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人身取引(人身売買)について

初めてノートを書くにしては、とても重いタイトル。

World Music Projectを立ち上げて
カンボジアの教育活動に関わりだしてから
気づけば9年目に入った。

音楽教育の存在しない国の学校に
音楽教育を根付かせようと始めて
鍵盤ハーモニカやリコーダーを届け
その後支援の幅は広がり
本当にたくさんの人の力を借りて
2018年に、シェムリアップに中学校を建てた。
(このことについてはまた後日書きます)
↓カンボジア、シェムリアップ州 トロー・オンドーン中学校

初めてのカンボジア

2011年
仲間の妹尾寛子と初めてカンボジアを訪れた日
僕たちを待ち受けていたのは
とてもショッキングな出来事だった。
訪問するはずだった小学校の正門前で
児童が誘拐に遭い授業はストップ
僕たちの訪問も延期になったのだ。
(児童は隙を見てお寺に逃げ込み保護されたが犯人は捕まらず)
それが僕たちとカンボジアとのファーストコンタクトだった。

無くならない人身取引

人身取引、いわゆる人身売買は人類最古のビジネスと言われている。その市場は非常に大きく、今も数千万人の被害者が存在している。
そしてその多くがアジアに集中している。
もちろんカンボジアにも人身取引解決を目的とするNGOがいくつも入っている。
国内外問わず、いろんな団体がそれぞれのやり方で問題に立ち向かっている。
売られる子どもの保護
親が子どもを売らないための就労支援
警察への働きかけ、取締りの強化…
それでもこの最古のビジネスは無くならない。
今日も田舎から連れてこられた女性や子どもたちが
タイの国境へと運ばれていく。

他人事じゃない

こんな話をしても、人身売買なんて遠い国の話で
日本に住む私たちには何も関係のないこと。
そう思うかもしれない。
実際僕もそうだった。
でもそうじゃない。
タイを経由して、彼らは日本、韓国、中国、欧州などに運ばれる。
そう、彼らは日本にも運ばれている。
性的搾取のため、性奴隷として、強制労働のため、臓器売買のため、、、
ほとんどがタイを経由してどこかの国に運ばれ
パスポートを取り上げられ
光の届かない世界で搾取されていく。
多くは監禁され借金を背負わされている。
逃げたとしても彼ら彼女らは
パスポートを持たない不法滞在者だ。
日本でも毎年数十人の人身売買被害者が保護される(半数は日本人)
最近では技能実習を謳った強制労働も問題だ。
僕たちは日本人の労働環境には敏感に反応するくせに
途上国から来た労働者に対しての最低賃金や労働時間にはあまりに無関心だ。

大切なのは知ること

日本人、韓国人、中国人が処女を買う値段の高さ。
セックスツーリストたちが東南アジアで好むのが
10歳にも満たない少女たちだということ。
東南アジアの売春宿には日本人客がたくさんいるということ。
いくら現地のNGOがあらゆる手立てで奔走しても
需要がある限り供給は無くならない。
大切なのは知ること。
そして自分自身が人身売買の受け皿にならないこと。
日本が人身取引の目的地にならないこと。

知識が変われば意識が変わる。
意識が変われば行動が変わる。

お前が言うなって?

僕も過去の自分を顧みて行動を変えていく。

それの繰り返し。

ちょっと話は違うけど、今日は子どもの日。
国連子どもの権利委員会が公表した日本政府への勧告

「社会の競争的性格により子ども時代と発達が害されることなく、子どもがその子ども時代を享受することを確保するための措置」を求める。

「子どもが子ども時代を享受できる」
私たちはそんな当たり前のことを
措置として求められている。

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