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独立してるのに混ざって見える【併置加法混色】
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は混色についてのお話。
必ず見ている混色手法
併置加法混色という混色があります。
見る人間と色の距離が離れて、色同士の境界がぼやけると、
独立しているにも関わらず、色が混ざったように見えるというものです。
名前だけ見ると、小難しい感じがしますが、なんてことはありません。
皆さん毎日、眺めています。
なんなら、この記事を読んでるということは、絶対的に眺めているわけです。
なぜなら、テレビやパソコンのモニターなどの「ディスプレイ」に使われているからです。
ディスプレイは、1つ1つを視認するのが難しいくらい、とても小さな「赤・青・緑の光の点」を順番に並べて発色させています。
![](https://assets.st-note.com/img/1655907928956-hxZwi6wNuZ.png?width=1200)
今は拡大しているので、カラフルなドアが並んでいるように見えますが、
ぐーーーーーーーっと引いていくと…
![](https://assets.st-note.com/img/1655908076879-sOKN4Ae2vF.png)
こんな感じに、くすんだ赤に見えますね。
不思議なものです。
絵画では点描画が
この混色は、現在ではデジタルで見ることの多い手法ですが、
アナログでも使われています。
それが点描画。
ジョルジュ・スーラの《グランド・ジャット島の日曜日の午後》などが有名ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1655908687177-qwNeVMyjTF.png?width=1200)
微細な点の集合で描かれていますが、鑑賞する人には、色が混ざって美しい緑の風景が広がっているように見えます。
(作品はCreativeCommonsとして、上記のサイトから高画質版がDL可能です)
よく見ると、影の部分には青が配されていたり、
緑の芝生の中にも、様々な色がひしめき合っています。
絵画におけるこの混色方法は、
実際に混ぜていないので、同じ分量で実際に混ぜた時より、
クリアな色を得やすいのも特徴。
絵具は減法混色(CMYK)で、色を重ねるとどんどん暗く濁っていくので、明るく濁りのない色を作るには、混ぜずに混色するこの方法が最適です。
混ぜた色を見るために、必ずしも混ぜる必要がないというのは面白いですよね。
人間の視覚や脳が、いかに曖昧なものなのかが分かりますね。
当たり前のように普段から目にしているのに、考え始めると不思議な体験。
そんな併置加法混色のお話でした。
実体験&勉強から得た色彩のお話を発信しています。 よろしければサポートいただけると嬉しいです。 心躍る色彩のご紹介に繋がる様々なアイテムの準備に活用させていただきます。