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趣深い日本の色彩 #23 瑠璃色

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は美しい青のお話。

瑠璃=ラピスラズリ

名前の通り、瑠璃るりの青を表す瑠璃色。
よく聞く色名でもあり、名前に使われることもあるので、耳馴染みのある方は多いのでは。
瑠璃はペルシャを中心に産出・流通し、仏教では「七宝」の1つに数えられています。
また瑠璃色にならった造られた青色のガラスなどを指す場合も。

鉱石では、ラピスラズリのことを指します。
そんな瑠璃=ラピスラズリを粉末状にして、絵の具も作られました。

色としては、紫みを帯びた青を表します。

濃く鮮やかな青の総称

瑠璃という言葉は、「濃く鮮やかな青」の総称としても使われます。
そのため、
碧瑠璃へきるり
・瑠璃紺
・瑠璃鉄
・瑠璃花色
といった、派生・関連する言葉があります。

茶や鼠(グレー)といった色のグループではなく、「瑠璃」と言う1色から派生した色名があるのはなかなか興味深いですね。
それだけ細分化したくなる青のゆらめきが感じられたんだろうなと思います。

ここからは、鉱石のお話

いつもは日本での由来や使われ方を語っているシリーズですが、
自分は鉱石集めも趣味でして。
少しだけラピスラズリについても語りたいと思います。

ラピスラズリは和名では「青金石」とも呼ばれるように、様々な表情を見せる青の中に、金色の粒が散らばっています。
その姿はまるで地球や星空、宇宙のよう。
「天空を象徴する石」「聖母マリアを表す神聖な色の石」と言われるのも、納得の姿形と色をしています。
この石に触れていると、襟を正したくなる感じがあります。

手持ちのラピスラズリ

また、ヨーロッパでは「海を渡ってきた石」ということで「ウルトラマリン」とも呼ばれています。
アクリルガッシュにも「ウルトラマリン」があって、深いのに澄んだイメージを感じられる好きな色。

瑠璃は心を揺さぶる魅力に満ちた色彩なので、深い鮮やかな青を見かけたら手に取ってみてほしいと思います。


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