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趣深い日本の色彩 #40 黄蘗色
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は植物の力が印象的な黄色のお話。
虫喰いを防ぐ黄色
刈安をはじめ、梔子(支子)、鬱金など植物から得られる黄色はいくつかあります。
今日の黄蘗もその1つ。
この黄蘗は、ちょっと面白い植物で、名前の通り木の皮を剥ぐと鮮やかな黄色のコルク層が見られます。
![](https://assets.st-note.com/img/1668604417175-SS9jIGfzSx.jpg?width=800)
https://maitokomuro.com/naturaldye/amur-cork-tree-dye/
色見本もこの黄色をそのまま切り取ったような色合い。
他の植物から得られる黄色と比べても、明るく軽やかな色彩ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1668605906317-y3AUGS2jSM.jpg)
この黄蘗はこうした黄色が得られる他に、防虫効果があるのが特徴で、そのためか古来より紙の染色に使われていました。
その防虫効果のほどはというと、「正倉院に収められている紙関連のほとんどがこの黄蘗で染めた黄紙が使われている」ことから分かります。
今のようにデジタルデータとして情報を残すことが適わなかった古来、黄蘗の保存能力は、情報を残す上で重要や役割を持っていたことと思います。
虫喰いを防いで、長く保存するための知恵が詰まった色彩。
黄色の軽やかさに留まらない、素敵な色彩ですね。
参考文献:日本の色図鑑
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