資金繰りが厳しくなると、こんな事態になります
私は、資金繰り改善コンサルタントとして、
いろんなクライアントさんを見てまいりました。
その中で、
資金繰りが厳しくなると、こんな事態に陥ってしまう、というケースをいくつかご紹介します。
(まだ悲惨なケースではないと思います)
なぜこんなことをご紹介するかというと、
同じような思いを他の経営者の方々にはしてほしくないからです。
立ち上げた新事業が売上ゼロのまま撤退
あるクライアントさんで、売上を上げようと、これまでやったことのない他の新事業を立ち上げたのですが、その事業は売上を1円も作らずに、撤退することになりました。
具体的には、製造業の企業で、人事コンサル事業を立ち上げたのです。そのために人材を雇い、そのコンサル手法を購入し、セミナーを開催し、とやっていたのですが、
ついには本業の製造業の方も売上が下がってきて、会社全体の資金繰りが厳しくなってきました。
本業の立て直しのために、
メイン銀行から、人事コンサル事業からの撤退を要求されました。メイン銀行からの要求に応えるしかなく、そのために雇った人材も解雇する羽目になってしまいました。
これまで新事業に費やした投資は、人件費やコンテンツ料、広告費などを合わせて1000万円以上です。それ以上に時間も使っています。
こうなってしまった原因は、資金繰り表がないために、どれだけ新事業に投資してもいいのか?が判断できなかったために、撤退時期が分からなかった、からだと考えられます。
銀行の言いなりで、従業員を解雇
そのクライアントは、メイン銀行からの借入が助かる術だったので、
そのメイン銀行からの提案された経費削減策に応じるしかありませんでした。
このような時には、往々にして銀行は、確実に利益が上がる(赤字幅が減る)経費削減策を提案してくることが多いです。
労働分配率が75%以上を超えていたこの会社は、人件費の削減を行いました。解雇です。
その際に、どの従業員を残して、どの従業員を解雇するのか?ということを相談されたこともあります。
私の発言で、その従業員の方の人生を左右してしまうのか、と考えると、非常に慎重に考えをお伝えした記憶があります。
そして後日、解雇予定の従業員の方々とお話をされた、とその時の様子などを伺いました。その時の社長は本当に悲しい表情をされてました。
さらに、事務所と工場の2拠点でしたが、家賃削減のため、事務所を引き払いました。
さらに、社長が乗っていたベンツも売却することになりました。そんな状況で社長がベンツに乗っていては示しがつかないし、社長としてもけじめをつけたかったのだと思います。
負の作業しかない
上記のような状態は、負の作業でしかありません。本当に社長のメンタルがやられ、休まるときもありません。
それらを将来の経営改善のためと考えると、プラスにも見えますが、その時はネガティブな気持ちになるのは避けようもありません。
そのような状況のことをお伺いしていると、何のために社長をやっているのか?会社を経営しているのか分からなくなりますよね。
まだ今回の事例は、会社を倒産した、社長の個人財産がなくなった、とか最悪のケースではありませんが、その時のその社長からしたら悲惨なケースです。
本当に、同じような思いをする社長を一人でも何とかしたい、と強く思います。
そうならないように、常に事前準備に取り組んでください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?