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何色あれば事足りる?

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は「最低限必要な色」について。

最近、描く時間が増えました

インクや画材も「色彩の世界の1つ」と紹介を始めたら、結構手元に集まってきて、最近「描く(書く)」時間が増えました。
集めて眺めてるだけでもいいのですが、使わないと意味が薄れるなと思って。

結果的に、
「描きたいから道具を揃える」のではなく、
「道具が揃ったから描く」みたいな感じになっちゃっています。

もともと描くのは好きなので、正確には
「描きたい&ネタになるから道具を揃えてたら、こんなに豊富になっちゃった!でも想像以上だから使わねば!」という感覚です。

さて、ちょっとわき道に逸れましたが、
豊富にある色数の中で、最低限「何色があれば事足りるのか」。
それを考えてみたいと思います。

何色があれば大丈夫?

この問いを解く時、以下の2つを定義する必要があります。

・デジタルか、アナログか
・自分で色を作れるか、作れないか

デジタルか、アナログか

デジタル

「使う端末・ソフト」に依存しますので、今回は考慮しません。
むしろ絵が描けるソフトなら、使い切れないくらいの色が使えます。
以上。

デジタルはRGB

アナログ

減法混色の3原色が絶対的に必要です。
C(シアン:水色)、M(マゼンタ:赤紫)、Y(イエロー:黄)
絵の具が際限なく使えるなら、この3色だけでもなんとかなりますが、
濃くするため、あとはキレイな黒を出すためのK(黒)

まずは最低限必要なのは、「3色ないし4色」となります。

・・・

自分で色が作れるか、作れないか

2つめが、自分で色を生み出せるものかどうか。

自分で色を作れる

こちらは画材が該当しますね。
絵の具類は、先ほどのCMYKを使って、
赤が欲しければ M+Y、
緑が欲しければ C+Y、
青や紫が欲しければ C+M
という感じで中間色をどんどん作っていけます。

水彩のように紙の白を残していく画材は、この4色さえあれば、知識で好きな色を作れます。

自分で色を作れない

混色できない・難しい画材や、布・服などは、満足するまで色を集める必要があります。

混ぜられないので、色彩好きのクローゼットはこんな感じに。

結果は…

・アナログで色が作れる場合は、最低3色(CMY)+黒(K)
・アナログで色が作れない場合は、必要なだけ
・デジタルはほぼ無制限

という結果になりました。

たくさんあると便利

とはいえ、これは色を作る、組み合わせるうえで必要最低限の話。
色はたくさんあると便利で、多いにこした事はありません。

不透明水彩や油彩のように、白を使わないと色を明るくするのが難しい場合は、白が加わってきます

アクリルは速乾性の絵の具なので、
複雑な色は再現性がとても低くなります。
(すぐ乾くので、何色も混ぜて作るタイプだと無駄になりやすい)
そのため色が多くあると、似た色を簡単に再現できるようになります。

また完全な中間色を作るのには結構な時間を要します。
紫の場合は、青紫や赤紫に寄りやすく、中央の紫を作るのが難しいです。
絵の具の特性で同量混ぜても、どちらかによることもあります。
なら最初から中間の色のものがあれば、時間を節約できます。

色を増やすのは管理コストが増えますが、
その分、調色にかかる時間を節約できますし、再現する技術がなくても、欲しい色を使えます。

改めて必要最低限を知ることで、外せない色+利便性を高める色を選択していけるようになるといいですね。

実体験&勉強から得た色彩のお話を発信しています。 よろしければサポートいただけると嬉しいです。 心躍る色彩のご紹介に繋がる様々なアイテムの準備に活用させていただきます。