そうすることで、顧客はより長い期間、顧客でいてくれることになります。
OMOの具体的なケース(盒馬鮮生)
Alibabaが自社で展開する盒馬鮮生(フーマー)という、新しいスタイルの小売店舗はOMOの最適な事例といえるでしょう。
盒馬鮮生(フーマー)を利用するために、利用者はまずAlibabaの決済プラットフォームAlipayを使えるようにしておく必要があります。加えて、盒馬鮮生(フーマー)の専用アプリをDLし自宅の住所などを登録しておく必要があります。
日本でも浸透し始めたネットスーパーのようなイメージですね。アプリを通じて商品を購入すれば30分以内に自宅に届けてくれます。しかし、それだけでは何も新しくありません。
盒馬鮮生(フーマー)がすごいのは、オフライン店舗を展開しているところです。ここが倉庫の役割も果たしているというわけです。つまりオンラインで購入した商品はこの実店舗×倉庫から運ばれてくるという具合です。オフライン店舗には有人レジは存在しておらず、すべてセルフレジです。そして、支払いは専用のアプリを通じてモバイル決済で行います。
オフライン店舗内の品揃えはオンラインとオフラインでの購入傾向を分析ししたうえで、その地域に住んでいる人が好む内容に入れ替わっています。
アプリという一つのプラットフォームを通じて、購買を完結させているため、オンラインだろうがオフラインだろうが購買データは取得されます。そして、そのデータを活用し更なる顧客満足度向上のために商品選定に活かしているというわけです。
まとめ
OMOは目に見えないところに実はたくさん施されていたりしますが、日本ではまだまだ事例は少ないが故に、概念としてとらえ辛い側面があるのも事実です。中国はOMOの先端を行っているといっても過言ではありません。OMOで先行する中国に学び、我々にできることがなにかを考えることで、顧客に対してよりよいサービスや商品提供ができますね。
OMO理解の入り口として本記事が参考になれば嬉しい限りです。
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