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不快のデザイン展へ行ってきた

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は面白いコンセプトのデザイン展に行ってきたお話。

世の中を良くする不快のデザイン展

世の中には「不快」を与えることで、安全性を守るデザインがあります。
なにかしらの警戒を促すアラートであったり、
踏切などの設備であったり、習性に影響する日用品であったり。

そういう日常の中に取り入れられている「不快」をコンセプトにしたのがこのデザイン展。

開場はGOOD DESIGN Marunouchiというところで、
丸の内とついていますが、有楽町駅から行くのが近かったですね。
ビックカメラ側に出て、歩く事数分。

大きなスペースではありませんが、
入場無料で気軽に入れるのが良かったです。

実は4/8の土曜日に行ってみたのですが、
結構人が並んでいて、流石に30分以上待つのはな~と一度断念したんですよね。
で、平日ならそこそこ空いてるだろうと、平日に再度伺った次第です。

五感にまつわる不快と行動心理

人は不快なものにストレートに反応します。
視覚なら「危険や注意の色彩、眩しい照明」
聴覚なら「気持ちの悪くなる音、甲高い電子・機械音」
触覚なら「触りたくないもの、邪魔に感じるもの」
味覚なら「苦い、まずい、変な味」
嗅覚なら「臭い、刺激臭」

どれも嫌ですね。
でも「嫌だからこそすぐに反応できる」のも事実。
食べると命の危機に陥る腐ったものが、いい匂いを放っていたら危険です。
ガスも異変に気付きやすいように、「わざわざ匂いが付けられている」そうです。

色彩では

色彩にまつわるお話も、信号機のデザインの中で取り上げられていました。
JIS安全色と呼ばれる色彩の紹介。

パネル前に他の方がいたので、ちょっと歪なパースの写真に…

赤に近づくほど危険度が増し、緑は安全や誘導(非常口は緑ですよね)など、色彩心理も利用した色彩設計になっています。

このカラーパネルの展示が分かりやすくて良かったです。

不快から生まれる達成感も

他のコーナーでは、SNSでの広告やわざと欠けたフォントなど、
必要としていないものや読みづらさという不快から、
「情報を探し出す達成感を得る」「読みづらさが記憶保持力の向上になる」といった手法も紹介されていました。

デザイナーとしては、この考え方は「なるほどなぁ」と納得で楽しい知見でした。

わざと欠けているフォント。でも案外読める。

こんな感じで、危険と困難を強調することで、安全と達成感を得られる事象を学べるデザイン展でした。

4/23(日)まで開催されているので、ご興味あればぜひ。
コンパクトにまとまって見やすいですし、無料なので。

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